ロシアの飛び地カリーニングラードから旧ソ連圏のバルト3国を北上して行くロシアナ旅。リトアニアに続く2カ国目は、ラトヴィア!1991年に旧ソ連からの独立を宣言し2004年にEUに加盟しています(ラトヴィア語で通貨はユーロ)。歴史を反映したさまざまな時代と様式、エピソードの詰まった建築巡りが楽しい首都リガの旧市街から、新市街との境目にあたる運河沿いを散策します!(新市街のロシアゆかりのエイゼンシュテイン・アールヌーヴォーとスターリン・クラシックについては、ロシアナお勧めのロシアなレストラン&カフェとセットで別記事でご紹介します。)
【旧市街・南】
△ラトヴィアを代表する建築物のひとつ、ブラックヘッド・ハウス。中世のバルト海を独占して貿易を行うハンザ同盟都市として栄えたラトヴィアで、ここは裕福な貿易商人のブラックヘッド・ギルドの集会所だったそうです。(ギルドとは中世ヨーロッパ商工業者の組合で、これがのちに商工会議所に発展していったとも言われています。)当時、大時計のあまりの美しさに、これ以上の物を2度と作れないように職人の目がくり抜かれてしまったという言い伝えが残っています。モスクワの聖ワシリー寺院と同じエピソードですね!(関連☆【赤の広場】ライトアップが美しい夜!)ナチス・ドイツの空襲で破壊され、1999年に復元されました。ソビエト占領博物館もあるそうです。
市庁舎広場には、リガの守護神である聖ローランド像も立っています。
△世界遺産にもなっている旧市街。右側が聖ヨハネ教会、左側が聖ペテロ教会。
△聖ヨハネ教会前のブレーメンの音楽隊の像。姉妹都市ブレーメンから贈呈されました。なるべく上の動物の鼻先に触れながら願い事をすれば叶うとのことで、みんな順番にジャンプ!
△中世には生きた人間を壁に塗り込めると災いから救われるといわれ、2人の修道士が生き埋めになったそうです。この修道士たちが通行人から施しを受けられるようにと壁面には顔を出すための穴が開けられており、それを模した修道士の顔の彫刻と、二人の尊い命に捧げる十字架の形の穴を今も見ることができます。
また、教会横の小さな門をくぐると、ヤーニスの中庭で、ここには城壁の一部が残っています。
△聖ペテロ教会は、塔が展望台になっています。先端にはかつて風見鶏がつけられており、改修工事のたびに、てっぺんから飲み干したグラスを落とし、幸運を占う儀式が行われていたそう。この儀式、最近は見かけませんが、ソ連時代まではよく見られたようです。
△すぐそばには、リガ・ロシア劇場がありました。
△可愛らしいブラッセリーには、ロシアのバレリーナ、アンナ・パヴロワの名をとったデザート。白鳥のように真っ白なメレンゲと愛らしいベリーが特徴です。
お土産屋さんがたくさん軒を連ねる人気の観光エリア。一番人気はやっぱり・・・
△ミトンでしょうか。民族衣装センター“セナークラーツ”では美しい民族衣装も堪能できます・
△バルト3国では、数年おきにユネスコの無形遺産にも選定されている大規模な歌と踊りの祭典が開かれます。
△レストランもたくさんあり、夏はテラス席が人気です。ラトヴィアのなかの日本!TOKYO−CITYもありました。
【旧市街・北】
△ロシアで3人兄弟といえばカラマーゾフですが、リガで“三人兄弟”といえばここ。中世の住宅で、それぞれ異なる世紀に建てられています。なかは現在建築博物館。
△中庭から見た三人兄弟もなかなか面白い!
△スウェーデン門はかつての城門。スウェーデン兵と道ならぬ恋に落ちたリガの娘が、捕らえられてこの壁の中に塗り込まれてしまったとか・・・
△猫の家(てっぺんに背伸びする猫!)
△小ギルドの会館(ギルドとは中世ヨーロッパ商工業者の組合で、これがのちに商工会議所に発展していったとも言われています。)
△リガにも『霧の中のハリネズミ』・・・?お土産屋さんには、もちろん、マトリョーシカも!
△バルト3国のなかで現存する最古の建築物のひとつのリーガ大聖堂とドーム広場
△街中で見かけた『イコン展』や『モネとカンディンスキー展』のポスター
【ピルセータス運河沿いエリア】
△ドイツの老舗お菓子メーカーLAIMAの時計は、ちょうど旧市街と新市街の間くらいにあり、有名な待ち合わせスポットになっているそうです。後ろには自由記念碑が見えます。
△1935年ラトヴィアの独立を記念して建てられた自由記念碑。その後再び、旧ソ連に支配されましたが、その間も壊されることはなく(ただし、近寄るだけで危険だったそう)、人々の心の支えとなっていたそうです。
運河沿いは緑の美しい公園になっていて、遊覧船も運行しています。
良いお天気で噴水には虹がかかっていました!
△国立オペラ座。モスクワのボリショイ劇場を思わせます。
△1837年から2年間リガ に住んでいたという作曲家ワーグナー。ドイツの女優Minna Planerに恋していたワーグナーは、ミンナがケーニヒスベルクの劇場に勤めることになると自身もケーニヒスベルクで指揮者の仕事を見つけて彼女を追いかけ、1836年にケーニヒスベルクのプロテスタント教会(Трагхаймская кирха)で結婚します。教会は戦争で被害を受け、その後ソ連によって破壊されてしまいました。(ケーニヒスベルクは現在ロシアの飛び地カリーニングラード。関連ブログはこちらへ☆【中世ドイツ、ソ連、そしてロシア!融合の飛び地カリーニングラード】〜まとめ〜)結婚の数週間後には、借金に追われリガへ。リガのワーグナーの名前がつけられた通りには、現在もワーグナー夫妻の住居が残っているそうです。ワーグナーは1939年にリガの劇場を解雇され、ロンドンへ向かったそうです。
△リガ出身で旧ソビエト時代の伝説的なバレエダンサー、マリス・リエパ(Марис Лиепа)像。娘イルゼと息子アンドリスも同じくバレエの道で活躍しています。(関連☆【日露交流年】ボリショイ!マリインスキー!岩田守弘さん率いるウラン・ウデ!日舞!豪華競演)
【クロンヴァルダ公園のプーシキン像】
運河沿いを北へ進み、クロンヴァルダ公園へ。この公園に面した通りは、以前“プーシキン大通り”だったそうで、公園内ではプーシキン像に出逢えます。現在も別の場所にプーシキン通りがあるようです。
△公園そばにはロシア大使館もあります。さらにその隣には、旧日本国大使館だった建物もあります。
△リガ・神戸友好時計塔もありました。
△公園で食べるお菓子を買いに立ち寄ったコンビニ。町の景観を大切にクラシックな建物の1階部分を上手にお店に利用している街づくりはモスクワと一緒。素敵ですね。
△カラフルなパスチラとコップ型アイスクリームのスタカンチク発見!(関連☆【ロシアのお菓子】パスチラ(пастила)の世界へようこそ!☆モスクワ通信『食べ放題!天空のアイスクリーム工場がある展望台PANORAMA360』)
△見覚えるのあるパッケージのチョコレート、発見!待ち合わせスポットでお馴染み、ライマのチョコレートです。(関連☆ロシアを代表するチョコレートАлёнка アリョンカのショップ&カフェ)
ラトヴィア・リガから次はエストニア・タリンへ向かいます!