【モスクワ通信】セブン・シスターズ(上)〜スターリン様式の超高層ビル〜

2021-07-12

ロシア文化フェスティバルblogより)

スターリン政権のソビエト連邦時代に建てられた、空を刺すような左右対象の「スターリン様式」の超高層ビル。第2次世界大戦後、1947年のモスクワ建都800周年には、偉大なる共産主義国家の模範的な首都にふさわしいモスクワになるよう計画を開始しました。結局、夢の計画のまま実現されることはなかった幻のソヴィエト大宮殿を囲むように、モスクワの7つの丘に7つの「スターリン様式」の建物が建築され、今も“セブン・シスターズ”と呼ばれています。今回のブログでは、このセブンシスターズの見どころをご紹介してから、幻のソヴィエト宮殿に挑んだあの建築家について、さらに旧ソ連圏の国にあるスターリン建築や現代のネオ・スターリン建築も追いかけてみましょう!

【ロモノーソフ名称モスクワ国立大学】

IMG_7658

△ロモノーソフ名称モスクワ国立大学(Московский государственный университет имени М.В.Ломоносова )はセブン・シスターズのなかでも最も高い235m。本館の尖塔の先には星のモチーフを見ることができます。

IMG_7686

△大学前の庭園には噴水が美しい池があり、その両脇には、ロシアが誇る学者たちの胸像が並びます。

IMG_7660

△ロシア最高学府であるモスクワ大学の創設にも関わり、大学にも名を冠されているロモノーソフ(Михаил Васильевич Ломоносов)。ドモジェドヴォ国際空港にもロモノーソフの名が冠されています。博学者として知られ、国民的詩人プーシキンに“ロモノーソフは偉大な人物である。彼は最初の大学を創設したが、ロモノーソフ自身が我々の最初の大学だと言ったほうが良い”(Ломоносов был великий человек. Он создал первый университет. Он, лучше сказать, сам был первым нашим университетом)と称されていました。

IMG_7662 IMG_7664 IMG_76852-450x600

△ほかにも哲学者ゲルツェン(Александр Иванович Герцен)、化学者メンデレーエフ(Дмитрий Иванович Менделеев )、“パヴロフの犬”の実験でも知られる生理学者パヴロフ(Иван Петрович Павлов)。(その他、自然科学者ティミリャゼフ、ロシア航空の父とも称される物理学者ジュコフスキー、生物学者ミチュリン、ラジオ(無線通信)の父とも称されている物理学者ポポフ、地質学者ドクチャエフ、革命家で文芸批評家チェルヌィシェフスキー、数学者ロバチェフスキー、数学者チェブィショフの像も見られます。)

IMG_7681 IMG_7683

IMG_7678

△モスクワを一望できる雀が丘(旧称レーニン丘)の展望台へと続く広場。ここでは2018年、モスクワで初開催されたワールドカップのFAN FESTが設置され、大画面を前にみんなで応援しました。

Московский государственный университет имени М.В.Ломоносова 

公式サイト:https://www.msu.ru

住所: ул. Ленинские Горы, 1, Москва

 

【芸術家アパート(コテーリニスカヤ河岸通りの高層アパート】

IMG_8751

IMG_8757

△バレリーナのガリーナ・ウラノワをはじめ、たくさんの偉人たちがここに住んでいたことを記す記念碑を見ることが出来ます。現在も住居として使用されており、セキュリティのために居住者以外は自由に出入りできない場所も多いため、なかにあるガリーナ・ウラノワの部屋博物館はスターリン建築の内部や部屋を実際に見ることができる貴重な博物館でもあります。(【モスクワの墓地】まるで彫刻の森美術館!著名人の眠るノヴォデヴィチ墓地

IMG_8761

IMG_8763

IMG_6717 IMG_6718

△スターリン建築の建物とつづきの棟にある映画館イリュージオン Кинотеатр « Иллюзион»。1966年春に開館。話題作を多数公開する他の映画館とは一線を画し、豊富なアーカイヴから良質な映画を提供するプログラムも魅力的で、入場無料の映画も多いため映画通を喜ばせています。

IMG_6721

△ロビーにあるカフェは、映画を観賞しない人でも自由に利用できます。

about_2

△(館内写真は公式サイトより)

Кинотеатр « Иллюзион» http://illuzion-cinema.ru/schedule/

住所:Котельническая наб., 1/15

IMG_8781

△モスクワ川とヤウザ川の合流点にあるため、きらめく水面を滑るように目の前をたくさんのクルーズ船が行き交います。(モスクワ川のランチ&ディナークルーズ Radisson Royal Moscow Flotilla

 

【ホテル「レニングラード」 現在:ヒルトン・モスクワ・レニングラーツカヤ・ホテル】

IMG_8157

△星座の大時計と哀しい伝説のスユンビケ塔がエキゾチックなカザン駅、北の都へ向かうレニングラード駅、そしてシベリア鉄道の終点で民話の世界を思わせるロマンチックな外観のヤロスラヴリ駅の3つの鉄道駅が集まっているコムソモール広場に面して立っています。そのせいでしょうか、レニングラード・ホテルのロビーへ足を踏み入れると、この3つの駅のイメージがここでひとつに溶け合っているように感じます。

IMG_8195 IMG_8198

IMG_8197

△コロナ禍では医療従事者の皆様へ部屋を提供していました。

 

【ロシア外務省】

IMG_8861

△一部分修復中なので、白い石造りの建物はまるで頭に白い帽子をかぶっているよう

IMG_1227

△2019年、外務省と大通りを挟んで向かい合うようにスモレンスカヤ広場に新しい銅像が設置されました。外務大臣としても手腕を振るったエヴゲニー・プリマコフ(Евгений Максимович Примаков)像です。ノヴォデヴィチ墓地ではお墓も見ることができます。(☆【モスクワの墓地】まるで彫刻の森美術館!著名人の眠るノヴォデヴィチ墓地

→(下)へつづく 

【モスクワ通信】120年の歴史に幕・・・食料品店エリセーエフスキー

2021-05-30

ロシア文化フェスティバルblogより)

2021年4月、ロシアの観光名所のひとつとしても人気のあるモスクワの食料品店エリセーエフスキー(Елисеевский)が、その長い歴史に幕を閉じることになったという衝撃的なニュースが流れました。帝政ロシア時代にタイムスリップしたかのような豪華絢爛な店内に初めて足を踏み入れたときの衝撃は、今も忘れられません。

IMG_6566

△モスクワの中心クレムリンから続くトヴェルスカヤ通りに面する一等地に店を構えていました。この建物は18世紀末に建築家マトヴェイ・カザコフ(Матвей Казаков)によってエカテリーナ・コズィツカヤ(Екатерина Козицкая)の邸宅として設計されました(トヴェルスカヤ大通りとコズィツキー横町の角に建っています)。クラシックな街並みに馴染んで目立つ看板がないため外観からは少し入口が分かりにくいのですが、中央の扉を押して建物内に入り、右手側が食料品店エリセーエフスキー、左手側がソ連の雰囲気を味わえるファミリーレストランのВареничная №1 (ヴァレニチナヤ No.1)になっています。

スクリーンショット 2019-12-04 9.49.57

△邸宅はその後、ジナイダ・ヴォルコンスカヤ(Зинаида Волконская)の芸術サロンとなり、なんとあの詩人プーシキンやチュッチェフ、文豪ツルゲーネフなどもここを訪れていたのだとか・・・!たくさんの文化人が集い、前菜をつまみながらお酒を酌み交わし、優雅に音楽にあわせて踊ったり詩の朗読を楽しんだりしたのかもしれません。1901年に食料品店が開業してからも、“詩人マヤコフスキーがここでサラミを買った”なんていうエピソードもたくさん残されていて、想像するだけでワクワクしてきます。

3682211F-21D6-47BC-9364-68989AAA76F3-450x600

△中央の扉をくぐって建物内へ

7F4AAED2-00F4-425C-BD95-C020051FD3B6-450x600

△食料品店の入口にはお店の創始者でオーナーだった大富豪グリゴリー・エリセーエフ(Григорий Григорьевич Елисеев)の胸像が飾られています。1864年サンクトペテルブルクの裕福な商人の家に生まれたグリゴリーは、外国でワイン醸造について学んだ後にロシアに戻り、祖父のピョートルが1813年にサンクトペテルブルクで開いた小さなお店から始まった家業を継ぎます。その後「エリセーエフ兄弟商会」が設立され、事業がさらに拡大していきました。1898年にモスクワの現在の建物がある場所を購入し、改築して1901年にエリセーエフの名を冠したブランドストアである高級食料品店をオープンしました。

E14F451B-DCC3-4136-8379-C14360D93715-450x600

△グリゴリーと最初の妻マリヤは、息子7人と娘1人に恵まれました。3男のセルゲイ・エリセーエフ(Сергей Григорьевич Елисеев)は日本研究者・東洋学者として知られており、当時の東京帝国大学留学中には夏目漱石を師と仰いでいたそうです。1914年に妻マリヤを失った後、19歳年下の2人目の妻ヴェラと再婚。1920年にパリへ亡命し、そこで生涯を終えました。

E6BEDBFA-B920-4EAC-9905-810D60E00ED9-600x450

△では、いよいよ店内へ。葡萄の房ように垂れ下がる見事なクリスタルのシャンデリア、ステンドグラスに優美な柱・・・重厚でゴージャスな内装は息を飲むような美しさで目に入るものすべてに圧倒されてしまいます。創業当時から変わらぬ雰囲気なのだそう・・・!

94192DF9-C69D-432A-80F2-141D92B5AF62-600x450

△宮殿のような店内と不思議なコントラストを醸し出しながら、野菜&果物コーナー、精肉や魚類コーナー、冷凍食品やお惣菜・・・とエリアごとに食料品が並びます。

A262D5FA-6EEF-49D2-82DE-C967018C3218-450x600

E037130F-67A9-4627-977B-7F472B9F593C-450x600

△ソ連時代には国営となりГастроном № 1(ガストロノム No.1 )と店名が変更されたこともありましたが、食糧難の時代にもずっと変わらぬ姿で営業を続け、モスクワ市民の憧れの高級食料品店としての地位を誇ってきました。当時ロシアでは珍しかったオリーブオイルやフランスのトリュフ、新鮮な牡蠣やエキゾチックなフルーツ、世界中から集められた豊富な種類のコーヒーや紅茶、サフランやシナモン、ナツメグなどのスパイス類などがいち早く紹介され、ブームの火付け役としてここから人気が広がっていった食品も多いのだそうです。新生ロシアになり、お店は再びエリセーエフスキーの名前を取り戻し、2004年の大規模なリニューアルによってグリゴリー・エリセーエフのスケッチなど貴重な資料をもとに美しく復元されました。

61D351A2-62CA-4FFF-AEE4-0B9BD0579766-600x450

△場所柄いつも観光客でいっぱいで、帝政時代にタイムスリップした気分で店内を見学してから、パッケージが美しいチョコレートや紅茶など記念にお土産を購入するツアーも多いようです。ずらりと並ぶ美しい野菜や果物、お肉、冷凍食品などロシアの台所事情を覗けるのは楽しいですし、気になるお惣菜をあれこれ購入して試してみることもできます。初めてのロシア旅行の際に、本で読んでからずっと興味を持っていたロシア料理“煮こごり”や“毛皮を着たニシンのサラダ”に出逢い感動したことを思い出します。

62ECE94A-9923-4037-9C87-D038B19FF071-450x600

△ワイン売り場へ向かう入り口の上にも、エリセーエフの肖像画が飾られていました。もともとはシェレメチェフ伯爵の農奴で庭師だった祖父のピョートル・エリセーエフスキーは、クリスマスの夜に新鮮なラズベリーを届け、その心遣いに感謝した伯爵から自由を与えられて、商人としての第一歩を踏み出しました。食のサプライズで人を喜ばせたいという想いはピョートルから子孫へ、かつて見たことのないような食料品店を作りたいと考えていたグリゴリーに、そして現在まで受け継がれています。

134EBA17-F3C7-4CDC-BD6D-6AC32FD6B3ED-600x450

△通路の壁面はミニギャラリーになっていて、貴重な写真や絵画でお店の歴史の一部を知ることができます。

5CFB7C39-4428-4CC2-857E-20C31E5B3D9C-600x450

△こちらがワイン売り場です。Eliseev’s Store and Cellars of Russian and ForeignWines( Магазин Елисеева и погреба русских и иностранных вин)として創業時からロシア国内外のワインを扱っていたエリセーエフスキーだけに、ワインやアルコール類がずらり。

E0240766-A741-496E-9D63-EB70651B951E-450x600

△エリセーエフはディスプレイにもこだわりを持っていたと言われています。

エリセーエフ兄弟商会は、1903年にはサンクトペテルブルクのネフスキー大通りにも店を開き、エリセーエフの食料品店は唯一無二の存在感でロシア二大都市に君臨してきました。モスクワ店の改装も手掛けた建築家ガヴリエル・バラノフスキー (Гавриил Васильевич Барановский)が建てたサンクトペテルブルク店は、アール・ヌーヴォー様式(モデルン様式)の美しい建物で、20世紀の主要な価値を象徴する「産業」「貿易」「芸術」「科学」の彫刻で彩られています。2012年には、100年以上前の貴重な写真やスケッチをもとに建物内を詳細を再現して、洗練されたレストランやお店、2階には劇場も備えたフードホールとして再オープンを果たしました。

エリセーエフの店の名前は、ロシアを代表する名作のなかにも見ることができます。たとえば、トルストイの『アンナ・カレーニナ』には「(中巻21章)新しい牡蠣の入荷したエリセーエフの店からたった今やってきたオブロンスキーは・・・」(新潮文庫 木村浩訳)という場面があり、食通のオブロンスキーを描写しています。また、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』のなかでも「(1巻 第1部 第2編 8章)ファクトリーのワインにエリセーエフ兄弟商会の蜂蜜酒ですか、こりゃたいしたもんだ、神父さん!・・・」(光文社 亀山郁夫訳)というように、ステータスの証としてこの食料品店の名前が登場しています。

1CD978EB-D8E5-4297-B65B-BDBB08D98AF0

△モスクワの店舗の前の石畳に埋め込まれたマーク

2021年4月、モスクワ店の突然の閉店が報じられてから、どんなときも豊かに潤っていた店内の棚からあっという間に商品が消えてしまい、がらんとした店内にはその美しい姿を永遠の記憶に留めようとカメラを手に訪れる人が後を立ちませんでした。惜しまれつつその扉を閉じた食料品店エリセエフスキーは現在モスクワ市によって歴史的建築物として保存されていますが、この場所が再び息を吹き返したくさんの美味しい食料品で満たされる日は来るのでしょうか・・・!

 

«Елисеевский»(モスクワ) Address: Tverskaya St, 14, Moscow

 «Магазин купцов Елисеевых»(サンクトペテルブルク) Address: Nevskiy pr, 56, Saint Petersburg

 

参考文献

«Магазин купцов Елисеевых» https://www.kupetzeliseevs.ru/

Елисеевский магазин – место, где живет дух старой Москвы

【モスクワ通信】コロナ禍の新たな楽しみ方!インターネット・ミュージアム 「日本のなかのロシア」開館

2021-04-01

新型コロナウイルス感染症(COVID19)のパンデミックから約1年。これまでに感染者数は1億2千万人近くに上り、死者は260万人を超えました。ロックダウンを繰り返しながら、ワクチンの開発や接種とともに、終息への期待にむかう2021年春。

ステイホームが合言葉となり、テレワークやホームスクーリング、テレビ電話などインターネットが世界を繋いで、コミュニケーションの新しい形が確立されました。2006年から毎年開催されてきたロシア文化フェスティバル IN JAPANでは、コロナ禍でも日本の皆様にロシア文化の魅力をお伝えすべく、意欲的な取り組みの一環としてインターネットミュージアムがオープンしました。

useum poster

△日本のなかのロシア研究会 & ロシアン・アーツによるインターネット・ミュージアム 『日本のなかのロシア』( https://yaponiya-russia.net )は2021年4月1日 オープン! 日本各地のロシア文化と交流史跡を音楽、写真、ナレーションによる動画で配信しています。

では今回は、コロナ禍でのモスクワ生活を振り返ってみましょう。

IMG_4047

【2020年3月】非日常だったロシア人のマスク姿は日常へ・・・そして手袋も!

2月までは中国や日本における新型コロナウイルス感染に関するニュースを見守っていたロシアでは、国内感染者は極東の方で数名でした。モスクワでは地下鉄構内でパスポート提示を求められるアジア人が増加したり、タクシーで「中国人か?」と露骨に尋ねられることも。その後、イタリアをはじめとするヨーロッパ諸国での感染拡大により状況は一変し、3月にモスクワでの感染者が一気に増加しました。これまで予防のためのマスク着用の習慣がなかったロシアでは薬局の隅に置かれていた数少ないマスクがあっという間に完売!

施設内ではアルコール消毒液や空気清浄機を設置し、ドクターによる手洗いの講習や検温が導入され、ホームスクーリングやテレワークがはじまりました。

ロシアを発着する国際線の航空便については、3月下旬に全ての国際線フライトが停止となり、日露間をつなぐJALもアエロフロートも相次いで定期直行便を停止することを発表しました。国際郵便の一時停止・延期もあり、ロシアではEMSは利用できなくなりました。

69C8666F-E5E3-4CFE-9C3E-546B08C0DCB6

△劇場やコンサートホール、美術館や博物館が閉鎖。入り口には“ВСЁ БУДЕТ ХОРОШО!”(すべてうまくいくさ!)の文字が。

プーチン大統領は非労働期間(3月28日から4月5日まで)を発表し、不要不急の外出は自粛してなるべく自宅で過ごすように国民へ呼びかけました。モスクワ音楽院やボリショイ劇場などでは公演のオンライン配信も大きな話題に!4月に予定されていた『ロシア文化フェスティバル2020 IN JAPAN』オープニングセレモニーは残念ながら延期が決定。さらにロシアでは憲法改正のための投票の延期や6月サンクトペテルブルク国際経済フォーラムの中止などが発表されました。

 

 【2020年4月】外出禁止でステイホームの日々

徒歩で最寄りのスーパーや薬局、ゴミ捨て、ペットの散歩へ出かけることはできましたが、必要最低限の用事以外はステイホームが義務付けられていたモスクワ。一部のスーパーでは短期間の買い占めも見られたようでしたが、コロナ禍でも食料品はいつも問題なく充分に供給されていたようです。

IMG_5402 IMG_5398

△スーパーマーケットの入り口には、ソーシャルディスタンシング1.5m以上の表示。お客さんは皆マスク着用で、レジ係員はさらに手袋とフェイスガードを装着していました。

IMG_7313

△オンラインショッピングやフードデリバリーを利用する人も増え、携帯電話など各種支払いもアプリやオンラインバンクが主流になりました。教会の礼拝もオンライン配信されるようになり、ロシア正教のイースターにあたるパスハも信者たちはステイホームで迎えました。

IMG_5405 IMG_5406

△公園も立ち入り禁止に。ロシア人のなかには、安全のためにも都心部を離れて“ダーチャ”(ロシア人が郊外に持っている菜園付きの別荘)で生活している子ども増えているようでした。

785f5a3daf45eece8cd7720584abec48-600x337 21c2e7189e0367809a657626dcfe6027-600x335

△4月11日無観客のボリショイ劇場から生中継された豪華出演陣によるコンサートМЫ ВМЕСТЕ(ロシア第1チャンネル)。多くの命を救うため自らの危険や恐怖を顧みず治療の最前線で日々戦ってくださっている医療関係者の皆様に心からの感謝を込めて司会者が涙を堪えて語りかけます。「どうかこの美しい音楽の間だけでも休んでください。コロナウイルスへの最良の薬、それは愛です!」バレリーナのスヴェトラーナ・ザハロワさんは、日本のコンテンポラリーダンサーで振付家の平山素子さんが振り付けたソロ作品『Revelation』を踊りました。

 

020年5月】マスク&手袋を義務化!モスクワも“ウィズ・コロナ”宣言!?

5月初旬は、ロシアも大型連休。2020年は1日『春と労働の日』、週末を挟んで4、5日が新年休暇の振替休日、9日『戦勝記念日』、週あけ11日が振替休日。6、7、8日は有給の非労働日になっているため12連休でしたが、外出制限の大型連休なんて初めて・・・!毎年盛大に祝われる5月9日戦勝記念日には航空パレードのみの実施で、その他の対独戦勝75周年記念関連の催しは、6月24日に実施されることが発表されました。

 

ロシアにおける感染者数は、当時ピークを迎えることなく増加していました。当初からかなり厳しい外出制限で早期終息を図ったロシアでしたが、なかなかその効果は表れず、国民からは少しずつ不安とストレスの声も上がっていました。外出制限はさらに厳しくなり、仕事等で毎日通勤する必要のある人は電子許可書を申請。それ以外の人は、車や公共交通機関での移動が必要な際に許可書を取得の上、週に2回までに制限されました。

IMG_6281

△年配の方へ食料品や薬を届けるなどボランティアも。コロナ最前線で激務にあたる医療従事者の方々へ、マクドナルドなど飲食店が無償で食事のデリバリーを始め、ホテルでも近くの病院の医療従事者が休憩出来るようにと部屋を無償で提供。さらに賛同した市民からの寄付も集まったそうです。

IMG_7067

△売り切れが続いていた手袋やマスク、除菌グッズが特設コーナーにずらりと並ぶように。スーパーの入り口には、手袋やマスクを忘れてきたお客様が無料で自由に使用して良い使い捨ての手袋まで置いてありました。街では、あちらこちらで消毒液を散布する車を見かけます。建物内でもこまめに消毒が実施されているようでいつも消毒液の匂いがしていました。

IMG_6763

△病院の入り口には、新型コロナウイルス検査を受けられる場所を示す表示。ロシアではPCR検査は比較的スムーズに受けられるようでした。

IMG_6469 0c345a94-a233-4048-8c95-75e2f8db62e9

△5月12日からは公共交通機関やショッピングセンターなどで手袋とマスクの装着が義務化。感染者の集中するモスクワでは、外出制限が続きました。

IMG_7298 IMG_7299

△市内数カ所の地下鉄駅構内の自動販売機でも、マスク、手袋、マスク&手袋セットの販売が始まりました。マスク30ルーブル。

81b9aaf9-d84c-413e-be3b-7e3a54f719c7 b7bbe95d-3615-4c50-b863-4d76d9f9c958

 

【2020年6月】マスクは豊富!着用率は半分以下?ロックダウン解除!

6月1日からは、小売店やクリーニング店、ショッピングモールもオープン。外出制限がやや緩和され、健康維持のために散歩やスポーツが可能になりましたが、自宅から半径2km以内で週3回と決められていました。

IMG_7265

△地図上で公共交通機関の運行状況を確認したり、住所を入れて目的地までのアクセスや所要時間を調べたりできるお役立ちアプリ“Яндекс. Карты”にКоронавирус(コロナウイルス)というボタンが登場。営業しているスーパーマーケットや銀行、ガソリンスタンド、新型コロナウイルスの検査を受けられる場所などが一目瞭然になっており、指定の場所に住所を入力すると半径2kmがどこまでなのか知ることもできます。

IMG_7319

△6月9日には突如ロックダウンが解除!長い冬の後の待ちに待った季節を、厳しい外出禁止&ステイホームで耐えた反動もあるのでしょうか、都心部ではお日さまの光と自然を求めて、公園や池の周りはたくさんの人!第1段階として、9日から営業再開&訪問可能になったのは、床屋、美容院、動物病院、墓地など。16日からは第2段階として、歯医者、図書館、美術館、展示場、動物園などの訪問が可能になり、スポーツ観戦やレストラン&カフェの夏用テラスでの営業が再開されました。

IMG_8099

△人気店のテラスはぎゅうぎゅうです。一方でコロナ前はたくさんのお客さんで賑わっていたのに閉店してしまったところも・・・

スクリーンショット 2021-04-03 23.52.22 スクリーンショット 2021-04-03 23.52.32

△街には、医療従事者を称えるさまざまなポスターが目立ちます。

IMG_1357

△その後、レストランやショッピングモール、劇場、美術館・・・と感染予防に気をつけながら少しずつ営業再開していきます。例えば劇場では、ソーシャルディスタンシングを考慮した座席配置になっており、入り口ではマスク着用が求めらます。マースレニッツァ(冬を送り春を迎えるバター祭り)などの大規模イベントは今年2021年も中止されていましたが、少しずつ日常が戻りつつあるモスクワには、世界初と称するデリバリー配達員に捧げる銅像も設置されました!

ロシアではワクチンの開発や接種もすすんでいますが、世界的にはいまだ完全に終息するまでには時間がかかりそうな今だからこそ、インターネットミュージアムで安全に楽しめる新しいロシア文化の形はいかがでしょうか。