日本ではコンビニ、ロシアでは花屋。
そのくらいモスクワの街中にはお花屋さんがあります。
無造作に一本の薔薇の花を手にした美しい女性。
熊のように大きな体にリボンをかけた1本の薔薇を手にした男性。
ダーチャから摘んできた野花をくるっと新聞紙でまとめたおばあさん。
お目当ての女優にあげるのか、大きな花束を抱えて劇場にはいっていくおじいさん。
街にはいつも、ロシア人と花があります。
ソ連時代から、お祝いといえば「シャンパン・チョコレート・薔薇の花」が3点セット。
誕生日のような特別の日だけでなく、ちょっとしたデートにも
さりげなく薔薇をプレゼントしてくれる男性が多いロシアです。
さて、一番人気の薔薇以外に、
よく花束にアレンジされるのは・・・なんと菊の花!
薔薇と菊はもちろん、ガーベラと菊、
カーネーションと菊、
百合と菊・・・
日本ではお祝いの花束に使われることの少ない菊が、
ロシアではさまざまな種類で、
色とりどりに花束を盛り上げています。
では、ロシアで花束に関するエチケットといえば・・・
忘れてはならないのが、その本数です。
偶数本がお葬式、お祝いには奇数本と決まっています。
そのせいなのか、“2本以上の豪華な花束”以上に
“さりげない1本の薔薇”が、ちょっとしたプレゼントの定番になっています。
大きな花束を贈るのには、その大きさ分の勇気が必要でも、一本の薔薇なら大丈夫。
「通りがけに綺麗だったから」でも「特別なあなたに」でも、
贈り方次第でどちらにもお使いいただけます。
毎日の生活のすぐ近くに、
誰にでも手が届くところに、
花があるその秘密は“1本の薔薇”にあるのかもしれません。