【ヴァイオリン備忘録】ロシアの音楽教育と音楽学校

2019-11-22

子連れでモスクワ生活をしてみて、初めてロシアの教育に触れました。ロシアでは、начальная школа(1~4年生)→средняя школа(5〜9年生)→старшая школа(10~11年生)が義務教育になっています。9年生を卒業後、старшая школаの代わりに、さらに職業に専門性のあるколледжやучилищеなどに進む子どももいて、こちらは3年のカリキュラムが多いようでます。

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たとえば音楽分野では、モスクワ音楽院付属中央音楽学校(写真・左)とグネーシン音楽学校(写真・右)が2大学校として有名です。こちらは、まだ小学校へ上がる前の年齢(楽器を手にする前)から試験があり、ロシア全土から集まった音楽に興味のある子どもたちのなかから音楽的才能をみる選抜が行われます。入学すると音楽を中心に学べる環境のなかで英才教育を受けながら通常の学校のカリキュラムも受けることが出来ます。(関連ブログ☆【ヴァイオリン備忘録】チャイコフスキー記念モスクワ音楽院付属中央音楽学校 ☆【ヴァイオリン備忘録】グネーシン記念音楽学校・大学

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それだけでなく、ロシアでは、普通の小学校のあとに、音楽や美術、バレエやスポーツなどを専門に学ぶための“第2の学校”に通っているお子様も多くいらっしゃいます。日本では学校の後は部活動、あるいは塾や習いごとというのが一般的ですが、ロシアでは塾通いはほとんど聞いたことがありません。そして、日本のように、週1〜2で曜日ごとにさまざまな習い事をするスタイル(たとえば、月曜日はピアノ、火曜日はプール、水曜日は塾・・・)で幅広く教養を深め可能性を探る教育よりも、第2の学校で何かにひとつの分野にじっくり取り組むことを通して教養を育んでいるような印象を受けます。

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△音楽の子ども芸術学校。各地区に伝統のある国立の学校があるほか、最近は都心部では私立の学校(さらに専門的な分野に特化していたり、子どもから大人まで対象としていたり)も見かけます。国立なので授業料は定額で、けれども驚くほどの充実した教育プログラムが用意されています。

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たとえばこちらのモスクワの子ども音楽学校では、そのお子様にあわせて毎日1〜3時間の時間割が組まれています。専門の楽器ヴァイオリンの個人レッスン(週2回・各45分)以外に、アンサンブル(週2各90分)やソルフェージュ(週1回・90分。先生によってмузыкальная литератураを加え、作曲家やその作品、有名なオペラなどを学んだりするそうです)、合唱(週1回・45分)、ピアノ(週1回・20分)などの授業もあります。そのため、月〜土曜日はほぼ毎日、放課後にこの学校に来て過ごしているそうです。

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△学校にはホールもあり、週1回の伴奏者と合わせる練習のほか、アンサンブルやリハーサル、コンサートに使われます。

試験は年に4回あり、10月、12月、2月、5月。試験内容は、音階とエチュード2曲、あるいは協奏曲です。小さな学内コンサートもあれば、ほかの音楽学校やモスクワ市のさまざまなコンサートやマスタークラスに招かれて演奏したり、学内選抜→地区予選→モスクワ市とコンクールに出場したりもします。

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△授業の合間には、自動販売機でお菓子を買ったり、近所に住んでいる場合は家で夕飯を食べて戻ってきたり、自習室で学校の宿題や練習をしたり、夏には外を散歩して気分転換したり・・・。お友だちのなかには、さらに語学やスポーツを週1〜2で習っている子も。(息子のヴァイオリン仲間には、音楽学校に加えてモスクワで人気の日本語や空手を習っている子も!) 

日本スタイルのお稽古ごとに慣れていた私にとっては、まさに戸惑いと衝撃の連続!!けれども、息子は最初のレッスンからこのロシア人の先生やレッスンが気に入ったようで、絶対にこの先生のもとで学びたいとはっきりと宣言。家でのお稽古はいつも気が進まなくても、レッスンへ行きたくない日はありません。“私たちは音楽の家族よ”と先生はいつもおっしゃるのですが、先生と教え子たちとの絆も強くて、外国人の私たちにも家族のように心を開き、家に招き入れ、演奏のみならず人間としての部分(人生や生活など)についても本気で叱り、心配し、抱きしめ、キスしてくれます。

ロシア人の先生と、ロシアの音楽教育に触れ、ロシアの子どもたちと共に笑ったり泣いたりして成長しながらアンサンブルで演奏出来る毎日こそ、ロシア生活の宝物だなと息子に感謝しています。