(ロシア文化フェスティバルblogより)
スターリン政権のソビエト連邦時代に建てられた、空を刺すような左右対象の「スターリン様式」の超高層ビル。第2次世界大戦後、1947年のモスクワ建都800周年には、偉大なる共産主義国家の模範的な首都にふさわしいモスクワになるよう計画を開始しました。結局、夢の計画のまま実現されることはなかった幻のソヴィエト大宮殿を囲むように、モスクワの7つの丘に7つの「スターリン様式」の建物が建築され、今も“セブン・シスターズ”と呼ばれています。今回のブログでは、このセブンシスターズの見どころをご紹介してから、幻のソヴィエト宮殿に挑んだあの建築家について、さらに旧ソ連圏の国にあるスターリン建築や現代のネオ・スターリン建築も追いかけてみましょう!
【ロモノーソフ名称モスクワ国立大学】
△ロモノーソフ名称モスクワ国立大学(Московский государственный университет имени М.В.Ломоносова )はセブン・シスターズのなかでも最も高い235m。本館の尖塔の先には星のモチーフを見ることができます。
△大学前の庭園には噴水が美しい池があり、その両脇には、ロシアが誇る学者たちの胸像が並びます。
△ロシア最高学府であるモスクワ大学の創設にも関わり、大学にも名を冠されているロモノーソフ(Михаил Васильевич Ломоносов)。ドモジェドヴォ国際空港にもロモノーソフの名が冠されています。博学者として知られ、国民的詩人プーシキンに“ロモノーソフは偉大な人物である。彼は最初の大学を創設したが、ロモノーソフ自身が我々の最初の大学だと言ったほうが良い”(Ломоносов был великий человек. Он создал первый университет. Он, лучше сказать, сам был первым нашим университетом)と称されていました。
△ほかにも哲学者ゲルツェン(Александр Иванович Герцен)、化学者メンデレーエフ(Дмитрий Иванович Менделеев )、“パヴロフの犬”の実験でも知られる生理学者パヴロフ(Иван Петрович Павлов)。(その他、自然科学者ティミリャゼフ、ロシア航空の父とも称される物理学者ジュコフスキー、生物学者ミチュリン、ラジオ(無線通信)の父とも称されている物理学者ポポフ、地質学者ドクチャエフ、革命家で文芸批評家チェルヌィシェフスキー、数学者ロバチェフスキー、数学者チェブィショフの像も見られます。)
△モスクワを一望できる雀が丘(旧称レーニン丘)の展望台へと続く広場。ここでは2018年、モスクワで初開催されたワールドカップのFAN FESTが設置され、大画面を前にみんなで応援しました。
Московский государственный университет имени М.В.Ломоносова
公式サイト:https://www.msu.ru
住所: ул. Ленинские Горы, 1, Москва
【芸術家アパート(コテーリニスカヤ河岸通りの高層アパート】
△バレリーナのガリーナ・ウラノワをはじめ、たくさんの偉人たちがここに住んでいたことを記す記念碑を見ることが出来ます。現在も住居として使用されており、セキュリティのために居住者以外は自由に出入りできない場所も多いため、なかにあるガリーナ・ウラノワの部屋博物館はスターリン建築の内部や部屋を実際に見ることができる貴重な博物館でもあります。(【モスクワの墓地】まるで彫刻の森美術館!著名人の眠るノヴォデヴィチ墓地)
△スターリン建築の建物とつづきの棟にある映画館イリュージオン Кинотеатр « Иллюзион»。1966年春に開館。話題作を多数公開する他の映画館とは一線を画し、豊富なアーカイヴから良質な映画を提供するプログラムも魅力的で、入場無料の映画も多いため映画通を喜ばせています。
△ロビーにあるカフェは、映画を観賞しない人でも自由に利用できます。
△(館内写真は公式サイトより)
Кинотеатр « Иллюзион» http://illuzion-cinema.ru/schedule/
住所:Котельническая наб., 1/15
△モスクワ川とヤウザ川の合流点にあるため、きらめく水面を滑るように目の前をたくさんのクルーズ船が行き交います。(モスクワ川のランチ&ディナークルーズ Radisson Royal Moscow Flotilla)
【ホテル「レニングラード」 現在:ヒルトン・モスクワ・レニングラーツカヤ・ホテル】
△星座の大時計と哀しい伝説のスユンビケ塔がエキゾチックなカザン駅、北の都へ向かうレニングラード駅、そしてシベリア鉄道の終点で民話の世界を思わせるロマンチックな外観のヤロスラヴリ駅の3つの鉄道駅が集まっているコムソモール広場に面して立っています。そのせいでしょうか、レニングラード・ホテルのロビーへ足を踏み入れると、この3つの駅のイメージがここでひとつに溶け合っているように感じます。
△コロナ禍では医療従事者の皆様へ部屋を提供していました。
【ロシア外務省】
△一部分修復中なので、白い石造りの建物はまるで頭に白い帽子をかぶっているよう
△2019年、外務省と大通りを挟んで向かい合うようにスモレンスカヤ広場に新しい銅像が設置されました。外務大臣としても手腕を振るったエヴゲニー・プリマコフ(Евгений Максимович Примаков)像です。ノヴォデヴィチ墓地ではお墓も見ることができます。(☆【モスクワの墓地】まるで彫刻の森美術館!著名人の眠るノヴォデヴィチ墓地)
→(下)へつづく