新しい国で生活する時に、その国を知るために、そしてもっと好きになるために、その国が舞台の本を読んだり映画を観たりするといいわよとアドバイス頂いて、いつもそうするようにしています。新型コロナウイルスの感染防止のために、ロシアで経験したロックダウンでは、ついにトルストイの『戦争と平和』の世界を堪能しました。(【ロシアナの本棚】【ロシアナ映画館】本格ソヴィエト派?現代イギリス派?それとも王道ハリウッド派?『戦争と平和(Война и мир)』)あまりの長編に、なかなか一歩を踏み出せずにいましたが、いざ飛び込むちすっかり夢中になってしまいました。
さて、英国で経験するロックダウンでは・・・ドラマ『ザ・クラウン(The Crown)』の世界へ。ピーター・モーガン原作・脚本による、イギリス&アメリカ合作のNetFlixテレビドラマシリーズです。
英国女王エリザベス2世の生涯を描いた大河ドラマシリーズです。英国に来て、ロシアとも日本とも最も違うと感じるのは、やはり英国が立憲君主制の国で、世界に対しても国民の間でも、英国を象徴する存在として女王が君臨しているということです。英国王室御用達の証であるロイヤル・ワラントの商品にも興味を持ってしまいます。
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なかでも2020年に94歳のお誕生日を迎えられ、イギリス史上最長在位の君主となっているエリザベス女王の凛々しく品のある美しさと圧倒的な存在感は、こんなにも王冠がふさわしい方がいらっしゃるかしらと思わせます。そんな現在も王位にいらっしゃる女王を主人公に、娘として妻として母として、そして女王として、知られざる英国王室の世界がドラマに描かれるなんて“事実をもとにしたフィクション”とはいえ衝撃的です。
父である国王ジョージ6世との絆、フィリップ殿下との出会いと新婚時代、そして戴冠式を経て女王として、ウィンストン・チャーチル首相からマーガレット・サッチャー首相まで戦後間もない1952年から現在までの激動の英国を舞台に時を重ねていきます。ダイアナ妃の結婚式のドレスに本物を忠実に再現されたドレスが使用されたり、バッキンガム宮殿が再現されたり、ウィリアム皇太子の戴冠式で実際の場所が使われたり。迫力のある美しい映像にも虜になります。英国を代表する俳優たちの演技も素晴らしく、本物そっくりにかつ人間味溢れる描かれ方に驚きます。
エリザベス女王もこのドラマを楽しまれたという噂もあるほど・・・ここから少しずつ時間をかけて英国王室の歴史を紐解いていきたいですし、ロックダウンがあけたらバッキンガム宮殿をはじめドラマにまつわる場所も改めて訪れてみたいと思っています。
ちなみに、ロシア関連では、女王がガリーナ・ウラノワの踊るジゼルをロイヤル・バレエに観に行くシーンがあったり、スエズ運河を巡ってのエジプト、イギリスそしてソ連の関係なども描かれています。