先日NHKBSプレミアムで放送された映画
「デルス・ウザーラ(Дерсу Узала)」
(1975年・アカデミー賞外国語映画賞&モスクワ映画祭金賞)
あの黒澤明監督による日ソ合作映画です。
第1部、お金があれば便利に暮らせる文明的な都会生活よりも、
猟師として自然のなかで生き続けることを選択するデルス。
隊長とデルスの別れのシーン・・・
「カピターン(隊長)!」
「デルスー!」に号泣。
第2部、森の中で再会し友情を確かめ合うデルスと隊長・・・
語り合う二人を温かく見守りながら
ぽろろんと奏でるバラライカ(ロシアの民族弦楽器)に合わせて歌う隊員たちに、
またまた涙。
年老いて家族を失い一人身のデルスを気遣い「私の家は君の家だ」と
ハバロフスクの自宅へ招く隊長の優しさに、やっぱり涙。
銃は撃てない、テント野宿はできない、河に満ちている水をお金で買う・・・
街での暮らしに馴染めずついに森へ帰ることを選択するデルスに、
せめてもの贈り物として目が悪くても照準を合わせられる
最新式の銃を手渡す隊長。
でも皮肉なことにその銃がもとで・・・
ラストで静かにしんしんと降り積もる雪に、はらはらとこぼれる涙・・・
白い雪に緑の森、シベリアの広大で美しい自然を舞台に描かれる、二人の友情。
見えるものも、見えないものも、この映画に映っている
すべての原始的な力強い美しさに涙、涙、涙の感動大作です。