ロンドン北部の高級住宅地にある、ハイゲート墓地(Highgate Cemetery)は、まるで彫刻のような著名人の墓碑がならび、庭園のように緑豊かで散策にぴったりの場所です。イギリスではもともと多くの埋葬は英国教会の庭(Anglican churchyard)で埋葬が行われていましたが、産業革命による都市への人口流入や、腸チフス・コレラの蔓延により埋葬の場所が充分に確保出来なくなり(死体解剖のための墓暴きなどもあったそう)、1839年にLondon Cemetery Companyによってハイゲート墓地が創設されました(1830年代および1840年代に8つの墓地が民間企業によって創設され、Highgateはそのうちの3番目)。建築的特徴と景観の美しさが特徴です。
【EAST CEMETRY】
△百合の花とアイビーが絡まった十字架のデザインはイギリスのお墓でよくみかける美しいデザイン。
△WestとEastに分かれ、それぞれ著名人のお墓やユニークな墓碑などを記したマップやモデルルート、ハイゲート墓地の歴史やイギリスのお墓によくみられるモチーフとその解説などを知ることができます。子ども用のクイズなども。
△Eastでは、ドイツの哲学者・経済学者カール・マルクスの巨大な頭像がついたお墓を見ることができます。166cmある私でも、横に並ぶとこんなに大きい!
△「万国の労働者よ、団結せよ」と刻まれています。マルクスははじめ妻の墓に入れられ、葬儀にはエンゲルスも参加しました。1954年、共産党がマルクス・メモリアル・ファンドを創設し、双方の遺体がこの現在の場所に移されました。
△こちらが墓地の中にあるオリジナルのお墓。ロシアでもモスクワ市内でマルクス像とエンゲルス像を見ることができます。マルクス像にはやはり「万国の労働者よ、団結せよ」と刻まれていました。(関連☆【モスクワの街角】朝焼けの革命広場とマルクス像☆【モスクワの街角】エンゲルス像)
△Foyle(1903年に書店を設立、本の形をした墓)
△Mahler(作曲家マーラーの娘で彫刻家)
△McLaren(興業家、ロックアーティスト、ブティックオーナー)
△Thornton(ピアニスト、ピアノの形の墓)
△Caulfield(ポップアーティスト)
△Fenollosa(米国の歴史家、日本芸術専門)
ほかにもAdams(作家・劇作家、お墓の前にペンが置かれている)、Eliot(作家、女性だが男性のペンネームを使用していた)のお墓などがありました。
【WEST CEMETRY】
△入口はチャペル。
△アレクサンドル・リトヴィネンコの墓(元スパイで亡命先のロンドンで毒殺されたことがニュースになりました。ピカデリーサーカス周辺の寿司チェーン店「itsu」で会食中に体調が悪化したと報じられました。)
△The Egyptian Avenueは、以前はトンネルとして覆われていました。エジプトのものへの憧れ(特にナポレオンのキャンペーンや19世紀の探検家が大英博物館にもたらした標本等にも関心は触発されていました)。
△The Circle of Lebanon:円状の上にCedar treeがあったが倒れたため最近新たに植樹されました。その下には20の墓所あります。多くの人気を集めたためその周りに16の墓所が追加されました。
△ファラデーの墓(電磁誘導等で知られる物理学者、ロンドンのSavoy Placeに銅像もあり)
△Thomas Sayer(人気のbare-knuckle prize fighter)の墓には彼の犬Lionも。
ロシアの墓地も、彫刻庭園のように著名人の墓碑が並び、緑豊かで散策におすすめです。
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