【英国のお気に入り】見えるものが違う私たち

2022-06-13

(2022.01)大好きなバスが見えて走り出したら危ないので手を繋いでお散歩していた息子もすっかり大きくなり、まもなく背も並びそうな息子と街歩きしていると、全く違うものを見ていることによく驚きます。

たとえば、英国絵画の殿堂テート・ブリテンへ向かう途中、

△「あ、ペンギン・ブックス!ここがオフィスなんだね。」息子がよく読んでいる本の出版社で、ペンギンのマークが目印。親友宅へスリープ・オーバーに行くと、寝るまでの時間にこのペンギン・ブックスのオーディオ・ブックをかけてくださるそうで、それ以来オーディオ・ブックも愛用中。何度も通っている大好きなテート・ブリテンへの道ですが、私には見えていませんでした。

また別のある日。奈良美智さんの展覧会へ向かう道すがら、アップル・ストアを通りすぎて角を曲がると・・・

 

△「あ、ここ、Not Apple Storeのあった場所だ」え!?アップル・ストアでなくノット・アップル・ストアとは・・・!?友達と観ていたYouTubeで、フェイクのアップル・ストアをオープンしたらどうなる?という企画ものでここを利用していたよう。

△I Opened A FAKE Apple Store(Niko Omilana channnel)

生まれた時からスマホやPC、SNSの利用が当たり前のZ世代がよく話題にあがりますが、本やノート、カレンダー、辞書の感覚も紙が基本だった私とは全く違っていて、学校の連絡事項もPC上でやりとりし、iPadとノートパソコンを同時に触りながら今日はパワーポイントで資料を作るのが宿題、なんていう様子を見て驚いてしまいます。ついつい、スクリーンタイムが・・・なんて、自分の物差しで測ってしまいそうになりますが、いつも息子の持つ物差しで試してみる軽やかさを持っていたいなと思います。

一緒にテート・ブリテンへターナーを見に行き、一緒にギャラリーへ奈良美智さんの作品を見に行く私たちですが、そこまでに見えるものも全く違い、そこで見る作品も全く違っていて、本当に面白いです。

【夏の自由研究】息子がiPhoneでターナーの筆に挑む!

☆(ターナー企画展)海を描くイギリスのターナーとロシアのアイヴァゾフスキー!テート・ブリテン(Tate Britain)の『Tuner’s Modern World』へ

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2007年から2009年までロシアナとしてモスクワに住み、それから再び2017年から2019年までモスクワに滞在しました。同じ景色も息子と一緒だと見えるものが違い、また出会う人も訪れる場所も全く違っていて、新しいロシアを沢山発見することができました。

ロシアの音楽学校や近所のサッカー仲間などロシア人のお友だちも沢山できて、3年間でロシアが大好きな場所のひとつになった息子。多くの日本人を含む外国人が帰国を余儀なくされ、外国人にとっては落ち着いて学校に通うことも許されない環境になってしまい、もし今だったら、もう息子を連れてロシアに住むことはできないだろうと思うと、本当に悲しくなります。

 

【英国のお気に入り】妖精をさがして・・・!英国絵画の殿堂テート・ブリテンへ

(2022.02)イギリス絵画の殿堂テート・ブリテンのなかのお気に入りの展示室『FAIRY ROUND』。

△リチャード・ダッド(Richard Dadd )の『お伽の樵の入神の一撃(The Fairy Feller’s Master-Stroke)1855−64』もあります。

△イギリス・ロンドン出身のロックバンドQueenの曲『 The Fairy Feller’s Master-Stroke(邦題:「フェアリー・フェラーの神技」)は、なんとフレディ・マーキュリーが、このダッドの絵をみてインスピレーションを得て作った曲なのだとか!

ヴィクトリア時代のイギリスではシェイクスピア(William Shakespeare)の『真夏の夜の夢( A Midsummer Night’s Dream)』のシーンをはじめ、多くの画家たちが妖精がどんなふうに見えるのか、想像力をふくらませて妖精の世界を描きました。

△『パック(Puck)1841』

△『バッカス祭の情景(Bacchanalian Scene)1862』

リチャード・ダッド(1817-1886)は幼い頃から絵の才能に恵まれ画家として活躍しましたが、精神を病んで父親を殺してしまい、精神病院へ。死ぬまで約42年間もの間、精神病院で絵を描き続けました。

ヴィクトリア時代には私が好きなものが詰まっていて、このヴィクトリアン・フェアリー・ペインティングもそのひとつ。産業革命の波のなかで、原始的なものやあるがままの自然の美しさ、摩訶不思議な未知のものへの想いがフェアリーに形をかえて絵画のなかでどこまでも自由に羽を広げていったのかもしれません。

△コティングリー妖精事件の写真!イギリスのコティングリーに住む16歳のエルシー(Elsie)と9歳の従姉妹フランシス(Frances)が撮影した写真になんと妖精が・・・!後に、5枚のうちの4枚は捏造だったと白状した2人ですが、5枚目だけは本物だと話しているそう。真相はいかに!?

△『シャーロック・ホームズ』シリーズの作者であるサー・アーサー・コナンドイルもこれを信じていたとか。(☆【英国のなかのロシア】シャーロック・ホームズ博物館の名探偵マトリョーシカ

△山田五郎さんのYouTubeチャンネル『オトナの教養講座』【父殺し】妖精を描く殺人画家!?リチャード・ダッドとは?【イギリス妖精文化】でも取り上げられていましたが、イギリスのケルトの伝統のなかの妖精と、日本の岩手の河童を比較していてユニーク!日本には「うつのみや妖精ミュージアム」と福島の「妖精美術館」があるそうで、ぜひ訪れてみたいです。

妖精絵画の大ブームが起こるまでのイギリスの流れや画家たちも興味深かったですが、何より面白かったのは、スコットランドの画家ジョセフ・ノエル・ペイトンの『オーベロンとティターニアの諍い』のなかに何人妖精がいるのか・・・この絵が大好きだった『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルが数えたというエピソード。

関連ブログ

☆ケルト民族のフェアリーたちが登場する今年のストーリー”The Hooley”が素敵だったイギリスのサーカス 伝統的なイギリスのサーカスGIFFORDSへ!イギリスとロシアのサーカスあれこれ

☆妖精たちの森!【英国のお気に入り】妖精が現れるブルーベルの森へ・・・!Highgate Wood

さて、ロシアでも超自然的な世界はとても人気があり、日本にいるときよりもずっと、そういう不思議なものや科学では証明できない現象が信じられている国民性である気がします。森のなかを歩いていると私はそういう力を感じることが多くて、モスクワでも少し歩けば森がありましたし、イギリスにも。もしかして森との近さが、妖精との近さと通じるものがあるのかしら?とふと思いました。

ロシアで妖精といったらこの妖精を思い出しました。

【ロシアの伝統】乳歯が抜けたら現れる?歯の妖精!