モスクワ通信『ゾウ登場に大歓声!ドゥロフ記念動物劇場』

2019-04-28

(ロシア文化フェスティバルblog)

サーカス大国ロシアが誇るモスクワの2大サーカス劇場といえば、「Большой Московский Государственный цирк ボリショイ・モスクワ国立サーカス」と「Московский цирк Никулина на Цветном бульваре ツヴェトノイ・ブリバール・モスクワ・ニクーリン・サーカス」ですが、ほかにもここでしか観ることのできないユニークなサーカスがあります。

IMG_E7711

△そのひとつが、ドゥロフ記念動物劇場(«Уголок дедушки Дурова»)です。動物の彫刻がいっぱいの可愛らしい建物!

IMG_7717

IMG_7724

△それぞれのサーカス団専用の劇場があるなんてさすがサーカス大国ですね!

IMG_7728

△建物内の廊下はギャラリーになっています。1912年にこの劇場を創設したピエロで調教師、動物心理学の研究者、サーカス分野で初のソ連功労芸術家でもあるウラジーミル・ドゥロフ氏(Владимир Леонидович Дуров)をはじめ、歴代のアーティストたちの写真やポスター等・・・

IMG_7721

△動物と記念撮影コーナー

IMG_7718

△暗い客席で光るおもちゃが人気のようです。

IMG_7732

IMG_7735

△ロシアの劇場や屋台ではすっかり定番人気の綿アメ。ロシア語でも“ワタ”と言います。

IMG_7736

△ロシアでは3度のベルで開演です。

IMG_7749

△まるで絵本の世界のように動物たちが人間とともにストーリー仕立てで楽しませてくれる部分と、動物とともに世界各地の民族衣装を着た男女ペアがつぎつぎに登場してショーのように魅せてくれる部分がありました。シベリアが舞台のトラのサーカスや、スイスが舞台の山羊のサーカスなど。ほかにもサル、犬、猫、ニワトリ、セイウチなど・・・さまざまな役者(動物)が登場しました。

IMG_7778

△モスクワの動物園でも人気者の白いオオカミ!オオカミとも抱き合ってキスしたり愛おしむようになでてやったりと絆を感じます。こちらの劇場では、調教に鞭などを使用せず、ほめてご褒美をやることで舞台を作り上げていくそうです。途中で舞台裏へ帰ってしまったり、予定通りにいかない場合もありますが、決して無理強いはせず優しさが伝わってきます。

IMG_E7791

△ロシアのサーカスといえば熊!愛嬌たっぷりで芸達者です。

IMG_E7767

△カバも登場!そして最後は「私たちのサーカスのシンボルにもなっている一番大きな役者を紹介します!」

IMG_7796

△ついに象が登場すると、会場はキャー!という子どもたちの大歓声に包まれました!!!

IMG_7806

△悠々とステージを一周したあとは、逆立ちなども見せてくれます。象とともに登場したのは、ナタリヤ・ドゥロワさん。創設者の玄孫(やしゃご)にあたります。古き良き伝統が大切に引き継がれていますね。

 

«Уголок дедушки Дурова» http://www.ugolokdurova.ru

住所: Ulitsa Durova, 2/1

【ロシア文化フェスBlog】モスクワ通信『Ц.Д.Л (ツェー・デー・エル)文学者の家

2019-04-08

モスクワのなかでも最高級のレストランとして長く愛され続けてきた «Ц.Д.Л.»(Центральный Дом литераторов) (ツェー・デー・エル)文学者の家。

IMG_2613

IMG_2609

△1889年に建てられたこの貴族のお屋敷は、1897年からオルスフィエフ伯爵家のものとなり伯爵夫人のサロンとして使われていました。1917年のロシア革命後は建物は国有化されましたが、1934年にはマクシム・ゴーリキーの要請により、Центральный Дом литераторов(文学者の家)の建物になりました。文学者の家は、トルストイの『戦争と平和』や、ミハイル・ブルガーゴフ『巨匠とマルガリータ』にも登場しているそうです。

IMG_8127

△ソ連時代、作家協会に所属することは、今では想像もつかないほどの最上級のステータスだったそうです。

IMG_8126

IMG_8146

IMG_8122

ソ連時代〜今日まで、ここを訪れたたくさんの著名人が紹介されているギャラリースペース。

IMG_8123

IMG_8124

IMG_8136

△詩人のボリス・パステルナーク、バレリーナのマイヤ・プリセツカヤ、歌手のアーラ・プガチョワ、国外からもフランスのパントマイムアーティストのマルセル・マルソーやイタリアの俳優イヴ・モンタンなど・・・・華麗なる顔ぶれ!ロシア文化フェスティバルのシュビトコイ・ロシア実行委員会委員長の笑顔も。

IMG_8140

△Дубовый зал(オーク・ホール)前方にはステージが設けられ、シャンデリアとステンドグラスがゴージャスな雰囲気を醸し出す中、この夜はハープのコンサートを楽しみました。

IMG_8148

IMG_8135

△この2階席へつづく階段の手すりに寄りかかりながら、ブラート・オクジャワのコンサートを聴いたのですね・・・!ほかにも、Каминный зал(暖炉のあるホール)や、Кабинет Графа(壁にならぶリトグラフが美しいキャビネット)、シガー・ルームにシークレット・ルーム、バルコニー、オルスフィエフ伯爵家ミュージアムなどたくさんのホールや個室があります。

IMG_8109

△たっぷりのオリーブと酸味が魅力のスープのラソーリニク。メニューにはほかにも、定番ボルシチや魚のスープのウハー、伝統的なキャベツのスープのシーなどが、黒パン“ヴォロジンスキー“とともに出てきました。

IMG_8116

△ロシア風の焼きロールキャベツ。メインでは、ビーフストロガノフやキエフ風カツレツ、サーモンのステーキなども人気だそう。どれもこれも美しい盛り付けです。

IMG_8120

『ロシア文化フェスティバル IN JAPAN』のパーティで、女優で実行委員会副委員長の栗原小巻さんに推薦していただいたロシア文学のなかの1冊が『戦争と平和』でした。モスクワのトルストイの家博物館や、生涯愛した故郷のヤースナヤ・ポリャーナのお屋敷を訪ね、ここで特別な時間を過ごすのも記念になりますね。

«Ц.Д.Л.» cdlart.ru/

モスクワ通信『チャイコフスキーの家博物館』

2019-03-23

ロシア文化フェスティバルblog より)

いよいよ今年2019年6月、世界三大音楽コンクールのひとつに数えられるチャイコフスキー国際コンクールが開催されます。ロシアを代表する作曲家ピョートル・チャイコフスキー(Пётр Ильич Чайковский 1840-1893)の晩年の家は、モスクワ郊外クリンに国立の博物館として残っています。

 IMG_3690-600x450

チケット売り場やお土産屋さん、企画展の展示室やコンサートホールなど各種施設の入った大きな建物の奥の敷地内に、チャイコフスキーが1892年5月から1893年10月まで過ごした家があります。

 IMG_37001-600x450

△まずは2006年に作られた大きなチャイコフスキー像がお出迎え!夏には銅像の周りに、このミュージアムを訪れた著名人によって植樹された木を見ることができます。自然を愛したチャイコフスキーは最晩年をここクリンで過ごし、

 IMG_37311-600x450

豊かな自然からインスピレーションを得て精力的に作曲を続けていました。作曲の合間には、こんな風に楽譜を手にベンチに腰かけたりして過ごしたのでしょうか・・・。

雪解けの時期・・・澄み渡る青空、白樺林に降り注ぐ春の陽光。鳥のさえずりが聞こえ、足元には若草が萌えています。そこにチャイコフスキーが暮らしていた頃のの雰囲気を残した区画があります。

 IMG_3861-600x450

IMG_3764-450x600

△1階の桃色の客間には、チャイコフスキーの大きなポートレートとともに記念の品が展示されています。階段を登ると、コートや杖を掛けておく玄関廊下があり、居間へとつづきます。

IMG_3768-600x450

△部屋の中央に置かれたБеккер(ベッカー)社のグランドピアノは、今もチャイコフスキーの命日や誕生日に演奏されています。チャイコフスキー国際コンクールの受賞者だけがこのチャイコフスキーの愛用していたピアノ鍵盤を奏でることができます。チャイコフスキーの音楽とともに楽しめるオーディオ・ガイドでは、イーゴリ・グリーシン演奏の『ノクターン』を聴くことができます。

IMG_3766-600x450

△読書は最高の祝福と考えていた読書家のチャイコフスキーの本棚。プーシキンやゴーゴリ、ツルゲーネフ、トルストイ、チェーホフなど文学作品から歴史や哲学、聖書、外国語の本など幅広い興味が伺えます。本のなかにはチャイコフスキーによる書き込みもそのまま残っているそう。モーツァルトやロシア正教の合唱曲集など楽譜の棚もありました。

IMG_3767-450x600

△部屋のなかは、家具の配置や写真の位置にいたるまですべてチャイコフスキーによるもので、生前と変わらぬ姿で残っているそうです。生涯独身で、このクリンのお屋敷にひとりで暮らしていたチャイコフスキーですが、愛する家族や親戚、友人や教え子たちの写真がたくさん飾られており、いつも家族に囲まれて過ごしていました。また、4000通もの手紙のコピーも保管されています。

IMG_3770-600x450 IMG_3774-600x450

IMG_38031-450x600

鏡台にかけられているミハイロフスキー・レースで縁取られた布は、チャイコフスキーの才能のファンだったフランス人女性エマ・ジェントンが作ったもので、チャイコフスキーはこの御礼に『センチメンタル・ワルツ』を作曲したのだそうです。名付け親から贈られたイコン『カザンの聖母』も飾られていました。

IMG_38041-600x450

△窓から美しいクリンの庭を臨むこの机で、交響曲第6番『悲愴』が完成しました。たった今、書き上げたばかりかのように楽譜が置かれていました。頭に浮かんだメロディーを書き写すのが難しいくらいだったと言われるチャイコフスキーですが、規則正しい生活を好み、毎日同じ時間に机に向かっていたそうです。「インスピレーションは、怠け者を尋ねるのは嫌いだ」という言葉も残されています。

IMG_3849-600x450

△手作りの麻のカーテンがかけられた食堂

建物は増築部分へと繋がっています。チャイコフスキーの死後、博物館として開館するために、モデストや甥のダヴィドフがこの部屋を使っていました。

IMG_3812-600x450

△劇作家だった弟モデストのこだわりの部屋

IMG_3815-600x450

△甥のダヴィドフの部屋。さまざまな絵や自分で描いた水彩画がかざられています。この甥はチャイコフスキーの大のお気に入りで、幼い彼に捧げる『子どものアルバム』という可愛らしい作品も作っています。

IMG_3879-450x600

△企画展では、チャイコフスキーの愛用の品とともにその人生の軌跡をたどることができました。

IMG_3888-600x450 IMG_3892-600x450

△文通していたフォン・メック夫人やモスクワでの仕事ぶりなど

IMG_3895-450x600

△1891年1月にモスクワで友人たちと当時まだ目新しかった録音機に吹き込んで楽しむひとときが録音された音声も

「幸福の条件は、たくさんいい空気を吸い自然のなかを散歩して過ごすこと」そう考えていたチャイコフスキーにとって、偉大な作曲家として多忙なスケジュールをこなしていたモスクワから少し離れたここクリンは理想の場所だったのでしょう。

Музей П.И.Чайковского

https://tchaikovsky.house/