たくさんの見どころがあり、いつもたくさんの人が集まっているグリニッジ(Greenwich)。最盛期の大英帝国が、中国から紅茶を運ぶために使っていた快速帆船(ティー・クリッパー)のなかで唯一美しい形で現存しているカティーサーク(Cutty Sark)号は、なかに入って展示を見ることができる博物館になっています。
およそ150年前にスコットランドの町Dumbartonで、世界一速い船を作るためにJohn Willisが大金を投じて完成させました。スエズ運河が完成し、蒸気船が全盛になるまでの間活躍しました。2007年の火事の被害にあいましたが、船の約90%が無事に残ったことは不幸中の幸いでした。
△積荷の茶箱が詰まっていた船底も展示室に・・・!
△漢字や東洋柄がなんともエキゾチックな茶箱(tea chest)
△美しい茶箱を再現し、そこに貿易の歴史が紹介されているのがとても気に入りました。まさに巨大なティーポット!
△Richard Woodget船長は当時の記録を破り、オーストラリアーロンドン間を73日で航海したのだそう。カティーサークはオーストラリアからメリノウールも運んでいました。クリスマス・ジャンパーの季節はもちろん、暖かなセーターに今も大活躍するメリノウール。
△テムズ川へ向かって・・・まるで海の上にいるよう。
当時の船員たちの生活も覗き見ることができます。
△豆のスープや塩味の肉、ポテトパイなどが出されていたそうです。
△カティーサーク号のカフェでいただく紅茶はまた格別⁉︎
△「カティーサーク」は、スコッチウイスキーの銘柄にもなっています。
△カティーサークというのは古いスコットランドの言葉で、ロバート・バンズの詩に登場する妖精が身につけていた布を意味するのだそう。船首にもこの妖精をイメージした像がついています(中央上)。船首のモチーフはその船の個性でありとても大切にされていて、無事に航海して乗組員を故郷へ運んでくれるよう祈りがこめられています。
さて、ロシアでも貴重な船の中が博物館になっている場所、ムールマンスクにある世界初の原子力砕氷船レーニン号を訪れました。