宿場町トルジョクといえば、“ポジャルスキー・カツレツ”の他にもう一つ忘れてはならないのが、金を混ぜ込んだ糸で縫った刺繍製品(Торжокские золотошвеи)です。9〜10世紀頃にはじまったと言われ、12世紀からトルジョクの伝統手工芸として受け継がれてきました。
本物の金(や銀)が縫い込まれているのでその輝きはとてもエレガント!
クレムリンをはじめ、ロシアのさまざまな場所・職業の制服で伝統的に使用されている刺繍ワッペンもトルジョク製が多いのだそうです。
△お昼にまずポジャルスキー・カツレツのお料理教室に参加したカフェ・リラにも、金の刺繍の特設コーナーがありましたし、トルジョク市内のお土産ショップではどこでも素晴らしいコレクションを見ることができました。
△カフェ・リラのすぐ隣には、金の糸刺繍で祈りの言葉が施された12mの帯が展示されている帯の家(Дом пояса)も。次はこの金の糸刺繍の博物館を訪れてみましょう!
△金の糸刺繍を深く知るためには4つの文化センターがあり、トルジョクにあるのは2つ。先ほどの帯の家(Дом пояса)と、この金の糸刺繍博物館(Музей Золотного шитья)です。
△入り口を入るとまずは、トルジョクの街の地図や観光名所、伝統的な四季の暮らしを描いた大作が飾られていました。
△プーチン大統領をはじめ数々の著名人がここを訪れ、また素晴らしい作品が贈られてきたことがわかります。
△大クレムリン宮殿のアンドレーエフスキー・ホールにも。
△トルジョクはモスクワとペテルブルクの間の宿場町として発展してきました。両都市を象徴する建物を刺繍にした傑作も数多く保管されています。
△この展示室では、古く貴重な初期の刺繍作品をみることができます。
△古都トルジョクには美しい教会や聖堂、修道院もあり、金の糸が神々しく輝くイコンにまつわる刺繍作品も多くみられます。
△16製器の裁縫道具セットやこんな可愛らしい16世紀ヨーロッパ製の指貫入れも展示されていました。
△金の刺繍の入ったロングベストをお洒落に着こなすエレーナさんが案内してくださいました。
△糸には5〜8%の金が入っているため、しなやかですがしっかりとして硬い糸です。そのため通常の刺繍のように刺して布地を傷めないように、図柄に合わせて金の糸を布地の表面に固定し、それを絹の金糸で縫い付けるという独特の手法が使われています。
△金の糸刺繍を体験してみたい方には、マスタークラスもあります。
△かつて、村の女性たちはお嫁入り前に自分なりの最高の刺繍を施したミトンを作り、年に1度開かれる市では、そのミトンで顔を隠して男性とお見合いをした、なんて話も・・!
△次の展示室には、歴代の傑作が展示されていました。
△ソ連時代の作品
△『春のモスクワ』
△『豊穣』
△『石の花』しばらくうっとりと眺めていると、エレーナさんがサプライズで電気を消しました。するとどうでしょう・・・!薄暗い中で金色の糸が光りまた違った味わいを見せてくれました。
△モスクワからトルジョク、そしてサンクトペテルブルクまで馬車で向かう様子が描かれている『モスクワからサンクトペテルブルクへの旅(Путешествие из Москвы в Санктпетербург)』。プーチン 大統領は、サンクトペテルブルク出身でロシアの大統領としてモスクワで執務するご自身の人生に重ね合わせてイメージされたのでしょうか、ぺテルブルクからモスクワへ向かう逆のバージョンの作品をお持ちなのだそうです。 ご自宅に?それとも執務室に?この素敵な作品をどこに飾っていらっしゃるんでしょうか。
建物内には充実のショップも併設されています。
ベルベットの布に映える金刺繍のポーチは種類も豊富!どれも素敵で迷ってしまいます。美しいクッションカバーもお土産に購入しました。
モスクワでも、アルバート 通りと赤の広場の国立歴史民俗博物館併設のお土産屋さんなどで、золотошвеиの商品を入手できる場所があります。☆【ロシア土産】旧アルバート通りの刺繍&レース屋さん
золотошвеи https://zolotoshveya.com/museum