かつて王室の居城でもあり、そして監獄でもあった、テムズ川沿いの城塞、世界遺産のロンドン塔(Tower of London)。幼い王子たちが行方不明になり、死体で発見された迷宮入りの事件が起きたBloody towerや、恐怖の拷問や哀しい処刑にまつわる展示、守り神のカラス(Raven)・・・。ここで処刑されたヘンリー8世の2番目の妃アン・ブーリンの幽霊が今もさまよっているそう。そして、Crown jewelsでは、輝く王冠のコレクションを見ることができ、素敵な制服姿の衛兵(Yeoman Warders)が英国の歴史を案内してくれます。
△ノルマンディー公ウィリアム征服王が、アングロサクソン人に脅威を与えるために建設したホワイト・タワーがこのロンドン塔のはじまりです。
△濃紺に赤がアクセントのヴィクトリア朝時代の制服が素敵なヨーマン・ワーダーズ(Yoman Warders)は、ロンドン塔の敷地内で暮らし、ここを守ってきました。ビーフイーター(Beefeater)とも呼ばれ、退役軍人のなかから厳しい条件を満たした人だけがこの職につけるのだそうで「ご覧の通り、顔もハンサムじゃなきゃ無理だよ」とウインク。質問にも気軽に答えてくださいます。レイブンと呼ばれるカラスは、ロンドン塔の守り神。カラスが去ると英国が滅びるという伝説があり、大切に飼育されています。1年前ほど、1匹行方不明になったことがニュースで報じられていたほど。
△クラウン・ジュエルズでは、輝く王冠コレクションにうっとり!
△ロンドン塔内ではかつて様々な動物が飼育されており、3頭のライオン、ゾウ、熊など・・・この3頭のライオンは、今もサッカーのイングランド代表のマークとして残っており、イングランド代表チームはよくスリー・ライオンズとも呼ばれます。その後、ロンドン動物園へ・・・(関連☆くまのプーさんに会える!ハリーポッターの爬虫類館がある!ロンドン動物園)
△牢獄として使われていた時代には、罪人たちはテムズ川から船に乗せられてこの門からロンドン塔へ。処刑台のあった場所や、拷問器具、なども展示されています。
△1613年に将軍徳川秀忠から贈られたという鎧も展示されていました。
ここでしか見かけないようなお土産もたくさん!
△ロンドン塔の横、テムズ川とタワーブリッジを眺めながらのガラス・ドームが素敵なレストランCOPPAは、ロンドン観光や記念日にぴったり!運が良ければタワーブリッジの開閉も見ることができますし(☆【英国のなかのロシア】タワーブリッジで開運祈願!海運でロシアから届いたものは?)、行き交うボートやロンドン橋まで散策したりしてのんびり過ごします。そして日が暮れる頃・・・再びロンドン塔へ。
△予約制で鍵のセレモニーを見ることができます。今日まで毎日続けられてきた儀式としては世界最古の歴史を誇ります。9時53分、赤い制服姿のヨーマン・ワーダーたちがランタンを手にやってきてセレモニーが始まります。”Halt! Who comes there?” “The Keys!” “Who’s Keys?” “Queen Elizabeth’s Keys!” 宵闇のなか力強い声が響きます。700年以上も続けられてきた英国らしいセレモニー、テムズ川の向こうの夜景、そして降り出した雨。
旅行でははずせない目玉の観光地は、暮らしていると逆に、いつかいつかと思いながらなかなか足を運ぶ機会のないもので・・・ロンドン観光を楽しんだ一日でした。
そういえば、3年間のモスクワ暮らしのなかでも、クレムリンを訪れたのは日本からの友人を案内しながらの1回きりでした。どちらもそう、国の中心にある世界遺産の城塞のなかで、君主たちが紡いできた長い歴史にふれて、武器庫の宝飾品に圧倒され、大砲や教会、衛兵の交替式をみて・・・