【中世ドイツ、ソ連、そしてロシア!融合の飛び地カリーニングラード】ケーニヒスベルク城がビジネスセンターに!廃墟“ソヴィエトの家”

2020-04-29

8月10日、ロシアの飛び地カリーニングラードへやってきました!

世界最大の国土を持つロシアですが、その最西端に、飛び地の小さな州を持っています。ポーランドとバルト三国(リトアニア、ラトヴィア、エストニア)との間にあるカリーニングラード州です。

もともとはドイツ領のケーニヒスベルクでしたが、1945年、第二次世界大戦で、ナチス・ドイツ軍と赤軍との激しい戦いで壊滅してしまったケーニヒスベルクの街は、終戦とともにソビエト連邦のものとなり、最高会議幹部会議長であるカリーニンの名をとってカリーニングラードと名づけられました。その後ソ連式に都市化されソ連人が移住してきたこの町は、ソ連崩壊後まで閉鎖都市となり、外国人は立ち入ることができませんでした。

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△今日は町の中心を流れるプレゴリャ川沿いを探検してみましょう!

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△まず目に入るもの、街の中心にでんと鎮座するのは・・・カリーニングラードのランドマークになるはずだった廃墟の“ソヴィエトの家”!ここにはかつて、中世の赤煉瓦造りが美しいケーニヒスベルク城(王の城)や城塞がありました。戦後、ソ連によって城は破壊され、代わりに1975年ビジネスセンターの“ソヴィエトの家”が建てられ、そして完成することもなく廃墟となって現在まで残っています。ちなみにケーニヒスベルク城の地下はお墓だったそうで、今もその呪いが・・・なんてささやかれたりもしています。

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△橋を登って目抜き通りのレーニン大通りへ。向こうに見えるいかにもソ連的な建物はホテル・カリーニングラード

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△橋には、ロシアで初開催された2018年ワールドカップの名残りが・・・ 

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△中洲カント島にあるゴシック様式の大聖堂(Кафедральный собор)。ソ連時代は廃墟のままで放置されていましたが、近年ドイツとの協力で修復されました。

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△水門のような階段から橋を降りて、カント通りをまっすぐ聖堂へと進みます。

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聖堂の内部にはプロイセンとケーニヒスベルクの歴史関連資料が展示され、上階はドイツの哲学者カントの博物館になっていました。イマヌエル・カントはここで生まれ育ち、ケーニヒスベルク大学の教授として生涯を過ごしました。

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△ケーニヒスベルクの町を再現したジオラマ。美しい水の都!ケーニヒスベルクをテーマにした沢山のステンドグラスも見所です。ドイツ騎士団の紋章や武器、衣装なども。

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△カントの図書室

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△ケーニヒスベルグのなかの日本!書の掛け軸や日本の硬貨も展示されていました。第2次世界大戦中には、大量のユダヤ人にビザを発給して命を救った日本人外交官の杉原千畝氏も一時期ここケーニヒスベルクで働いていました。

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△只今リハーサル中!パイプオルガンが自慢の音楽ホールではコンサートも催されていました。

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△建物の裏手には哲学者カントの眠るお墓もありました。

また、大聖堂の周りは緑の美しい彫刻公園になっており、たくさんのロシアの偉人の彫像がありました。

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△ピョートル1世像

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△チャイコフスキー像.                          △ガガーリン像

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ほかにもたくさんのユニークな彫像が点在していました。

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△もちろん、琥珀のお店もずらりと並んでいます。

→続く(【中世ドイツ、ソ連、そしてロシア!融合の飛び地カリーニングラード】理想と現実!廃墟“ソヴィエトの家” を眺めつつお寿司・・・

【中世ドイツ、ソ連、そしてロシア!融合の飛び地カリーニングラード】【モスクワの交通事情】シェレメチェヴォ空港からロシア航空で カリーニングラードへ

2020-04-28

昨日ご紹介した『不思議の国ルイス・キャロルのロシア旅行記』のなかで、キャロルはイギリスからドイツ、そしてケーニヒスベルクからロシアへ入国しました。

中世後期から1945年まで東プロイセンの中心都市だったケーニヒスベルク(ドイツ語では“王の山” という意味だそう)は、現在はロシア連邦の飛び地カリーニングラードになっています。琥珀の産地としても知られるカリーニングラードの旅について今日から綴っていきます。

2019年8月10日、シェレメチェヴォ国際空港からロシア航空に乗って、モスクワからカリーニングラードへ出発!(関連ブログ☆【モスクワの交通事情】翼をください!飛行機&空港の関連ブログまとめ 2019

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△モスクワはあいにくの雨模様でしたが・・・

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△雲の上は美しい青空が広がっていました!

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△朝食には、チェリー味とコンデンスミルク味のワッフルが出ました。(関連ブログ☆【ロシアの食】コンデンスミルクはキャラメル色!?実験してみた

さて、到着したカリーニングラードのフラブロヴォ空港には、ずらりと琥珀のお店が並んでいました。2018年ワールドカップ ではたくさんの人がここを訪れたのでしょう!

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△お土産のマグネットにはケーニヒスベルクの文字も。まるでドイツのような街並みですね。

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△ロシアでよく見かける花束の自動販売機、そして流行中の巨大マトリョーシカ型のお土産ショップも!(関連ブログ☆【ロシアの流行】巨大マトリョーシカのお土産屋さん

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△そして、ロシアのなかの日本!カリーニングラードの空港には日本のマッサージチェアYAMAGUCHIのお店もありました。

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△空港から市内へ。モスクワと同じアプリでタクシーを呼ぶことができました。ヤンデクス・タクシーで市内まで650ルーブル(関連ブログ☆【モスクワの交通事情】タクシー事情 2017〜ヤンデクス・タクシー〜【モスクワの交通事情】タクシー事情 2017~ゲット・タクシー〜

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△プレゴリヤ川沿いに琥珀風のガラスビーズで埋め尽くされた記念撮影スポットがありました

では、さっそくカリーニングラードの町を散策してみましょう!

 

【ロシアナの本棚】不思議の国ルイス・キャロルのロシア旅行記

2020-04-27

『不思議の国のアリス』(ロシア語:Алиса в Стране чудес )は、絵本で、童話で、そしてディズニーアニメや映画でも、世界中で親しまれてきた1冊です。では、その著者ルイス・キャロルが、『不思議の国のアリス』を出版した約1年半後の1867年にロシアを旅していたことはほとんど知られていないのではないでしょうか・・・!

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『不思議の国ルイス・キャロルのロシア旅行記』(笠井勝子・訳 開文社出版)

イギリスから出たことのなかったルイス・キャロルにとって、35歳で初めてパスポートをとり初めて旅することになった外国が、そして結果として生涯最初で最後の海外旅行になった場所がロシアだったなんて!まさに不思議の国のキャロル、というところでしょうか。

ロシア正教大主教に面会する友人のお供で旅したので、教会や聖堂や修道院も訪れ、宮殿や美術館なども観光も楽しみ、田舎では農家のなかを覗いたり、結婚式や祭りなどもみて、その様子を日記形式の旅行記にまとめています。さまざまな出会いもあり、なかでもペテルブルクでは日露和親条約を結んだプチャーチンにエルミタージュ美術館を案内してもらっています。

7月12日に出発し、ロンドン〜ドーバー〜ブリュッセル〜ケルン〜ベルリン(シャーロッテンブルグ、ポツダム、ダンツィッヒ、ケーニヒスベルク〜列車で28時間30分かけて7月27日にサンクト・ペテルブルク へ到着。ロンドンと比べて通りの広さに驚き、イサク聖堂やカザン聖堂、ネフスキー大通り、ピョートル大帝像、エルミタージュ、アレクサンドル・ネフスキー修道院など、地図を購入して町を歩き回り、辞書を買って馬車の御者とロシア語で交渉したり、時にはイラストも交えて綴っています。

8月2日に寝台列車でモスクワへ、翌朝10時到着。雀ヶ丘からモスクワ 川の流れる美しい町を一望し、ナポレオンがこの丘から初めてモスクワを目にした時のことに思いを馳せます。

ニジニ・ノヴゴロドやセルギエフ・ポサード、新エルサレムへも足を伸ばし、伝統的なキャベツ・スープのシチーやピロシキ、カツレツなど味わったメニューも細かく記載して感想を記したり、ナナカマドの実で作るビターワインなど珍しいものを試してみたり、ロシアのアイスクリームの美味しさに舌鼓をうったり!

その後、再びペテルブルク〜ワルシャワ〜ブレスロー、ドレスデン、ライプツィヒ、ギーセン、エムズ、ビンゲン〜パリ〜カレー〜ドーバー・・・そして9月14日未明に懐かしのイギリスに戻ります。旅行の数年後には、ロシア語の数遊びを題材に作った詩も残しています。

少女時代から大好きだった『不思議の国のアリス』&『鏡の国のアリス』。好奇心いっぱいのアリスを自分と重ねてまだ見ぬ広い世界と想像の世界との間を彷徨っていました。そして、自らもまたキャロルのように不思議いっぱいのロシアを訪れ、“不思議の国のユリ”になるなんて。運命を感じる特別な1冊です。