2021年夏、今年はついに、ロイヤル・アルバート・ホールで、クラシックの祭典プロムス(Proms)が開催されています。
△メイン会場となるロイヤルアルバートホール
エントランスを入ると両脇で、ヴィクトリア女王とアルバート公の大きな肖像画が迎えてくれます。
建物内には、ホールの歴史のなかで記念すべき瞬間が紹介されています。
△アインシュタインが演説
△ジョン・レノンとオノ・ヨーコのこのよく知られた1枚も、アルバートホールでのものだったんですね。
△ピカソがプログラムを手掛けたもの
名物のマッシュルーム!
会場はクラシックの祭典とのことで、クラシック音楽を楽しもうと集まってきたたくさんの人々で賑わっていました。コンサートやコンクールとはまた違い、素敵なクラシック音楽で夏の宵を満喫!というムード。この夜は、せっかくなのでロシアなプログラムを選びました。セミョン・ブィチコフ(英:Semyon Buchkov 露:Семён Маевич Бычков)指揮のBBC交響楽団によるベートーヴェン (Overture ”Coriolan”)ではじまり、ロシアのヴォロネジ出身ピアニストのキリル・ゲルシュテイン(英:Kirill Gerstein 露:Кирилл Леонидович Герштейн)をソリストに迎えて、シューマンのピアノコンチェルト(Piano Concerto in A minor)、休憩を挟んで、メンデルスゾーンのシンフォニー“スコティッシュ“です。英国であの美しいスコティッシュのメロディーを聴けるなんて感激・・・!
キリル・ゲルシュテインは、ジャズミュージシャンとの出会いが大きなきっかけとなってアメリカでジャズとクラシックのピアノを学んだピアニストだけに、場の空気をつかんで、ステージと会場の中心でピアノを演奏しながら全体の空気感をミックスするのがとても上手。まるでジャズのセッションのように、見せ場ではスポットライトが当たっているように感じましたし、なんだかその場で即興で楽しんで生み出したメロディーであるかのように、内側から溢れ出てくる音楽に感じました。アンコールまで大盛り上がり!
そしてメンデルスゾーンがイギリスを訪れ、友人と旅したスコットランドの大地からインスピレーションを得て作曲された交響曲、通称スコティッシュは、その荒涼とした大地に吹き荒ぶ風、そこにしっかりと根を張る力強い緑と透き通る水・・・メンデルスゾーンのまろやかな旋律に誘われて自然豊かなスコットランドへますます行ってみたくなりました。
ロンドン交響楽団の指揮者を務めるセミョン・ブィチコフは、ソ連時代のレニングラード(サンクト・ペテルブルク)出身で、レニングラード音楽院で学び、20歳ではじめて、音楽院のホールで音楽院のオーケストラとともに指揮者として舞台に立ちました(作品は『エヴゲーニー・オネーギン』だったそう)。1973年ラフマニノフ記念指揮者コンクールで受賞し、レニングラード交響楽団の指揮者として声がかかりますが、その後アメリカへ亡命して現在まで活動を続けています。BBC交響楽団では2013年からthe Günter Wand Conducting Chairを務めています。ぜひラフマニノフなどロシア音楽などを指揮するステージも聴いてみたいです。
ロシアだから聴ける演奏もありますし、ロシア以外の国で聴くことが出来るロシアゆかりの演奏家やロシアの音楽もありますね。イギリスで夏のプロムスを聴きに行ってみたい!というのは夢のひとつでした。ロシアでも、4年に1度のチャイコフスキーコンクールを聴きに行ってみたいというのは夢でした。ちょうど前回は開催年にモスクワにいることができて予選を聴くことが出来ましたが・・・なんと決勝とガラコンサートの日が日露交流年の閉会式と重なってしまい・・・G7開催中の大阪へ行くことになってしまいました。(【日露交流年】閉会式記念コンサート&クロージング・レセプション)こういう大事なイベントって、なぜか重なってしまうものですよね。
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