クリスタル・ガラスの里グシ=フルスタリヌイには、世にも美しいガラス博物館があります。このグシ=フルスタリヌイに工場を作り、クリスタル・ガラスの町にしたマリツォフ家の名を冠したクリスタル・ガラス博物館(Музей хрусталя имени Мальцовых)です。
△アキム・マリツォフ(Аким Васильевич Мальцов)像。父親の商人ワシーリー・マリツォフ(Василий Юрьевич Мальцов)がモスクワ郊外の村にクリスタル・ガラス工場の設立を許可されたことからクリスタル・ガラスとマリツォフ家との歴史が始まったと考えられています。数年後、息子のアキム&アレクサンドル兄弟が受け継ぎ、工場を移した場所がこの自然豊かなグシ=フルスタリヌイだったのです。
△赤煉瓦と白い大理石のコントラストが美しいゲオルギエフスキー大聖堂(Георгиевский собор)は1892~1903年に建築家ベヌア・レオンティ(Леонтий Николаевич Бенуа)のプロジェクトに基づいて建てられました。一歩足を踏み入れると・・・
息を呑むような美しさ・・・!聖堂の醸し出す厳かで神聖な空間に浮かび上がるように輝くクリスタル・ガラス!!!1983年5月に聖堂内にオープンしたこの博物館の約2000もの展示品は、18世紀後半から現在まで続くの工場のコレクションとグシ=フルスタリヌイの優れたガラス・アーティストたちの作品です。
△手前左は1950年台の化粧セット“マーガレット”。可憐なマーガレットのお花に似せてカットしてあります。手前右は、海をテーマにしたワインセット。中段左は、果実酒のセット。どれも1940〜50年代の作品。
△“ナナカマド”と題されたセット。今にもこぼれ落ちそうな赤い実が愛らしくて、小鳥が飛んできそう。夏をテーマにした作品も多い1960〜70年代のЕ.И.Рогов作。 心惹かれる作品を見つめるもよし、時代ごと、テーマごと、作者ごとに楽しむもよし。
この日はちょうど子供たちが集まり学校の行事をしていました。クリスマスツリーのような巨大なガラスのオブジェが飾られたステージ。その両脇には、テーブルセットの大作がありました。
△19世紀半ば頃の食堂のインテリア
△20世期初頭の客間のインテリア
△祭壇の上のモザイク画は、トレチャコフ美術館でも傑作を見ることができる画家ヴィクトル・ヴァスネツォフの作品 «О тебе радуется, Благодатная»です。
△祭壇の反対側の壁にも大きなヴァスネツォフの作品«Страшный суд»を見ることができます。
△壁には、この教会やクリスタル・ガラスの歴史について紹介されていました。かつての鐘楼や丸屋根も見ることができます。
2002年1月6日には、プーチン大統領もここを訪れたようでサインとお写真が残っていました。
Музей хрусталя имени Мальцовых
住所: ул. Калинина, 2а, Гусь-Хрустальный, Владимирская обл.