皆様、明けましておめでとうございます。今年のロシア文化フェスティバル IN JAPANもどうぞよろしくお願い申し上げます。
さっそくですが、長塚英雄 日本組織委員会事務局長に、2016年の展望をお話頂きましょう。
―新年おめでとうございます。まずは2016年に際しての抱負をお聞かせ下さい。
長塚――日本、ロシア、日ロ関係をめぐる国際情勢も複雑で厳しいものがありますが、「日本におけるロシア文化フェスティバル」はさまざまな情勢の影響をうけつつ、10周年を迎えることが出来ました。あわせて、1956年の日ロ国交回復60周年、ソ連崩壊から新生ロシア誕生25周年でもありますので、両国政府・自治体・各界の皆様とともに、大勢の市民の皆様とともに、心に響く芸術の楽しいひとときを過ごしたいと存じます。
-めまぐるしい国際情勢のなかで、ロシア文化フェスティバルにも少なからぬ影響があると思いますが。
長塚――ご承知のように、イスラム国(IS)の非人道的なテロと軍事行動、サウジアラビアとイランをめぐる危険な中東情勢、地球温暖化によるさまざまな自然災害、改善されない貧困・飢餓・貧富の格差拡大など地球上の諸問題は渦を巻いています。ロシアは原油安、ウクライナ問題対ロ制裁、ルーブル下落で財務省は困難に直面しています。そのような状況下で各国でも開催されていたロシア文化フェスティバルはほとんどがなくなりました。日本は、昨年、引き族き「2017-2021開催協定」を両国代表により調印され継続を宣言することができました。こうした文化交流の努力が世界平和と日ロ両国の懸案解決・関係発展に実る事を祈念するばかりです。双方の関係者は国家予算だけでなく、企業の文化支援をお願いし、ガスプロム銀行、ショジエフ国際財団などの協力を得てきました。ロシアに進出する日本企業の参加もお願いします。
-昨年までのフェスティバルについてはいかがでしたか。
長塚――2005年の準備期間を経て、2006年にスタートし2015年までの10年間に1320万1900名がフェスティバルの行事にご参加いただきました。昨年は40都道府県92市区町村で開催され、来日したロシア人芸術家・専門家は898名にのぼりました。来日したロシア人芸術家が多かったのはバレエ団やオーケストラが多かったからです。これまで、両国首脳からたびたび祝賀メッセージがよせられましたし、皇后陛下美智子さま、皇太子殿下徳仁さま・愛子内親王殿下、高円宮妃久子殿下もご出席され鑑賞いただきましたことを大変嬉しく思います。
10年間継続できた要因は、政府外務省の指導、京都・大阪・新潟・北海道(函館)など地方自治体の協力、ロシア芸術家を招聘する企業・団体・個人の参加と尽力があげられます。
もちろん、ロシア政府文化省・財務省・外務省、ロシア文化フェスティバルロシア組織委員会、ロ日協会、INARTEXなどロシア側の尽力が大きいことはいうまでもありません。
―注目の2016年のオープニングはどのような形でおこなわれるのでしょうか。
長塚――ことしのオープニングは、6・7月におこなわれます。オープニングの行事として、ワジム・レーピンとスヴェトラーナ・ザハロワを中心とするシベリア芸術祭、ボリショイサーカス(7月16日=東京体育館)、国立モスクワ音楽院創設150周年記念・モスクワ音楽院室内合唱団招聘によるロシア音楽祭(7月23日=新宿文化センター)、そして記念レセプション(6月18日=駐日ロシア大使館ホール)の4本を挙行します。シベリア芸術祭は、6月17日(金)サントリーホールで開催され、すでに、S・E・ナルイシキン国家院議長を団長とするロシア政府代表団が6月16日に来日することが決定されています。
-毎年たくさんの芸術プログラムを用意して楽しませてくださいますが、今後とも健康に留意され活躍されます事をお祈りいたします。
長塚――ありがとうございます。ロシア経済の回復、日ロ関係の前進を願いながら、①すぐれたロシア芸術の紹介、②昨年のようなロシアバレエと日本舞踊のコラボにみる創作、そして③市民参加の行事、を基調に明るく楽しく推し進めたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻をお願いします。
また、2016年のロシア文化フェスティバル IN JAPAN日本組織委員長には、自由民主党の副総裁であり元外務大臣の高村正彦氏が就任することが発表されました。高村氏は1月10日〜13日までロシアに滞在し、セルゲイ・ラヴロフ ロシア外相およびロシア文化フェスティバル IN JAPANロシア組織委員会委員長でもあるセルゲイ・ナルイシュキン国家院議長と懇談。両氏から就任に関してお祝いの言葉を頂いたそうです。ロシアのクラシック音楽の愛好家としても知られ、夫人と共に様々なコンサートに足を運んでいる高村氏はまた、日ロ友好議員連盟会長を務めており、2014年には日露武道交流年の枠内で、団長としてモスクワを訪問しています。
公式プログラムの発表は2月1日を予定していますのでご期待下さい!