“クリミアの天使“フローレンス・ナイチンゲール博物館ともうひとりの天使マリア・シーコール

2021-08-13

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新型コロナウイルスの犠牲者に捧げる手描きのハートで埋め尽くされたメモリアル・ウォール(☆【新型コロナ】ハートで埋め尽くされた犠牲者に捧げるメモリアル・ウォール)。テムズ川にかかるウエストミンスター橋から眺めるとそのメモリアル・ウォールの奥には、ボリス・ジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染した際に入院したSt Thomas’ Hospital(セント・トーマス病院)が見えます。この病院の敷地内にあるのがフローレンス・ナイチンゲール博物館。ちょうど息子も歴史の授業でナイチンゲールについてのエッセイが夏休み前の試験範囲になっていました。

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フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale)は裕福な家庭に生まれ何不自由ない暮らしを送っていましたが、とても敬虔なキリスト教徒で神の声に導かれ、看護の道を目指すようになります。ドイツ留学を経て、クリミア戦争では自ら志願して38名の看護婦を率いて従軍看護婦として従軍しました。女性が職業を持つことはもちろん、職業に生涯を捧げることも珍しかった時代に、不衛生だった病院を抜本的に改革し、戦争後も聖トーマス病院内にナイチンゲール看護学校を作ったり、看護についての本を執筆するなど尽くし女性として初めて勲章を授与されました。

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△クリミアで摘んで押し花にした野花、ロシア兵の残したイコン入れなど。クリミア戦争は、ロシアとオスマン帝国が、バルカン半島の支配をめぐって対立したことをきっかけに、1853年から1856年、クリミア半島を舞台にして、トルコ、フランス、イギリスを中心とした同盟軍とロシアが戦いました。

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△夜間もランプを手に、傷病兵たちを見回ったというナイチンゲールは“ランプの貴婦人”とも呼ばれました。ナイチンゲールが近づいてくるだけで、安らかに眠ることが出来たと言われています。

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△ナイチンゲールがアテネのパルテノン神殿を訪問した際にフクロウの雛を助け、“アテナ”と名付けてペットとして飼うようになり、よくなついてそれはかわいがっていたのだそう。クリミア戦争従軍のために出発する直前に不幸にも亡くなってしまい、悲しみに暮れたナイチンゲールはアテナを剥製にして生涯そばに置いていたのだそう。

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ナイチンゲールの伝記は世界中で読まれておりその名はよく知られています。看護についての著書も世界各国に翻訳されており、ちろん日本語もありました。

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△ナイチンゲールが晩年を過ごした最後の寝室が再現されていました。ベッドサイドの美しい屏風は和風に見えます。

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△現存するナイチンゲールの写真のなかで最後の1枚と考えられているものも、この寝室で撮影されました。愛する小物に囲まれた穏やかな空間・・・

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△蓄音器からナイチンゲールの肉声を聞くことができたり、小箱をあけて好きだったというホワイトローズとジャスミンの香水を嗅いだり・・・

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△クリミア戦争の間にスクタリ病院の傷病兵たちのためにナイチンゲールがロンドンのF&Mにオーダーしたというbeef teaは、スプーン1杯にお湯を加えるだけでビーフブイヨンのスープに。今でもお店で購入できるそうです。

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△時間制でお芝居も楽しむことができます。この日はタイムスリップしてメアリー・シーコール(Mary Seacole)というもうひとりの看護婦の生涯が紹介されました。カリブ海の島国ジャマイカで、スコットランド人の父とジャマイカ人の母のもとに生まれたメアリーは、幼い頃から薬草やスパイスを用いた伝統療法を母から受け継ぎ、当時大流行していた恐ろしい死の病コレラに効く薬で多くの人を救いました。クリミア戦争へ向かうナイチンゲール率いる看護団に応募するも叶わず、資金を集めて自らの病院を設立して(ナイチンゲールのスクタリ病院よりも川を挟んでさらに前線近くにあったそう)多くの軍人のケアにあたったそうです。客席をまきこんでの楽しいお芝居で、陽気で意思が強く皆に好かれたというメアリーらしく芯があって温かく包み込むような歌声にもすっかり惹きこまれました!

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△ミニコーナーでは、メアリーの愛用していたハーブも紹介されていました。木箱をひらくたびにスパイシーな香りが漂います。

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△博物館を出ると、中庭に大きなメアリー・シーコールの銅像がありました。(病院内にはナイチンゲールの銅像があるそうです。)コロナに立ち向かう今の私たちにとって、コレラに蝕まれた世界に希望を与えたメアリーの存在を知ることができて新しい力をもらったような気分でした。

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△ギフトショップには、ロシア・アヴァンギャルド風デザインも!?「本よ!」と呼びかけている吹き出し部分がよくパロディにも使われるアレクサンドル・ロトチェンコのポスター(Александр Родченко. Плакат «Ленгиз: книги по всем отраслям знания»)。

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△さて、博物館にはナイチンゲールが暮らしていた家のドアもあり、メイフェアにあった家の建物にブループラークが残されていると聞いて、後日訪れました。(10 South St, W1K 1DF)

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ロンドン市内には、ナイチンゲールの銅像もあります。

お墓は、セント・ポール大聖堂にあります。(☆鳩に餌を・・・♪桜満開のセント・ポール大聖堂

【イギリス国内旅】ストラトフォード=アポン=エイヴォンへシェイクスピア巡礼の旅!そして名物ジャイアント・スコーン

2021-08-12

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イギリスの国民的詩人であり、世界で最も優れた劇作家の一人と称されるウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)の人生を辿ることが出来るストラトフォード=アポン=エイヴォンでの1日。

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夏はバーミンガムスノーヒルからシェイクスピア急行で訪れることもできます。(【イギリス国内旅】運河とスチームエンジン!産業革命で発展したバーミンガム、図書館とシェイクスピア急行

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△シェイクスピアセンターでは、シェイクスピア関連の見どころを網羅した共通券も(Shakespeare Birthplace Trust)。ここで家系図や生涯についての年表などを見てから、隣接している生家へ。

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ここで生まれ、言葉を覚え、文字を学んで、このかまどで焼いたパンを食べて、この床や階段を駆け回り、窓からの景色を眺め、ベッドに横たわって本を読んだり、革手袋職人だったお父様のお手伝いをしたりもしたのかしら・・・子ども時代や家族の時間に想いを馳せます。

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△つづいて、シェイクスピアの妻アン・ハサウェイの家へ。年上のアンに求婚し、結婚後は3人の子供に恵まれました。

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△ウィリアムのウィルはwill(意志)・・・このノートと筆ペンで書きだしたらずっと言葉にできなかったもやもやも希望の形になりそう。

つづいて、シェイクスピアが晩年を過ごした家ニュー・プレイス。

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△当時のお屋敷は残っていませんが、その敷地にある広いお庭を歩くことができます。

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あちらこちらにシェイクスピアの作品をテーマにした彫刻も

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△シェイクスピアの孫娘が住んでいた家では、当時の屋敷をイメージする展示もあります。

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△ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのシェイクスピア劇も堪能できます。スワン・シアターでは、コロナウイルスの影響で開放的な夏の野外劇場が。

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△時間が合わず観劇できませんでしたが、場外トランク席から・・・

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△イスラエルから贈られた街頭(【イスラエルのなかのロシア】〜まとめ〜

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△シェイクスピアに関連する場所は、市内をまわる乗り降り自由のオープントップのバスツアーも便利。

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△シェイクスピアが眠るホーリー・トリニティ教会

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△羽ペンを手にするシェイクスピアの胸像

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△家族でここに眠っています。

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△右がシェイクスピアの墓、左が妻のアン・ハサウェイの墓

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教会はエイヴォン川のほとりにあり、川沿いは美しい緑地や遊歩道が広がっていて市民の憩いの場となっています。世界中からシェイクスピア巡礼の旅に訪れる観光客のため、シェイクスピアを愛するこの小さな街は可愛らしいお土産やさんやカフェ&パブも多く、街歩きも楽しめます。

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△子どもたちがチューダーの世界を味わえるTudor World

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一年中クリスマスショップではロシアで定番の教会の玉ねぎ屋根のような形のクリスマスツリー飾りやテディベアショップではマトリョーシカ も見つけました。

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△ジャイアントスコーンで有名なカフェ「ホブソンズ(HOBSONS)」

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△店内の美味しそうなショーケースの上には・・・サモワール⁉︎

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△イギリスの定番クリームティー(スコーンとクロテッドクリーム&ジャムと紅茶)についているスコーンと比べると・・・この通り!たっぷりクロテッドクリームの挟まったジャイアントスコーン!!

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△ストラトフォード=アポン=エイヴォンからロンドン・マリルヴォン駅へは列車で約2時間と少し。車やバスでもアクセスできます。(駅や観光スポットにはスーツケースなど大きな荷物を預ける場所がないためご注意ください)

さて、ロシアが世界に誇る国民的詩人といえば、やはりプーシキンでしょうか!世界でもっとも偉大な文豪といえばイギリスではシェイクスピア、ロシアではドストエフスキー?それともトルストイ?4大悲劇といえばシェイクスピアですが、4大戯曲といえばチェーホフですね。

【モスクワで出逢う偉人シリーズ】〜まとめ〜

モスクワでもシェイクスピアの詩に出会える場所があります。シェイクスピア劇もさまざまな劇場がレパートリーにしています。

【モスクワ通信】新たな一面を発見!モスクワのなかのイギリスをピックアップ

【イギリス国内旅】運河とスチームエンジン!産業革命で発展したバーミンガム、図書館とシェイクスピア急行

キャドバリーのチョコレート工場があるボーンヴィル(Bournville)から、バーミンガムへ。ちょうどロンドンとリヴァプールの間に位置し、産業革命にともなって運河と鉄道の要の工業都市として発展しました。Steam engine(蒸気機関)を発明したジェームズ・ワットが活躍したのもここ!ちょうど息子は歴史の授業で産業革命を学んだばかり。

街の中心にあるバーミンガム図書館のユニークな建物が見えてきました。

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△歴史的な建物とのコントラスト!

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△プレゼントの箱を重ねたような四角が印象的な外観から一転、宇宙船のような円形に本が並ぶ館内。天の川と星空のようなライトアップは図書館とは思えません。

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△ロシア関連書籍コーナーも。屋上には庭園もあるそうです。

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ちなみに・・・高級百貨店セルフリッジズのバーミンガム店も、Future Systemsによるもので未来的!(お写真はWikipediaより)

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△Victoria Squareとヴィクトリア女王像

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△歴史ある銀行の建物をパブにしたLost&Found。お昼はアフタヌーンティも楽しめるそうでとっても雰囲気があります。

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△グランド・ユニオン運河沿いのパブThe Malt House”へ。

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△運河を眺める気持ちの良いテラス席には、1998年のG8でバーミンガムを訪れたアメリカのビル・クリントン大統領が座ってビールを楽しんだのだとか。日本からは橋本龍太郎内閣総理大臣、ロシアからはボリス・エリツィン大統領が出席していました。

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△ビールに合うフィッシュ&チップスとミートパイ

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△夜遅くまで明るいこの季節、雰囲気のよいおしゃれなレストランが集まる運河沿いはたくさんの人で賑わっています。  

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△鉄のかたまりのような銀色のバーミンガム駅

バーミンガムスノーヒル(Birmingham Snow Hill)駅からはさまざまなヴィンテージトレインに乗ることができます(公式サイト https://vintagetrains.co.uk)、夏季の日曜日には特別にシェイクスピア急行(The Shakespeare Express)と呼ばれる可愛らしい蒸気機関車も走っていて、シェイクスピアの生まれた町ストラトフォード・アポン・エイヴォン(Stratford-upon-Avon)へ運んでくれます。

この日は不具合により別の列車になってしまったのですが、それはまた鉄道ファンにはレアな機会だったようで、駅にはたくさんの人がカメラを手に待ち構えていました。

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△食堂車で古イングリッシュ ブレックファーストの朝食をいただくプランや、車両内でベーコンロールと紅茶を頂くプランなど。

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△草原にたくさんの羊たちが見えます。朝の気持ちの良い景色を眺めながら列車に揺られて・・・