【イギリス国内旅】「ザ・クラウン」でも登場するウィルトン・ハウス、絵になる美しさをロシアに再現した女帝エカテリーナ

2021-08-21

ソールズベリ大聖堂とその隣にあるArundellを見学して、さらにそれからバスに揺られて少し離れた場所にあるウィルトン・ハウス(Wilton House)へやってきました。ウィルトシャー (Wiltshire) にあるペンブローク伯(Earl of Pembroke)兼モンゴメリー伯所有のカントリーハウスです。

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△この日は、動物のモチーフにたくさん出会いました。まずは

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△満開のラベンダーと噴水のコントラストがなんとも爽やか!

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建物内は、残念ながら撮影禁止ですが、さまざまな映画やTV撮影に登場しています。たとえば、最近ではドラマThe Crown(ザ・クラウン)でも、エリザベス女王がいらっしゃるバッキンガム宮殿のなかの一部屋として使われているそうです(ロシアナ映画館『ザ・クラウン(The Crown)』)。

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フロント・ホール中央には、Wiltonにシェイクスピアがやってきたことを記念したシェイクスピア像や伯爵の肖像画(いつも伯爵のそばを離れなかったという愛も一緒に描かれていました)が飾られていました。代々伯爵家に受け継がれ実際に生活が営まれてきた邸宅内は、とてつもなくゴージャスですが、ミュージアムとはまた違い、客人を迎えいれてくれる温かさのようなものを感じます。

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印象に残っているのは、The Great Ante Roomのレンブラントの母の絵、Large smorking roomのViolin Bookcase(バイオリンの彫刻の施された本棚)、そしてThe Gothic Hallの階段とそこで撮影された伯爵家一家のポートレート。そしてイギリスのなかのロシアも!The King’s Bed Chamberには、ロシア大使ヴォロンツォフ大使の肖像画があり、11代伯爵の2番目の妻は、ヴォロンツォフ大使の娘エカテリーナ・ヴォロンツォワ(家系図の英語表記ではCatherine)だったそうです。

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△The Palladian Bridgeの絵になる美しさに感動したロシアの女帝エカテリーナ2世は、ツァールスコエ・セロー(現在はプーシキン)にこの橋をコピーした大理石の橋を作るように命じたのだそうです。

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△ツァールスコエ・セロー(現在はプーシキン)の大理石の橋МРАМОРНЫЙ (ПАЛЛАДИЕВ) МОСТ(PUSHKIN.RUより転載)

また広大な庭の東エリアは、ヴォロンツォフ大使の娘エカテリーナの手によって、さまざま木が植えられましたが、そこには皇帝ニコライ1世によって植樹されたライムの樹もあるのだとか・・・

実はロシアと縁があるとは全く知らずに訪れたWilton Houseでしたが、“ロシアナ歩けばロシアにあたる”。いつも何か新しいロシアを発見し、ロシアな旅になっていきます。邸宅内で読んだり聞いたりしたことが全てですが、ここからさらに、エカテリーナ2世がどのようにこの橋の存在を知りどうやって作ったのか、ニコライ1世はどんなイギリス滞在をしたのか・・・など興味は尽きず、謎解きのようにワクワク調べていくと本が1冊完成してしまいそうですね。

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△邸宅のカフェでは紅茶とヴィクトリア・スポンジケーキでひとやすみ

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あひる?鴨?の横断に注意・・・可愛らしい標識も発見!

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△街角では、フクロウ鹿、そして

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ライオン!13世紀の建物をホテル&パブにしているレッド・ライオンで朝ごはんをいただきました。

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△バスのなかで、ソールズベリ名物のケーキ、ラーディ・ケーキ(Lardy Cake)の存在を教えてもらい、さっそく試してみることに。こういうガイドブックにはない素敵なものを開拓するのが旅の楽しみのひとつですね。レーズンのパンの周りをスパイスとお砂糖でコーティングしているようなお味。

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△ソールズベリからロンドンへ直行の列車に乗るとあっという間の約1時間半。

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△ロンドンのウォータールー(Waterloo)駅にはゾウが・・・!

【イギリス国内旅】最も高い尖塔を持つ美しいソールズベリ大聖堂とあの事件・・・

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ソールズベリといえば・・・イングランドで最も高い約123mの尖塔を持つソールズベリ大聖堂(Salisbury Cathedral)。

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ソールズベリー大聖堂は、1220年から1258年というわずか38年間で建設されたイギリス・ゴシック様式の傑作です。332段の狭い階段を登って、この尖塔の天辺付近から自然豊かなソールズベリーの町を楽しむことができるツアーもあります。

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模型の周囲には、建築当時の様子をミニチュアでみることができます。

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△現在も動いている時計のなかでは世界で最も古いものと言われています。14世紀には機械式時計が多く作られ、イギリスの古城や古い教会のものをサイエンス・ミュージアムでも見学することができます。

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この美しい空間でコンサートも開催されるそう。

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△ミサの時間には素晴らしい聖歌隊の歌声も。新しいメンバーは、伝統的にこの柱に頭をつける儀式があるのだそう!

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△また、この高い尖塔を持つ教会の地下の土台部分はわずか1.2mしかないそうで(!)、1915年の洪水で浸水してしまったときの一枚も・・・悲惨な事態ながらあまりの美しさにしばらく目が離せませんでした。

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△Arundells(エドワード・ヒース邸)は大聖堂の隣にあります。(【イギリス国内旅】ソールズベリを愛した首相&指揮者!エドワード・ヒース

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△船底のような形の天井を持つ美しい回廊は、英国の教会でよくみかけます。映画『ハリーポッター』シリーズに登場するレイコックの教会にも美しい回廊がありました。(関連☆)

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△4つ現存しているマグナ・カルタ(大憲章)の原本うちの1つを見ることができます。マグナ・カルタは1215年にイングランド王により制定された憲章で、イギリスの法律の土台となっています。中央の1本の柱は、この空間を支える大黒柱で、その横に設置された薄暗いテントのなかにあります。ここに展示されているものが最も保存状態が良いのだそうで、A3くらいの紙に綺麗にぎっしりと文字が並んでいました。横に英語翻訳も。

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△実際に石柱を削って彫刻を施す作業を実演してくださいました。

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△お土産ショップにもユニークなものがたくさん!子供向けのパジャマや・・・

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△キューガーデンのソープやハンドサニタイザーは、香りもパッケージも素敵!大好きなブルーベルのものも。(☆ブルーベル!水鳥の赤ちゃん!日本庭園の桜!春のキュー・ガーデンズ (Kew Gardens) アルバム

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大聖堂のあるソールズベリの美しさは多くのイギリスの画家を魅了し、イギリスを代表する画家ウィリアム・ターナーなどが描いています。

ところでソールズベリといえば、“英国で最も住みやすい街”に選ばれている一方で、あのスパイ毒殺未遂事件の舞台としても新聞に取り上げられました。

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△エイヴォン川の支流が流れるのどかな風景のなかで・・・

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△この広場のベンチで神経剤ノビチョクによる襲撃によりセルゲイ・スクリパリ氏と娘のユリアさん親娘が倒れました。

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△恐ろしい事件に街は震え上がり、消毒のために一時街が封鎖される事態に・・・

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△広場から歩いてすぐのピッツェリアのチェーン店Zizzi(ジジ)にて親娘は直前まで食事を楽しんでいたそうです。現在は営業再開しているようです。容疑者とされた男性2人組は、マスコミからのインタビューのなかで、ソールズベリの美しい大聖堂を観光するためにこの街を訪れたのだと話していました。親娘は一命をとりとめましたが、毒の入っていた香水瓶を受け取ってしまった女性が亡くなってしまいました。事件は迷宮入りになりましたが、BBCはこの事件をもとにしたドラマを制作しています。

【イギリス国内旅】ソールズベリを愛した首相&指揮者!エドワード・ヒース

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(2021.08.09)ストーンヘンジからバスでソールズベリ(Salisbury)へやってきました(【イギリス国内旅】世界遺産ストーンヘンジ、実はロシア版も!?)。イングランドで最も高い尖塔を持つ美しい大聖堂のある街、そしてその大聖堂を観光するためにやって来た二人のロシア人を巡ってあの事件が起きた場所でもあります・・・

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△ストーンヘンジを往復してくれるバスがあるため、ソールズベリ観光とセットで訪れる方も多いようです。

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△街角のファッジ屋さんローリーズ・ファッジ(Roly’s FUDGE)にも・・・

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△ファッジで出来たストーンヘンジ!

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△ソールズベリ大聖堂の周りは緑地が広がり、憩いの場になっていました。美しい聖堂を囲む一等地には、お庭の綺麗な邸宅が並んでいます。

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そのなかの1軒、エドワード・ヒース邸アルンデルズ(Arundells)を訪れました。

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△エドワード・ヒース元首相(Sir Edward Richard George Heath)は労働者階級出身の保守党党首、政治家としての顔意外にも、指揮者としてロンドン交響楽団の名誉指揮者を務めるなど音楽の世界でも活躍し、さらに船を愛する海の男で・・・と、心惹かれる世界に捧げた人生でした。そんなヒース首相が人目見て恋に落ち、心から惚れ込んで晩年を豊かに暮らしていたこの邸宅は、栄光に彩られ、また審美眼にかなった選りすぐりのものに囲まれた唯一無二の空間。

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△書斎兼“音楽の間”では、愛用のスタインウェイのグランドピアノの上に、首相時代の各国要人との記念写真が並びます。在任期間は1970年から1974年でした。(次期首相がマーガレット・サッチャー)幼い頃からピアノを学び、15歳から指揮を学び始めたそうです。

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△向かって左がヒース元首相で、そのお隣がエリザベス女王。アメリカのリチャード・ニクソン首相ご夫妻をお迎えしたときの一枚だそうです。ドラマのなかの世界が蘇ります(☆ロシアナ映画館『ザ・クラウン(The Crown)』)。

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△また、音楽家としての記念写真も多く・・・

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△ロシアのストラヴィンスキーやショスタコーヴィチとの1枚も!

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△20世紀最高のヴァイオリニストの一人と呼ばれたアイザック・スターン(Isaac Stern)がバッハのシャコンヌを演奏中に壊れた弓の毛(1973年10月27日)や、エリザベス女王の戴冠式の際に、ウェストミンスター大聖堂で自身が座った椅子など貴重なものがいろいろ!

政界引退後は本格的に指揮者として活躍。1986年11月3日にはサントリーホールのオープンを記念したコンサートでもドヴォルザーク『新世界より』などの指揮をしたそうです。世界一美しい響きにこだわって設計された日本のクラシック音楽の殿堂サントリーホールでは何度か司会をしましたが、入り口の壁にはからくり時計が、楽屋裏には壁一面に世界の著名アーティストからのサインが飾られていました。きっとなかにはヒース元首相のものもあったのでしょうか・・・(☆『日本におけるロシア年』&【日露交流年2018】【ロシア文化フェスティバル IN JAPAN】2018オープニング司会!舞台は夢のボリショイ劇場!

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△図書館または“日本の間”と呼ばれる部屋では、お気に入りのティーポットで紅茶を淹れ、リラックして音楽を聞いたり本を読んだり最も多くの時間を過ごしたそう。イギリスの首相として初めて1972年9月、田中角栄総理大臣の時代に来日されたそうです。本棚にはロシア語の書籍も。

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△暖炉の上には4枚の喜多川歌麿の浮世絵。来日時に購入したと考えられています。画家モネの家もそうでしたが、ヨーロッパの邸宅で見る浮世絵にはまた異なる際立った美しさがあります。“like a lovely slice of Japan“!

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△こちらは明治、大正、昭和にかけて詩情溢れる風景画家の第一人者として活躍した吉田博氏による連作『Island Sea』。左から右へ行くに従って、夜から朝へ、そして昼へ・・・と時間が経過していきます。

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△アジアのなかでは日本以上に中国とのご縁もとても深かったというヒース首相。邸宅内にたくさんの中国から送られた記念品が展示されていましたが、なかでも壮観なのはこの階段!三国志をテーマにした壁紙!

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△窓辺に船。ベッドサイドにはモノポリー!なんだかまるで少年の部屋みたい!モノポリーはロシアでもさまざまなバージョンがありましたが、ここイギリスはさらに種類豊富に感じます。アビーロード、トッテナムホットスパースタジオ、ストーンヘンジ・・・観光地を訪れるたびに、オリジナルのモノポリーに出会います。(☆【ロシアのお土産】ロシア版モノポリーで遊んでみよう!

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△プロの画家並みの腕を持っていたというウィンストン・チャーチル元首相から贈られた1枚が、ダイニングルーム前に飾られていました。

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△たくさんのゲストをもてなしたダイニングルーム。どの部屋にもテーマが感じられます。

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すぐそばを川が流れ、ソールズベリ大聖堂が見える広いお庭。ヒース元首相は、この地を愛し、ここで亡くなりました。2005年まで暮らしていらしたということで、「ようこそ」と家の主人が顔を覗かせそうな雰囲気でした。ロシアでも偉人たちの暮らした邸宅や部屋は『部屋博物館』として公開されており、愛用品の数々からその人物の息遣いを感じることができました。

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Arundells https://arundells.org

明日は、ソールズベリ大聖堂、そして街を歩きます。