ロンドンから電車でおよそ1時間半、陶器の町ストーク=オン=トレント(Stoke on Trent)へやってきました。英国最大の陶磁器メーカーであるウェッジウッド(Wedgewood)の工場やミュージアムを訪れ、ティールームでアフタヌーンティーを楽しんだ後は(→ワールド・オブ・ウェッジウッドで工場見学&アフタヌーンティー【英国のなかのロシア】【イギリス国内旅】)、帰りの列車の時間までいくつかの陶磁器ブランドのショップをまわりました。
【スポード(Spode)】
△1770年創業のスポードは、1806年にジョージ4世よりロイヤル・ワラントを授与された王室御用達ブランドです。ヘリテージセンターでは、スポードの歴史や製造工程、作品が展示されているほか、工場直営のショップやちいさなカフェも併設されていました。
△スポード創立者はジョサイア・スポード1世。そう、なんとストーク=オン=トレントには1759年に『ウェッジウッド』を創設したジョサイア・ウェッジウッドのほかに、もうひとり天才ジョサイアがいたんですね・・・!
△スポードは銅板転写による下絵付けの技法を開発しました。また現代も使われているようなボーン・チャイナ(Bone China)と呼ばれる薄くても強度の強い乳白色の美しい陶磁器を完成させました。
△1816年に発表されたイタリアの風景をモチーフとした『ブルー・イタリアン』は、スポードを代表するシリーズとして愛され続けてきました。食器の縁には東洋風のモチーフが描かれているので、西洋と東洋が融合した不思議な魅力があり、日本でもとても人気があります。
たとえばデンマークのロイヤルコペンハーゲンやオランダのロイヤルデルフト、そしてロシアのグジェリ焼きのように、世界中にはたくさんのブルー&ホワイトの魅力的な食器がありますね。(☆【コバルトブルーと白の世界!グジェリ】〜まとめ〜)
△さて、もうひとつ、スポードの人気シリーズに『クリスマス』があります。ちょうどクリスマスシーズンでしたので、たくさんのクリスマスをテーマにした絵皿が、工場直営店ならではの破格の値段で売られていました。私がスポードを知ったのも、F&Mのクリスマス・テーブルセッティングでした。
△ブルー&ホワイトにしようと思っていたのですが、一目惚れして購入してしまったのは1840年のLATE SPODE『Copeland&Garrett Bologna』
△こちらはスポードではなく、1883年創業の『Jonson Bros』社の『Christmas Old Britain Castles』で、ショップの一角で見つけました。「イギリスでもっとも大切にされている行事はクリスマスだから、イギリスの記念に・・・」クリスマスのものって毎年クリスマスシーズンしか使うことが出来ないのに、心惹かれてつい増えていってしまいます。
△そして、こちらはスポードの『クリスマス』(下)。上の2つは日本にいる頃からずっと使っているお気に入りのnikko hotelのものなんですが・・・まるでセットみたい!?
【エマ・ブリッジウォーター(Emma Bridgewater)】
続いてやってきたのは、エマ・ブリッジウォーターです。エマさんが愛するお母様のバースデープレゼントとして作った陶器がもとになり、1985年に創業しました。普段使いに嬉しい使い心地の良さとハッピーな雰囲気は、エマさんの想いからきているんですね。
△この水玉(ポルカドット)とマグカップの形が特徴!
△やさしく柔らかい模様の雰囲気が魅力ですが、スポンジ製のハンコでぽんぽんと柄をつけていくそうです。エマ・ブリッジウォーターのマグとの出会いは、実はサーカスでした。(☆伝統的なイギリスのサーカスGIFFORDSへ!イギリスとロシアのサーカスあれこれ)
△動物や植物などを繊細なタッチで描いたシリーズも人気。
紅茶大国イギリスではいつもティーカップを使っているのかしら?と思っていたのですが、ミルクティーをたっぷり飲むイギリス人の普段使いはマグカップ!友人宅にお邪魔するたびに、「紅茶を一杯いかが?」と勧められ、マグカップに並々と湯気をたてた美味しい紅茶が出てきます。なかでもエマ・ブリッジウォーターのマグの使い心地は抜群です。
△期間限定マグやスペシャルなコラボ商品などもあり、コレクションしている方も。ロンドン・モチーフのマグは旅の記念にぴったり!
△カフェやギフト・ショップ、そして
△アウトレット・ショップも。
△新型コロナの影響でファクトリーツアーは開催されていませんでしたが、絵付けのワークショップが開催されていました。
今回はウェッジウッドをメインに、スポードとエマ・ブリッジウォーターを回りましたが、バーレイやムーンクラフトなど・・・まだまだたくさんの陶磁器ブランドの工房やショップがあります。どこもファクトリツアーやポッタリー&絵付け体験、そして魅力的なカフェとショップがあるので、食器をめぐるストーク=オン=トレント旅では、どこで何をしようか悩んでしまいますね。