夏休み前は卒業シーズン!? 前編 〜9月始まりのロシア式スクールライフ〜

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6月、日本の子どもたちは1学期を終え、夏休みに向けて勉強と遊びの計画を立て始める季節。

一方、ロシアでは6〜7月は学校生活の一区切りの時期。欧米と同様に9月に新学期が始まるため、長い夏休みを前に、学年末、そして卒業式をむかえます。日本とは異なる年間サイクルのなかで、子どもたちは春から夏へと移っていきます。(関連 ロシアの子どもたちの音楽教育をのぞいてみよう〜ロシアの新星コンサート2024特集!

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△ロシアの四季の移り変わりや旬の食べ物を知ることが出来るスーパーマーケットの広告チェックは、生活の楽しみのひとつ!5月号にはよく、卒業式のテーブルに並ぶごちそうやパーティメニューが紹介されていました。

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入学式は「最初の鐘」、卒業式は「最後の鐘」

ロシアの入学式では、「最初の鐘」という伝統的なセレモニーがあります。

息子が通っていた学校でも、立派に成長した頼もしい最上級生が、まだ幼さの残る初々しい新入生の女の子と手を繋いで、全校生徒のまわりを1周しました。お兄さんに手を引かれながら一歩ずつ歩く姿に、見ているこちらも胸が熱くなったものでした。この「最初の鐘」は、ロシアの子どもたちにとって学びの始まりを告げる特別な瞬間です。

一方、学年末や卒業式では「最後の鐘」が鳴らされます。これは新たな人生の節目を象徴する儀式で、1年間の努力を讃え、未来へ向けたエールのようにも感じられます。

また、日本の卒業式には桜がつきものですが、ロシアでは5〜6月にライラックが満開を迎えます。卒業式の広告やパーティメニューの案内にも、香り高いライラックが描かれていて、まさにロシアらしい季節の彩りです。(関連 ライラック)

卒業パーティでは、子どもたちが先生に花束や贈り物を渡し、学びの締めくくりに感謝を伝えます。

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△こちらは同じスーパーの9月の広告です。ロシアの新学期は「勉強の秋」という雰囲気ですね。「最初の鐘」を鳴らすので、新学期を象徴するモチーフとして鐘も描かれています。

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△9月の新学期、学校の黒板にチョークで書かれていた可愛らしい絵。先生たちから「たくさんの新しい知識を得て、素晴らしい一年にしましょう!」のメッセージが添えられていました。

花束を手に、先生へ「ありがとう」を届ける日々

ロシアの学校では、大切な日に子どもたちが先生へ花束やプレゼントを贈る習慣があります。9月1日の「知識の日(День знаний)」や、10月5日の「教師の日」はその代表例。

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△9月1日は 「知識の日(День знаний)」とも呼ばれています。

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△スーパーの広告の表紙に特集された「教師の日」

子どもたちはきちんとした服を着て登校(女の子はよく、頭にふわふわの大きな白いリボンをつけます)。そして、先生へ感謝の気持ちを込めた花やプレゼントを手渡します。これは日本にはあまり見られない光景ですが、こどもたちやその保護者から先生たちへ、さらに教育への敬意を社会全体で表しているように思えます。

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△世界的に人気のロシア人子役モデル、アナスタシヤ・クニャゼワちゃんもInstagram(@knyazeva_anastasiya_official)でも、「教師の日」の様子が紹介されていました。

このように「教師の日」以外にも、ロシアには職業を祝う日が決められていて、「宇宙飛行士の日」などは特に盛大に祝われます。国営国際ラジオに勤務していたときには、5月7日のラジオの日は、社長が各部屋を周り皆に挨拶や差し入れをしてくださったり、局内みんなでおめでとう!を言い合ってミニパーティをしたりして祝っていました。消防士の日、エコノミストの日、警察官の日、法律家の日・・・ほかにもたくさんあります。

「新しい1年を迎える喜び」や「先生への感謝」、「学びへの敬意」――こうした気持ちは、国や文化を越えて響き合うものでしょう。

後編では、ロシアの文房具やノートの違いから見えてくる、「学びの道具たち」の文化をご紹介します。

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