(2021.06)緑豊かなハムステッド・ヒースの隣にイギリスらしい煉瓦造りの閑静な住宅街が広がり、迷い込みたくなる素敵な路地裏を抜けると、雰囲気の良い隠れ家レストランに出会えるハムステッド。映画『ロンドン、人生はじめます(英:Hampstead 露:Хэмпстед )』の舞台にもなっています。
△ダイアン・キートン(Diane Keaton)&ブレンダン・グリーソン(Brendan Gleeson)主演の大人のラブ・ストーリー!実際にハムステッド・ヒースの小屋で暮らし、その土地を裁判で勝ち取って一夜にして億万長者となったHenry Harry Hallowsの実話に基づく物語で、主人公エミリーは、ハムステッド・ヒースの自然のなかで創造力を働かせて自給自足の生活を送るドナルドと出逢い、自分にとって豊かに生きるととはどういうことか考えはじめます。
△オープニングに登場するケンウッド・ハウス。見晴らしのよいParliament Hillでは、凧揚げしたりサッカーしたり、お誕生会したり・・・。☆【英国のなかのロシア】奴隷制廃止のきっかけは褐色の肌の伯爵令嬢!?プーシキンの孫も暮らしたケンウッド・ハウス)
△ハイゲート墓地、東園のマルクスのお墓で初めて会話するふたり。マルクスとドナルド、少し似てますね。西園でピクニックするシーンが大好き!ロセッティの妻の話には、驚きました・・・☆【英国のなかのロシア】西にマルクス、東にリトビネンコ!彫刻庭園のようなハイゲート墓地
△エミリーがコーヒーを買う赤い電話ボックスのコーヒースタンドや、ボランティアで働いているチャリティ・ショップOXFAM。通勤途中の風景も・・・
△路地裏の素敵なレストランVilla Biancaでお食事するシーンがありました。
△パブThe Holly Bushをはじめ、ハムステッドの街角が・・・
△ハムステッド
△エミリーの自宅。イギリスでは昔ながらの古い邸宅をお手入れしながら大切に使っています。突然のスコールのような大雨で雨漏りする屋根も含めて・・・イギリス生活!エミリーはこの家の屋根裏からバー&ストラウド(Barr&Stroud)の双眼鏡で覗いた美しいハムステッド・ヒースの緑の森のなかに、偶然ドナルドの家を見つけたのでした。
△映画のように、道路を渡ってすぐヒースへの小道が。都会の公園・・・と思って足を踏み入れると、こんなふうにあっという間に森のなかへ。Googleマップを、と思っても電波も届かない!?なんて場所もありますから、御用心!
誘われればそれなりのレストランへ足を運び、なんとなくチャリティショップでのボランティアで活動して時間をつかい、周りと価値観を合わせながらマンションの奥様方と集まって、空虚感を感じながら周りが望むような姿を演じつつ都会で生活してきたエミリーと、ヒースの池で水浴びし、魚を釣って、林檎や木の実を拾い、きのこやベリーを採って、家庭菜園で野菜を育て、一人で読書を楽しみ、自分はこうでなければと自らを律しながら生きてきたドナルド。すぐ隣で真逆の生活をおくる二人が出逢い、それぞれの人生のなかで怖くて目を背け避けてしまっていたことを見つめ直して、支え合いながら少しずつ前に進んでいきます。
その一歩として赤い二階建てバスに乗り、ロンドン中心部を歩く二人のシーンも楽しいです。美術を学んでいたエミリーに連れられて大英博物館へも。☆【イギリスの博物館】世界中からコレクションした宝箱!大英博物館
そして、再び、ハムステッド・ヒース行きバスに乗って・・・今日もこのハムステッドの街のどこかでこんなラブストーリーが紡がれているのかも、手を繋いで歩く素敵な二人に出逢うたびに、そんな風に感じてしまう映画です。