芸術の秋!たくさんのコンサートにお誘いいただいて、嬉しい再会がつづきました。
△モスクワ音楽院大ホールで聴いたプロコフィエフ(☆【モスクワ音楽院】日本の心フェスティバルオープニング)、あの熱狂以来の田中正也さんのピアノ。
今年2022年は、2月のあの日からずっと、心が晴れることはありませんでした。いつもぐるぐると言葉にならない想いが渦巻いて、なるべくみないように蓋をして、なるべく考えないように前をむいて、今目の前のことに注意をむけて日常生活を過ごすようにしていないと、恐ろしいものに飲み込まれてしまいそうな、2度とベッドから出られないようなそんな気分になることも。
そんな私の根雪のようにふりつもってずっしりと固まった心は、このコンサートを通して田中正也さんの魔法のピアノで少しずつ流れを取り戻して(♪プロコフィエフのサルカズム。やっぱりプロコフィエフを演奏する正也さんは水を得た魚!)、ちょろちょろとした流れは雪解け水くらいの小川になり(♪ドビュッシーの喜びの島)、やがてスノードロップの花が雪の下から顔を出し(♪亡き王女のためのパヴァーヌ))、勢いよく川が流れ出すとどんぶらこどんぶらこと向こうからおいしそうな桃が流れてきたような気がするほど元気をもらいました(♪展覧会の会)。
△同ホールでは11月26日にエリソ・ヴィルサラーゼ ピアノリサイタルも。
△11月5日、モスクワ国際音楽コンクールで優勝したヴァイオリニストの田島奈央子さんのコンサートへ。舞台に大輪の花が咲くような華やかさと、ヴァイオリンを演奏するときの幸せそうな微笑みに吸い込まれそう。ピアニストのお母様、小林由幾さんとのまるで親子漫才⁉︎のような仲良しのかけあいが、演奏間のアクセントに。
△「第1回 藤舎花帆リサイタル 月を愛でる」では、英国で出逢った作曲家の武智由香さんの新作、小鼓とチェロの為の『帆』初演に立ち会うことができました。小鼓の演奏会は初めて伺いましたが、生の小鼓の清らかな音色を堪能できる長唄や邦楽、そして意欲的な現代曲やほかの楽器とのコラボレーション、そして舞台芸術も素晴らしかった「竹取物語」や「古事記」・・・!
△藤間蘭黄さんが日本舞踊の可能性に挑む『鳥獣戯画』と『変身』のご案内も。モスクワで観た『信長』は今も鮮烈な印象が残っています。
☆【日露交流年】感動ふたたび!『信長 SAMURAI』ロシア公演(国立クレムリン宮殿 小ホール)
「置かれた場所で咲きなさい」は国民的ベストセラーになった渡辺和子さんの著書です。
「雨の日、風の日、どうしても咲けないときは
根を下へ下へと 伸ばしましょう。
次に咲く花がより大きく、
美しいものとなるように。」
芸術家のみなさまが、それぞれの場所で美しい花を咲かせつづけていらっしゃることに、そして下へ下へと力強く根を伸ばしていらっしゃることに、感銘を受けます。