モスクワで出逢うチェーホフ〜モスクワ芸術座日本公演2024特集!

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ロシア文化フェスティバルblog 1月更新!

チェーホフ(Антон Павлович Чехов 1860ー1904)は、ロシアを代表する劇作家であり小説家です。ロシア南部ロストフ州の黒海沿岸の港湾都市タガンログで生まれ、その後モスクワ大学医学部を卒業し、医者として働きながら、たくさんの作品を残しました。

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△なかでも『かもめ』をご存知の方は多いのではないでしょうか。こちらは2008年(右)と2020年(左)に「モスクワ芸術座」で観劇した『かもめ』のパンフレット

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△赤の広場からトヴェルスカヤ通りを進むと、すぐ右手側に見えてくるモスクワ芸術座。劇場と同じ建物内にあるカフェの名もチェーホフです。サンクトペテルブルクの劇場での初演に失敗した『かもめ』を上演し大成功を収めてから、かもめはこの劇場を代表するエンブレムになりました。

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△偉大さ、尊敬の大きさを表すような巨大な銅像の多いモスクワでは珍しく、劇場の向かいのチェーホフ像の若き日のしなやかで線の細いシルエットや、どこか物憂げで悩ましげな思索にふける表情に惹かれてしまいます。

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△モスクワでも最も人気と歴史を兼ね備えた劇場のひとつであるモスクワ芸術座。設立者のコンスタンチン・スタニスラフスキーとヴラジーミル・ネミロヴィチ=ダンチェンコの像も、カメルゲルスキー横町の入り口で迎えてくれます。(関連ブログ☆モスクワ通信『スタニスラフスキーの家博物館』を訪ねて

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△チェーホフの名を冠した地下鉄チェーホフスカヤ駅には、QRコードが設置されており、ダウンロードするとチェーホフ作品のオーディオブックをお楽しみいただけます。(プーシキン記念シェレメチェヴォ空港ではプーシキン作品が楽しめたりとロシアの流行のひとつですね。関連ブログ☆モスクワ通信『プーシキンがお見送り&お出迎え!シェレメチェヴォ空港』

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△乗り換えのための通路には巨大なチェーホフ像……と思いきや、実はこちらは文豪マクシム・ゴーリキー像。栞がわりに読みかけの本に挟んだ指が、モスクワっ子たちに撫でられてピカピカ金色に光っています。地上は、モスクワの目抜き通りのトヴェルスカヤ通りなのですが、ここはかつてゴーリキー通りと呼ばれていました。モスクワ芸術座は89年、チェーホフ記念モスクワ芸術座とゴーリキー記念モスクワ芸術座の二つの独立した劇団になりました。

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△2023年4月にリニューアルオープンしたチェーホフの家博物館(Дом-музей А.П. Чехова)。チェーホフが暮らしたとされる建物がモスクワ市内には数ヶ所あり、記念プレートなどを見つけることもできますが、ここはチェーホフが1886年から1890年に実際に暮らした部屋が博物館としてそのまま残されており、文豪の息遣いを感じることができます。(館内のお写真は博物館ギャラリーより)

チェーホフは30歳のときに馬車でシベリアを横断しサハリン島を目指して旅に出ます。地の果ての流刑地へ旅立った理由は今も謎に包まれていますが、その帰路は船旅で、途中に日本に寄港する計画もありましたが、コレラの流行により叶いませんでした。

1892年から99年までチェーホフが7年住み、『かもめ』や『サハリン島』、『ワーニャおじさん』などの作品を執筆したモスクワ郊外メリホヴォには今もチェーホフの屋敷が博物館として公開されています。医者でもあったチェーホフは現地の農民に無償で医療を施していました。『かもめ』のニーナのモデルとなった女性にはここで出逢ったと言われています。

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△メリホヴォは現在モスクワ州チェーホフ地区にあり、同地区とその中心都市チェーホフのエンブレムにもかもめが使われています。

さらにその後、クリミア半島のヤルタに移り住み、晩年は結核の治療のためドイツのバーデンワイラーで療養し、そこで亡くなりました。

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△お墓はノヴォデヴィチ墓地にあります。(関連ブログ☆モスクワ通信『まるで彫刻の森!ノヴォデヴィチ墓地アルバム』

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△モスクワ中の、そして日本や世界の劇場で、チェーホフの作品は繰り返し上演され愛され続けています。モスクワでは、チェーホフの名前のついた桜色のワインや、チェーホフの作品世界が描かれたTシャツなど、ユニークなお土産も探すことができます。

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△また、偉人の名前を名付けることが多いロシアの地方都市でも、チェーホフの名前のついた場所やチェーホフにまつわる銅像に出逢う機会があります。
たとえば、こちら黄金の輪スーズダリのアートホテルのなかにある『子犬を連れた奥さん』の銅像は、チェーホフ生誕155周年記念に建てられました。また、2019年5月に大統領令でロシア各地44の空港に偉人の名前が冠せられたなかで、サハリンのユジノサハリンスク空港にチェーホフの名がつけられました。

見どころがたくさんのモスクワ散策ですが、自分なりのテーマを見つけて歩いてみると自分だけのお気に入りスポットや新しい発見がありそうです。まずは5月、チェーホフ『決闘』とモスクワ芸術座に出逢ってみてください!

【公演情報】

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ロシア文化フェスティバル 2024 IN JAPAN モスクワ 芸術座 日本公演 2024

稀代の文豪チェーホフ 隠れた傑作 『決闘』
名優たちの舞台で日本初上演!

公演日程
2024年
5月28日 17:30開場 18:00開演
5月29日 17:30開場 18:00開演
5月30日 17:30開場 18:00開演
5月31日 12:30開場 13:00開演

東京・かめありリリオホール
JR亀有駅南口下車徒歩1分

チケット
8,000円(全席指定)
2023年10月10日 (火)発売

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