イギリスとロシア、女性として初の・・・【イギリスの学校生活】

2022-02-05

現地校のYear6で学んでいる息子の宿題は、「わぁ、懐かしい!小学校でおなじことを学ぶのね」という内容と、「あら、発見!イギリスではこんなことを学ぶのね」という内容の両方があります。たとえば、ガスバーナーの使い方とか、空の雲の種類とか、水の循環、細胞のしくみ、地殻変動などは、私の知らない英単語が並んでいますが、「ああ積乱雲ね」なんて頭の中で自動変換されながら、同じことを学んでいて嬉しくなります。一方、産業革命やイギリスの天気、イギリスの河川の名前など地理や歴史は、初めて知ることが多く興味津々です。

先日の帰り道は、まだ女性が男性と同じように教育を受けたり職業をもったりすることが出来なかった時代にイギリスで社会を変えた女性、新たな分野を開拓した3人の人物について教えてもらいました。フローレンス・ナイチンゲール(☆“クリミアの天使“フローレンス・ナイチンゲール博物館ともうひとりの天使マリア・シーコール)、監獄における囚人の人権や、子供や女性の生き方を変えたエリザベス・フライ、そして女性参政権のために戦ったエメリン・パンクハストです。エリザベス・フライのポートレートが以前ポンド紙幣に描かれていたことから、「あなたなら誰を紙幣にしますか?」というのを絵に描くことが宿題でした。

さて、ロシアにもそんな女性がいるかしら・・・?と考えてみました。

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数学者 ソフィア・カバレフスカヤ(Софья Васильевна Ковалевская 1850ー1891)

数学者の家系に生まれ、幼い頃から数学に興味を持っていたソフィア。ソフィアの子供部屋には、絵本の代わりに大学で使うような数学本の1ページを切り取ったものが貼られていたという神童エピソードも伝えられています。

当時のロシアでは、女性が高等教育を受けることが出来なかったため、西ヨーロッパの大学で学び1874年に博士号を取得します。数学者として活躍したソフィアは、ロシアおよび北ヨーロッパでは女性初となる教授となりました。なりふり構わず勉強のみに打ち込んだ女性ではなく、外見もとても美しく、愛する伴侶や子供にも恵まれ女性として豊かな生活を送り、文学にも才能を発揮してたくさんの美しい詩も残しています。病に冒され41歳という若さで亡くなってしまったため、彼女の名は広く世界に知られているとは言えませんが、女性たちのために扉を開いた重要な人物としてロシアでは今も教科書にも必ず登場しています。

 

(ちなみに数学では、掛け算や分数が日本とイギリスでは少し違っていて、九九を暗唱して掛け算をする解き方ではありませんし、分数の読み方が日本と異なっていて、日本の感覚で見る私はちょっと戸惑います。)

関連☆【ロシアナの本棚】イギリスとロシアの小学生 〜学校生活まとめ〜

イギリス陶器の町ストーク=オン=トレント日帰り旅【英国のなかのロシア】【イギリス国内旅】

2022-02-04

ロンドンから電車でおよそ1時間半、陶器の町ストーク=オン=トレント(Stoke on Trent)へやってきました。英国最大の陶磁器メーカーであるウェッジウッド(Wedgewood)の工場やミュージアムを訪れ、ティールームでアフタヌーンティーを楽しんだ後は(→ワールド・オブ・ウェッジウッドで工場見学&アフタヌーンティー【英国のなかのロシア】【イギリス国内旅】)、帰りの列車の時間までいくつかの陶磁器ブランドのショップをまわりました。

【スポード(Spode)】

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△1770年創業のスポードは、1806年にジョージ4世よりロイヤル・ワラントを授与された王室御用達ブランドです。ヘリテージセンターでは、スポードの歴史や製造工程、作品が展示されているほか、工場直営のショップやちいさなカフェも併設されていました。

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△スポード創立者はジョサイア・スポード1世。そう、なんとストーク=オン=トレントには1759年に『ウェッジウッド』を創設したジョサイア・ウェッジウッドのほかに、もうひとり天才ジョサイアがいたんですね・・・!

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△スポードは銅板転写による下絵付けの技法を開発しました。また現代も使われているようなボーン・チャイナ(Bone China)と呼ばれる薄くても強度の強い乳白色の美しい陶磁器を完成させました。

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△1816年に発表されたイタリアの風景をモチーフとした『ブルー・イタリアン』は、スポードを代表するシリーズとして愛され続けてきました。食器の縁には東洋風のモチーフが描かれているので、西洋と東洋が融合した不思議な魅力があり、日本でもとても人気があります。

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たとえばデンマークのロイヤルコペンハーゲンやオランダのロイヤルデルフト、そしてロシアのグジェリ焼きのように、世界中にはたくさんのブルー&ホワイトの魅力的な食器がありますね。(☆【コバルトブルーと白の世界!グジェリ】〜まとめ〜

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△さて、もうひとつ、スポードの人気シリーズに『クリスマス』があります。ちょうどクリスマスシーズンでしたので、たくさんのクリスマスをテーマにした絵皿が、工場直営店ならではの破格の値段で売られていました。私がスポードを知ったのも、F&Mのクリスマス・テーブルセッティングでした。

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△ブルー&ホワイトにしようと思っていたのですが、一目惚れして購入してしまったのは1840年のLATE SPODE『Copeland&Garrett Bologna』

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△こちらはスポードではなく、1883年創業の『Jonson Bros』社の『Christmas Old Britain Castles』で、ショップの一角で見つけました。「イギリスでもっとも大切にされている行事はクリスマスだから、イギリスの記念に・・・」クリスマスのものって毎年クリスマスシーズンしか使うことが出来ないのに、心惹かれてつい増えていってしまいます。

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△そして、こちらはスポードの『クリスマス』(下)。上の2つは日本にいる頃からずっと使っているお気に入りのnikko hotelのものなんですが・・・まるでセットみたい!?

【エマ・ブリッジウォーター(Emma Bridgewater)】

続いてやってきたのは、エマ・ブリッジウォーターです。エマさんが愛するお母様のバースデープレゼントとして作った陶器がもとになり、1985年に創業しました。普段使いに嬉しい使い心地の良さとハッピーな雰囲気は、エマさんの想いからきているんですね。

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△この水玉(ポルカドット)とマグカップの形が特徴!

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△やさしく柔らかい模様の雰囲気が魅力ですが、スポンジ製のハンコでぽんぽんと柄をつけていくそうです。エマ・ブリッジウォーターのマグとの出会いは、実はサーカスでした。(☆伝統的なイギリスのサーカスGIFFORDSへ!イギリスとロシアのサーカスあれこれ

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△動物や植物などを繊細なタッチで描いたシリーズも人気。

紅茶大国イギリスではいつもティーカップを使っているのかしら?と思っていたのですが、ミルクティーをたっぷり飲むイギリス人の普段使いはマグカップ!友人宅にお邪魔するたびに、「紅茶を一杯いかが?」と勧められ、マグカップに並々と湯気をたてた美味しい紅茶が出てきます。なかでもエマ・ブリッジウォーターのマグの使い心地は抜群です。

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△期間限定マグやスペシャルなコラボ商品などもあり、コレクションしている方も。ロンドン・モチーフのマグは旅の記念にぴったり!

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△カフェやギフト・ショップ、そして

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△アウトレット・ショップも。

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△新型コロナの影響でファクトリーツアーは開催されていませんでしたが、絵付けのワークショップが開催されていました。

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今回はウェッジウッドをメインに、スポードとエマ・ブリッジウォーターを回りましたが、バーレイやムーンクラフトなど・・・まだまだたくさんの陶磁器ブランドの工房やショップがあります。どこもファクトリツアーやポッタリー&絵付け体験、そして魅力的なカフェとショップがあるので、食器をめぐるストーク=オン=トレント旅では、どこで何をしようか悩んでしまいますね。

ワールド・オブ・ウェッジウッドで工場見学&アフタヌーンティー【英国のなかのロシア】【イギリス国内旅】

2022-02-03

(2021.12.17) ロンドンのユーストン(Euston)駅から電車でおよそ1時間半、陶器の町ストーク=オン=トレント(Stoke on Trent)へやってきました。イギリスの人気陶器ブランドの窯元や工房、ショップがたくさん集まっていますが、まずは町の南の少し離れた場所にある英国最大の陶磁器メーカーであるウェッジウッド(Wedgewood)へ。

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World of Wedgewoodは広い敷地に、工場、V&A博物館のWedgewoodコレクション、アウトレットやティールーム、レストランLUNARなどが入っています。

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△入り口には、“英国陶工の父”とも称されるジョサイア・ウェッジウッドの銅像。1730年にここストーク=オン=トレントで陶芸家の家系に生まれました。14歳から職人として働いていましたが、天然痘にかかり足の切断を余儀なくされ、ろくろを回すことが出来なくなってからは、陶芸の研究と事業に打ち込みます。そして、1759年にウェッジウッドを創設すると、繊細なモチーフを貼り付けた浮き彫り(レリーフ)のような装飾が特徴のジャスパーウエアは大流行し、ウェッジウッドの名声は世界的なものになりました。銅像の手には、ポートランドの壺(the portland vase)を持っています。古代ローマからイギリスに持ち込まれたこの壺(現在は大英博物館に所蔵)に魅せられ、ウェッジウッドを象徴するジャスパーウェア(Jasper ware)で再現できないかおよそ4年もの時間をかけて追求し、ついに1790年に完成させました(World of Wedgewood内のV&Aウェッジウッド・コレクション所蔵)。

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△春〜秋は、ガーデン・デザイナーによる庭の美しさも見どころのひとつだそう。

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△一方、冬の楽しみは美しいクリスマス・デコレーション!

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△あまりの可愛らしさに、ツリーのオーナメントを購入。ウェッジウッド・ブルー、大好きです。

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△プレートで描かれたウェッジウッドのポートレート

まずは、受付を済ませて、上階のファクトリー・ツアーへ。残念ながら写真撮影は禁止なのですが、ウェッジウッドの歴史や陶磁器の製造工程(鋳造、焼成、釉薬がけ、フィギュア製作、装飾、手描きの絵付けけや金彩など)、なかでもウェッジウッドを象徴するジャスパーウエアが完成していく様子や実際の職人さんの作業風景もみることが出来て楽しめました(現在は水曜&木曜のみ。予約はこちらから)。日本にもとてもファンの多いウェッジウッド、解説の一部に日本語が用意されていたほか、日本限定で購入できるジャスパーウエア(雛祭りや五月人形の飾り皿)などもありました。ほかにも、陶芸体験や絵付けにも挑戦できます。

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△母から受け継いだ古いピーターラビットのシリーズを愛用しています。飾っていてももったいない!と毎朝使っているのですが、日本からロシア、そしてイギリスへお里帰りするなかで割れてしまったものもあり、イギリスのアンティークマーケットで探しています。新しいデザインも、かわいい!

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△2021年と2022年のクリスマス&新年の干支モチーフのイヤープレートが並んでいました。

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△ショップの奥にはティールーム(The Wedgwood Tea Room)があり、ウェッジウッドの食器でアフタヌーンティーを楽しむことが出来ます。(予約はこちらから)ブランチやランチもあります。

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△クリスマス前なので粋なサービス!テーブルにはクリスマス・クラッカーが用意されていました。両側kから引っ張って運試しをしたら、なかから出てきた紙の王冠をかぶり、クイズを出し合って待ちます。

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△ウェッジウッドのフェスティブ・アフタヌーンティー(1人25£)!

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△下から順にいただきます!フィンガー・サンドイッチはエッグマヨネーズ、サーモン、ハム&チーズなど(大好きなきゅうりのサンドイッチが欲しい!)。スコーンはプレーンとフルーツの2種類で、クロテッドクリーム鳥栖とリベリージャムが添えられています。

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△ケーキにもクリスマス感たっぷり!実はこの食器こそ、ロシアと深いつながりがあるのです。かつてロシアの女帝エカテリーナ2世がウェッジウッドに注文したディナーサービス『フロッグ・サービス』(詳細はブログ後半で)にインスピレーションを得て現代に甦ったシリーズ「ウェッジウッド・パークランド(Wedgewood Parkland)』です。(関連☆【英国のなかのロシア】ハロッズで出逢う『ウェッジウッド・パークランド』)ロシアナの私にこのロシアな食器で出してくださるなんて、さすがウェッジウッド⁉︎

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△こちらはヴィーガン用アフタヌーンティー(同じく25£)。ヴィーガン発祥の国イギリスでは、本当にどこのレストランでもスーパーでも、ヴィーガンやベジタリアンを選ぶことができます。

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△サンドイッチには、カレー風味のアーティチョークやスイートポテトのファラフェル、ドライトマト&バジルなど。乳製品クロテッドクリームの代わりに、スコーンに添えてあったのはココナッツ・クリーム。

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隣の建物がアウトレットになっていました。

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△隣接しているV&Aウェッジウッドコレクションも見応えたっぷり(入館無料)!ウェッジウッド家やジョサイア・ウェッジウッドについて、そしてウェッジウッドの誇る260年の歴史とそのなかで誕生した傑作の数々が展示されています。

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ファクトリーツアー、アフタヌーンティー、ショップ、ミュージアム・・・日帰り旅だったので駆け足になってしまいました。

さて、ウェッジウッド社の評判はヨーロッパ中に広まり、1773年にはロシアの女帝エカテリーナ2世がディナーセットを注文します。美しいものを愛したエカテリーナ女帝は、ウエッジウッド社には『フロッグ・サービス』マイセン社には『スワン・サービス』、セーブル社には『カメオ・サービス』、ロイヤルコペンハーゲン社には『フローラ・ダニカ』・・・と優美な陶磁器をコレクション。とそして自国の誇るサンクトペテルブルクの『インペリアル・ポーセリン』社を皇帝御用達の陶磁器工房へ、そして世界の一大陶磁器メーカーへと発展させていきます。

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もちろん、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館にコレクションの大部分が展示されていますが、オックスフォードのアシュモレアン博物館にはそのうちの3枚が展示されています。(☆アリス、ハリーポッター、そしてあの人物も!大学の町オックスフォード旅 前編【英国のなかのロシア】

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△名前の通り、手描きの可愛らしい青カエルの紋章がポイント!エカテリーナ2世が夏の別荘ツァールスコエ・セローのエカテリーナ宮殿に向かう途中に滞在したというケケレケクシネンスキー宮殿のために注文したものですが、ケケレケクシネンスキー«Кекерекексинен» とはフィンランド語で“カエルの沼”を意味していて、ここは“カエル宮殿”と呼ばれていたのだとか。

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どの食器にもすべて異なる英国の美しい風景画が描かれています。50名分の食器セットは440点(ディナーセット680点、デザートセット264点)

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私のアフタヌーンティー・セットで使用されていた食器は、このフロッグ・サービスの復刻版だったのです。もともとのフロッグシリーズの持つ色合いや縁の装飾は、モダンなライフスタイルに合わせてややスタイリッシュになっていますが、美しい英国の景色がプリントされています。

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△ストーク=オン=トレント駅前のジョサイア・ウェッジウッド像。

少し離れた場所にあるウェッジウッド家の邸宅は現在ホテル(The Upper House Hotel)になっているそう。次回ぜひ宿泊してみたいです。