(ロシア文化フェスティバルblogより)
夏休みにぴったりなモスクワ旅行気分をお楽しみいただけるブログをお届けしています。先日開催された『新生ロシア30周年写真展』でも特集しましたモスクワの市場を歩いてみましょう!(関連ブログ【モスクワ通信】新生ロシア連邦の誕生から30年・・・モスクワの10年をプレイバック!)
モスクワではここ数年、昔ながらの市場をリニューアルして、お買い物だけでなくイートインを充実させたフード・テーマパーク風のお洒落な市場が増えています。各国料理が軒を連ね、食で世界一周旅行気分が味わえたり、ここでしかいただけないような新しい食に出会えたり、海の遠いモスクワですが新鮮な生牡蠣や日本人の舌をもうならせるお寿司が食べられたりもします。
【ウサチョフスキー市場(Усачевский рынок)】
△まるでフランスのマルシェ?お洒落な雰囲気の外観。コロナ前には観光バスもつぎつぎにやってきてツアー客にも大人気でした。
△色彩やかでみずみずしい野菜やフルーツ、新鮮な乳製品に卵、ロシアや旧ソ連諸国のおふくろの味などお惣菜コーナーも充実していて、つい味見をすすめられて試しているうちにあれもこれもと欲しくなってしまいます。
△スーパーマンゴーにココナツの果実にストローをさしたエキゾチックなジュース、懐かしのロシアの夏の風物詩クワス(黒パンを発酵させた炭酸飲料)など、喉が乾いたら飲み物片手に市場を散策。
さて、こちらのУсачевский рынок(ウサチョフスキー市場)はフードコートが充実していることも人気の理由です。
お肉屋さんのハンバーガー、ピザ、ムール貝などの海鮮、ラーメン・・・美味しい匂いでいっぱいです!
そのなかでも、モスクワ在住日本人の舌を喜ばせているのが・・・お寿司屋さんです。
△市場で頂けるお寿司だなんて、ちょっぴり築地気分!?
寿司(СУШИ)は、ハマチ(1貫190ルーブル)、まぐろ(190ルーブル)、うなぎ(170ルーブル)、サーモン・甘エビ・ほたて・たこ(各1貫160ルーブル)。ロール寿司(РОЛЛЫ)は、鉄火巻き(260ルーブル)以外に、ハマチやサーモン、えび、うなぎ、きゅうり、アボカド、おしんこがありました。海が遠いモスクワですが、ネタも新鮮!
△店頭には牡蠣がずらり!白ワイン片手に生牡蠣も楽しめるそう。なんと岩手産もありますね!
カウンターにはロシア人がずらり。上手にお箸を使い美味しそうにお寿司を召し上がっています。厨房に日本人はいなかったのですが、アジア系の方がてきぱきと鮮やかにお寿司を握っていく様子はまるで日本のよう。
Усачевский рынок
住所:ул. Усачева, 26
【デポ(=ДЕПО)】
△つづいてこちらは、2019年にオープンして以来、都心部で流行に敏感なモスクワっ子を虜にしているフード・テーマパーク=ДЕПО(デポ)。赤レンガ造りの可愛らしい外観。
△テーマは車庫!なかには乗り物がたくさんディスプレイされています。
フードコートの周りには、140もの各国料理の屋台が。ジョージア、ウズベキスタン、モロッコ、イスラエル、ギリシャ、イタリア、韓国、中国、ベトナム、そしてロシアのスープとラーメンを合わせた“ボルシチ・ラーメン”で話題の日本のクウなど世界各国の料理が選べるフードコートは、ヨーロッパ1の規模を誇っています。
△ちなみにこちらは2020年コロナ禍での様子。
△大切な方への気の利いた手土産にはもちろん、とっておきの日の自分へのご褒美にもぴったりな、目を引くスイーツもいっぱい!敷地内には話題のレストランや人気パティスリーも店を構えています。
△そしてなんと、こちらのカウンターからどの店のお料理も宅配してもらえるのも特徴です。モスクワでは、コロナ以前からフードデリバリー のサービスが充実していました。(関連【モスクワ通信】コロナ禍の新たな楽しみ方!インターネット・ミュージアム 「日本のなかのロシア」オープン!)
マスコミでは人気店ランキングが発表されたりとなにかと話題の場所です。
※ちなみに、本物のデポはこんな感じです。
Фудмолл ДЕПО(デポ)https://depomoscow.ru
住所:ул. Лесная, 20
【その他】
△ほかにも、劇場のような中央市場(Центральный рынок)やUFOのような形のダニーロフスキー市場(Даниловский рынок)など、おしゃれに生まれ変わった市場はいつもモスクワ市民に大人気。 冬には入り口脇に巨大なサモワール(ロシアの湯沸かし器)が設置され、熱々の紅茶をいただけたりもしてロシアの食を楽しめる工夫がみられるほか(関連☆モスクワ通信『サモワールとプリャニキの街トゥーラ(1)ロシアのお茶文化を訪ねて』)、回転扉を入ると、所狭しと並ぶレストランのなかには寿司ビストロTOKYO SUSHIというお店があったり、『日本のアイスクリームMOCHI』という薄い求肥の中にアイスクリームが入った日本の人気デザートや、日本のデパ地下にあってもおかしくない雰囲気の『Matcha WAY』という抹茶スイーツの専門店など、日本風の味も見つけることができました。
△一方、少し中心部を離れると、まだまだ懐かしの昔ながらの市場も残っており、今も地元の人たちに民に愛されています。そんな懐かしの市場のひとつプレオブラジェンスキー市場 Преображенский рынокは1932年に修道院の敷地内の僧居や慈恵院を移転させて開かれた市場。入口脇には当時の古い煉瓦作りの建物が残っていました。また、市場の隣には、1790年にプレオブラジェンスキー墓地の敷地内に建てられた聖堂もあり、教会で焼いたパンや手作りの素朴なピロシキ(キャベツ、りんご、魚)、焼きたて南瓜ケーキなどが売られていました。
△広い敷地内の屋外の青果コーナー。眺めているとすぐ「お嬢さん、どうぞ!」と試食させてくれます。たくさんのお店のなかで良いお店を選ぶコツは・・・なんといっても行列の長さ!昔ながらのサラミ屋さんでは、お野菜の入った“モザイク”を購入してみましたが絶品でした!
プレオブラジェンスキー市場 Преображенский рынок http://tkpreobr.ru
※清掃日以外の毎日朝8.00〜夏季(6〜9月)は20時、冬季は19時まで営業。(それぞれ休日祝日は1時間前まで)
その国の台所事情をのぞくことができる市場は、外国を訪れたらぜひおすすめしたいスポットですが、モスクワは昔ながらの市場と最新モードな市場の両方に足を運べば、より深くロシアを味わうことが出来そうです。