モスクワ通信『本物の金が織り込まれたトルジョクの金の糸刺繍』

2020-04-26

ロシア文化フェスティバルblogより)

宿場町トルジョクといえば、ポジャルスキー・カツレツの他にもう一つ忘れてはならないのが、金を混ぜ込んだ糸で縫った刺繍製品 Торжокские золотошвеиです。9〜10世紀頃にはじまったと言われ、12世紀からトルジョクの伝統手工芸として受け継がれてきました。

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本物の金(や銀)が縫い込まれているのでその輝きはとてもエレガント!

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クレムリンをはじめ、ロシアのさまざまな場所・職業の制服で伝統的に使用されている刺繍ワッペンもトルジョク製が多いのだそうです。

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△トルジョク市内のお土産ショップではどこでも素晴らしいコレクションを見ることができました。

次はこの金の刺繍の博物館を訪れてみましょう。金の糸刺繍を深く知るためには4つの文化センターがあり、トルジョクにあるのはそのなかの2つ。

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△ひとつめは、金の糸刺繍で祈りの言葉が施された12mの帯が展示されている帯の家(Дом пояса)

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△そしてこちらの金の糸刺繍の博物館(Музей Золотного шитья)です。

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△入り口を入るとまずは、トルジョクの街の地図や観光名所、伝統的な四季の暮らしを描いた大作が飾られていました。

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△プーチン大統領をはじめ数々の著名人がここを訪れ、また素晴らしい作品が贈られたことがわかります。

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△大クレムリン宮殿のアンドレーエフスキー・ホールにも。

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△トルジョクはモスクワとペテルブルクの間の宿場町として発展してきました。両都市を象徴する建物を刺繍にした傑作も数多く保管されています。

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△この展示室では、古く貴重な初期の刺繍作品をみることができます。

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△古都トルジョクには美しい教会や修道院もあり、金の糸が神々しく輝く教会やイコンにまつわる刺繍作品も多くみられます。

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△16世紀の裁縫道具セットやこんな可愛らしい16世紀ヨーロッパ製の指貫入れも展示されていました。

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△刺繍に使われている糸には5〜8%の金が入っているため、しなやかですがしっかりとして硬い糸です。そのため通常の刺繍のように刺して布地を傷めないように、図柄に合わせて金の糸を布地の表面に固定し、それを絹の金糸で縫い付けるという独特の手法が使われています。

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△金の糸刺繍を体験してみたい方には、マスタークラスもあります。

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△次の展示室には、歴代の傑作が展示されていました。

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△『豊穣』

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△『石の花』しばらくうっとりと眺めていると、案内の方がサプライズで電気を消しました。するとどうでしょう・・・!暗い中で金色が光りだしました。

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△モスクワからトルジョク、そしてサンクトペテルブルクまで馬車で向かう様子が描かれている『モスクワからサンクト・ペテルブルクへの旅(Путешествие из Москвы в Санкт-Петербург)』。エレーナさんのお話では、プーチン 大統領はこの作品を大変気に入り、サンクトペテルブルク出身でロシアの大統領としてモスクワで執務する自らの人生に重ね合わせてイメージされたのか、ぺテルブルクからモスクワへ向かう逆のバージョンのものをお持ちなのだとか。 ご自宅に?それとも執務室に?この素敵な作品をどこに飾っていらっしゃるんでしょう。

建物内にはショップも併設されています。

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ベルベットの布に映える金刺繍のポーチは種類も豊富!どれも素敵で迷ってしまいます。美しいクッションカバーも記念に購入しました。

 

золотошвеи https://zolotoshveya.com/museum

モスクワ通信『ポジャルスキー・カツレツ発祥の地で伝統レシピのお料理教室』

ロシア文化フェスティバルblogより)

ロシア料理のメイン料理で人気のカツレツ!よく知られているのは、カリカリの衣とジューシーなチキンのなかから、とろーりとバターが溶け出してくる“キエフ風カツレツ”です。日本ではカツレツといえば、パン粉の衣をつけて揚げているものを想像しますが、ロシアでは、ハンバーグのように丸めて油で焼いているものもカツレツと呼んでいます。でも、もうひとつ、私の大好きなカツレツは・・・ “ポジャルスキー・カツレツ”!

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△右がシンプルな“カツレツ”、左が“ポジャルスキー・カツレツ”。

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△右がキエフ風カツレツ、左が“ポジャルスキー・カツレツ”

カリカリの衣の中には、ミンチしてバターと混ぜたふわふわトロトロの鶏肉が入っているカツレツです。多くのお店では、キエフ風カツレツと見た目でも区別するために、“キエフ風カツレツ”は目の細かいパン粉で、“ポジャルスキー・カツレツ”は、衣がわりにクルトンをつけて揚げたりしています。

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そんな“ポジャルスキー・カツレツ”の発祥の地をご存知でしょうか?モスクワとサンクトペテルブルクの間にある美しい町トルジョクのある宿屋で誕生したと言われています。かつては馬車で行き来していた二大都市の間に位置し、ここで馬を休ませたのです。現在はモスクワ都心部から車で約2時間半〜3時間です。ここで名物“ポジャルスキー・カツレツ”の楽しいお料理教室があると聞いてやってきました。

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△待ち合わせの場所カフェ・リラ(КАФЕ «ЛИРА»)へ到着すると、美しい民族衣装姿の女性が“パンと塩”で迎えてくださいました。

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ロシアでは伝統的に、大切なお客様をお迎えする際にはこの“パンと塩”の儀式を行います。カラバイと呼ばれる飾りをつけたふわふわの白いパンの真ん中には塩をのせた小皿があり、お客様は順番にパンをちぎって塩につけていただきます。

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△美しい飾りパンを食べてしまうのが惜しいような気がして、恐る恐るパンをとろうとすると「もっと大きくたっぷりお取り!出会えた幸せを喜ぶ儀式なんだから、たっぷりとね!!」一口頬張るとふんわりとしてまだ焼きたて!(最後にはお土産に持たせてくれます。)横にいる女性は「こちらもどうぞ!」と、ロシアの夏の風物詩クワス(黒パンを発酵させて作った炭酸飲料)を差し出してくれました。

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パンと塩の儀式が終わると建物のなかへ。続けて女性は自己紹介をはじめます。「皆様ようこそ!私の名前はダリヤ・ポジャルスカヤ。ここトルジョクにあった宿屋の女主人よ。」そう、この女性がかつてポジャルスキー・カツレツを考案した人物になりきって、私たちにこの宿場町や宿屋の歴史、ポジャルスキーカツレツが誕生するまでのストーリーを語ってくれる劇場風お料理教室なのです。

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一角にクッキング・スペースが作られており、ダリヤさんの説明に合わせてもう一人の女性が調理を始めました。レシピは1853年当時のまま。まずは丸ごとの鶏肉から骨を丁寧に取り除きます。それから包丁でトントンと挽肉状になるまで細かくしていきます。

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△「細かくすればするほど、おいしくなるのよ!そして、ここが大事なポイント!お肉が1キロなら、バターは500g入れるの。そう、恐れずにお肉の半分の量のバターを入れること!」

細かくしたお肉と溶かしたバターしっかりとよく混ぜ合わせたら塩胡椒で味付けをします。(ロシアのバターは無塩バターが主流なので、塩を加えます)お肉の準備ができたら今度はパン粉作り。

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△各面に違う用途のおろし金が付いているチョルカでパンを削っていきます。野菜をスライスしたり細切りにするのにも便利で、ボルシチに使うビーツなどお野菜を細くするときなどもよく使われるロシアではポピュラーなキッチン用品です。

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ここで私もお肉を丸めて成形してみることに。ちゃんとコック帽とナイロン手袋も用意されていました。お肉を丸めて、溶き卵を水で薄めた液に浸し、最後にパン粉をふんわりとつけていきます。「なんて上手なのかしら!あなた才能あるわ」優しいダリヤさんが優しく太鼓判を押してくれます。

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あとはこんがりときつね色になるまで油(バターも少し)で揚げて出来上がり!

さっそく揚げたてを試食しながら、ランチの始まりです。

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△サラダとボルシチ、そしてメインはもちろん、котлеты «Пожарские» ポジャルスキー・カツレツ!デザートのリンゴケーキも優しいお味で気に入りました。

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△ポジャルスキーの宿屋の評判を聞きつけて国内外の著名人が宿泊し、なかでも詩人プーシキンはポジャルスキー・カツレツが大好物だったとか。ニコライ1世もその味を称賛し、ペテルブルクの都へ呼んでカツレツを作らせたという説も。

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△こちらが本物のダリヤ・ポジャルスカヤさんの肖像画。お衣装だけでなく顔の雰囲気も、ちょっぴり今日のダリヤさんに似ていますね。

さて、ポジャルスキーの宿屋の建物は現在も残っていると聞いて、こちらも訪れました。

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△ミュージアム複合施設『ポジャルスキーの宿』Музейный комплекс «Гостиница Пожарских»

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△現在は宿屋ではなく素敵なカフェになっていました。

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そして、なんとこちらのカフェの名物は・・・

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△ポジャルスキー・カツレツ!いえ、ポジャルスキー・カツレツそっくりのケーキ!(150ルーブル)

カフェの奥は、ギャラリーとコンサートも出来そうなホールがあり、一角が小さなトルジョク陶器ミュージアムになっていました。

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△ポジャルスキーの宿屋を描いたお土産用の陶器がカフェ店内にも飾られていました。

ポジャルスキー・カツレツのお料理教室に参加したカフェ・リラや、かつてポジャルスキーの宿屋だった建物でポジャルスキー・カツレツ・ケーキが食べられるカフェ以外にも、トルジョクの街はどのレストランも食堂もその店自慢のポジャルスキー・カツレツがあるようです。

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△例えばこちらユルベスは、1992年にユーラとヴェーラとサーシャの3人で創業。3人の頭文字が店名になっています。こちらのレシピは革命前の料理本をベースにしており、変わらぬ味を提供しているのだそう。

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△自慢のポジャルスキー・カツレツ2種!油で揚げるかわりにオーブンで焼いているので、カリッとヘルシーな衣です。

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△ナイフを入れると熱々の肉汁とバターがとろ〜り!

他にも、トルジョク駅のビュッフェでも・・・

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△もちろんあります“ポジャルスキー・カツレツ”!

伝統レシピの“ポジャルスキー・カツレツ”を伝授していただいたので、ぜひお家で再現してみたいと思います。

 

【ロシアのお菓子】ポクロフのプリャニク

黄金の輪ウラジーミルからモスクワへ続く道路沿い、ポクロフという町のドライブインで、ポクロフのプリャニキ屋さんを発見!

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△ポクロフのプリャニク(«Покровский пряник» )は、このサモワールと小麦のマークが目印!

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ロシア式ティータイムといえば、サモワール(ロシア式の湯沸し器)と伝統菓子のプリャニキ(ひとつだとプリャニク)です。蜂蜜とスパイスを混ぜ込んだ素朴な味わいの“ロシア版ジンジャーブレッド”で、一年中ロシア人の愛するお茶のお供です。なかでもモスクワ近郊の町トゥーラと、このポクロフのプリャニキが有名です。(【ロシアのお菓子】伝統菓子プリャニキ(пляники)の世界へようこそ!

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ポクロフのプリャニキの特徴は、子どもたちが喜びそうな可愛らしくアイシングされたタイプとミルクチョコレートをキャンバスにホワイトチョコレートの芸術的なレリーフで装飾したタイプの大きく分けると2種類あります。中身は、コンデンスミルク(【ロシアの食】コンデンスミルクはキャラメル色!?実験してみた)とザクザクした食感と風味が香ばしいたっぷりのクルミ。

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△手作り感たっぷりのアイシング

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 △芸術的なチョコレートのレリーフ!

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△こちらはしっかりとしたプラスチックケースに入っており、日持ちもするので(適切な温度・湿度で約180日間)お土産にもぴったりです。

△工場でプリャニキが作られる工程や歴史

△マスタークラスの様子 

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△横にはカフェもありました。運転で疲れたら、熱々の紅茶と甘いプリャニキで休憩?

ドライブインには、マクドナルドもあり、こちらもたくさんのロシア人で賑わっていましたが、プリャニキ屋さんにもつぎつぎにお客さんが訪れてはプリャニキを購入していきました。

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ポクロフのプリャニク(«Покровский пряник» ) http://покровскийпряник.рф