五感で味わう!ライラック満開のモスクワ散歩

2024-05-24

日が長くなり、生き生きと緑が生い茂って夜鳴きウグイスの声が響き始める初夏。どこからともなく妖しく甘やかな香りが漂ってきます。白色から紫色へのグラデーションが美しいライラック(Сирень)の花がモスクワの街を彩り、そよ風に吹かれて輝く白樺の葉と爽やかに踊ったり、宵闇に溶けて幻想的に映えたり・・・モスクワの最も美しい季節のひとつです。

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△ボリショイ劇場前もライラック満開!

△ラフマニノフ作曲『ライラック(Сирень)』は、ロシア文化フェスティバルのコンサートでも人気のある曲。こちらは貴重なラフマニノフ自身の演奏です。

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ラフマニノフの故郷イワノヴォの家の周りもライラックの美しい場所で、ラフマニノフの人生を描いたパーヴェル・ルンギン監督の映画『ラフマニノフ ある愛の調べ(原題はВетка сирени(ライラックの枝)』でもライラックの花は重要なモチーフになっていました。

△こちらはラフマニノフ作曲エカテリーナ・ベケトワ作詞のロシア歌曲『ライラック(Сирень)』エレーナ・オブラスツォワの歌声でどうぞ。

ロシアの芸術家たちを魅了するライラックは、音楽だけでなく絵画にも描かれています。

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△ボリス・クストージエフ『ライラック』

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△ミハイル・ヴルーベリ『ライラック』

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△この季節にぴったり!ライラックが描かれたショップバックやポスター。

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△ロシアの老舗香水専門店ノーヴァヤ・ザリャー(Новая Заря  新しい夜明け)のライラックの香りシリーズ

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△スーパーマーケットの5月号冊子の特集は、卒業式。9月に入学式&新学期がはじまるロシアの学校では、ちょうど年度末を迎えています。入学式では最初の鐘を鳴らす儀式があるのですが、卒業式なので最後の鐘の音と書かれています。卒業式を祝うおすすめのケーキと一緒に満開のライラック。

ところでライラックの花びらは4枚ですが、“もし5枚の花びらを見つけたらその花を食べると幸せになれる”という言い伝えがロシアににはあるそうです。「え!?食べるの!?」と驚く私に友人が一言「幸せのためならね。」・・・四葉のクローバー伝説にもすこし似ていますね。

ライラックの花びらを味わってみたいというあなたにはこちら。

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△ロシアの昔ながらのお菓子パスチラのお店では、この時期限定!ライラックの花の砂糖漬けが飾られたパスチラも購入できます。( 過去関連ブログ☆モスクワ通信『乙女心をくすぐる町コロムナ ドストエフスキーも愛したお菓子!パスチラ博物館』

△春の花いっぱいのマトリョーシカのように、ライラックの花束を抱えている方も見かけます。

見て聴いて、香りや味で、手で触れて心で感じて・・・まさに五感で楽しめるロシアのライラック!5枚目の花びらを探しながら初夏のライラック散歩に出かけたいものです。

ロシアでもやっぱり春は桜?

2024-04-30

サクラサク春!桜と言えばやっぱり日本ですが・・・ロシアでも春になると桜の一種であるチェリョームハ(Черёмуха)が咲きます。4月下旬〜5月上旬にかけて、白い可憐な花がふんわりと咲きほこる美しさは、若草の草原に映えてなんとも爽やか。 以前ブログで、モスクワでも日本の桜が楽しめる場所をご紹介しましたが(過去関連ブログ☆モスクワ通信『日本庭園の桜、満開!』)、ロシアの桜もいいものですね。

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△こちらは、チェーホフの戯曲と同じ”桜の園”と名付けられたモスクワ北部の公園の散歩道。 この頃から明るい時間帯もぐんぐん長くなっていきます。4月後半のある日、日の出は4時50分、日の入りは20時3分でした。そして日本の鶯とはまた違う美声を響かせる夜鳴きウグイスの声が楽しめるようになります。陽射しも強くなり、真っ青な空をみあげると、ふわふわとポプラの綿毛が飛んでいたりも。

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△こちらは春を味わうチェリョームハのケーキ。最近は都心部のケーキ屋さんではあまり見かけませんが、昔はよく家庭で作られていたそうで、友人は“ソ連時代の懐かしいおばあちゃんの家の味”と話していました。茶色のスポンジ生地には混ぜ込まれたチェリョームハのぷつぷつとした食感があり、まわりは花のような真っ白なクリームに覆われています。

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△スーパーに売られていたチェリョームハ粉の箱には、もちろんチェリョームハ・ケーキのレシピが載っていました。

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△その美しさはロシアの芸術家たちを惹きつけ、絵画にもよく描かれています。サンクトペテルブルグのロシア美術館にあるペトロフ・ヴォドキンの絵画『グラスに活けたチェリョームハ(Черёмуха в стакане)』 さて、“春は桜”のイメージはロシアでも定着してきているのか、モスクワではさまざまな場所で桜をイメージした演出も定番になってきました。

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△マヤコスフカヤ駅前。夜にはライトアップされます。

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△新アルバート通り。よくみると枝には白い鳥かごや小鳥を発見できたりも。

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△旧アルバート通り。桜の木の下は人気スポット!

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△もはや春恒例!桜の木でデコレーションされたグム百貨店の噴水。こんなふうに街中もショッピングモールのなかも、とにかく桜のディスプレイでいっぱいです。

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△なんと満開の桜の木をモチーフにしたロシア製のポストカードも発見!

「ああ、いつか日本の桜を見に行ってみたいものだわ!日本の桜はこんな感じなの?」モスクワの桜デコレーションでお花見しながらロシア人の友人に質問されましたが・・・はかなく繊細な日本の桜に比べて、華やかでダイナミック!やっぱりこれはロシア版の桜、ですよね。

春到来!ロシアのお花屋さん事情

2024-03-27

都内でも待ちに待った桜の開花宣言!思いっきり春のお花を楽しめる季節がやってきました。

まだまだ寒いロシアでもひと足早く、街が春のお花でいっぱいになる日といえば、女性に花を贈る3月8日の国際婦人デーです。

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△国際婦人デーのアエロフロート機内では、女性たちに1本ずつバラが手渡される粋な演出

優しそうな男性の隣で1本のバラの花を手に歩く幸せそうな女性。
地下道の入り口には、ダーチャから摘んできた野花でお手製のブーケを売るおばあさん。
お目当ての女優にあげるのか、大きな花束を抱えて劇場へ急ぐ親子。
街にはいつも、花があります。

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ソ連時代から、お祝いといえば「シャンパン・チョコレート・バラの花」は人気3点セット。

けれどそんな特別の日だけでなく、ちょっとしたデートや待ち合わせでも、さりげなく手に花を持って立っている男性が多いロシアです。

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△さて、一番人気のバラ以外によく花束にアレンジされるのは・・・なんと菊の花!

日本ではお彼岸やお盆など墓前に供える花としてイメージされがちですが、ロシアではバラと菊の組み合わせはもちろん、さまざまな色や種類の菊が主役の花束もあります。

では、ロシアで花束に関するエチケットといえば?

花の本数にはご注意あれ。偶数本はお葬式と決まっているんですよ。

【24時間営業のモスクワの花屋さんへ】

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24時間営業の花屋さんもよく見かけます。色あいや値段、ブーケやアレンジなどお好みで選ぶことが出来るスタイルは日本のお花屋さんと一緒ですね。

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△レジでお会計し、お好みのリボンやペーパーでラッピングしてもらいます。

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△レストランなど花束をお渡しした外出先で、そのまま飾ることができるプラスチックのお水入り花瓶風のラッピングも人気でした。

【花市場に行ってみよう!】

一方、たくさんの花を購入するときにお得で便利なのは花市場。一年中、新鮮で綺麗な花で溢れています。

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△たくさんの小さなお店に分かれているので、お気に入りのお店を見つけて購入します。野菜や果物など食品もありますね。

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都心の花屋さんでお花を1本購入する値段で、市場では新鮮な1束を購入できることも。

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△また、街のお花屋さんでは見かけないような種類の草花、大きな枝ものや実などにも出逢えます。

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△アレンジメントもユニーク!こちらはビニール傘を逆さまにしたアレンジと、人気の動物アレンジ。

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△ラッピングやお値段なども、市場ですから値引き交渉で相談に乗ってもらえます。美人なお友達と歩いていたら、歩いているだけであっちでもこっちでも男性が売り物のお花をプレゼントしてくれるので、何も買っていないのに出口で花束が完成してしまったことも。

【よく見かける!お花の自動販売機】

“日本ではコンビニ、ロシアでは花屋” そのくらいモスクワの街中にはお花屋さんがあります。そして、空港や劇場にはお花の自動販売機も見かけます。

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△ロシアの飛び地カリーニングラードの空港にて

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△モスクワの空港にて

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△トヴェルスカヤ通りの雑貨屋さんにて

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△大型スーパーの入り口では、ドライフラワーの自動販売機まで見かけました。

さりげない1本のバラが、ちょっとしたプレゼントの定番になっているロシア。
大きな花束を贈るのには、その大きさ分の勇気やタイミングが必要でも、1本のバラなら誰でも気軽にいつでも手軽に気持ちを伝えることができます。
美しくラッピングされた大きなブーケもいいですが、まっすぐに手渡されるたった1本のバラも、またいいものです。