(ロシア文化フェスティバルblogより)
今年の1月18日から19日にかけての深夜に、ロシア正教の主の洗礼祭(Крещение)が行われました。ヨルダン川で預言者ヨハネがイエス・キリストに洗礼を施したことを祝う日です。敬虔なロシア正教徒たちは、極寒ロシアの川や湖、池などの氷を十字架の形に割った場所で沐浴し、十字を切りながら3度頭まで入って身を清めます。
△主の洗礼祭のイコン
モスクワでも60カ所以上で沐浴が出来る場所が用意され、新聞やインターネットで案内が出ていました。多くの場所では18日の18時〜19日18時まで開放され、自由に入水することが出来ると書いてありました。都心部では小さなプールのような人工的なものも多いのですが、こちらの池(Большой Садобный пруд)では3カ所用意されていました。
△まずはメイン会場。深夜から始まり、19日は一日中、沐浴に訪れる人が後を絶ちません。私たちが訪れた昼頃でも−7度。この時期は日本の大寒と同様、крещенские морозы(主の洗礼祭の極寒)と呼ばれ、モスクワでも最も冷え込む時期なのですが、この時期としてはやや暖かく、水温は−4度程度とのことでした。
△氷の十字架を前に、4つの沐浴場がありました。階段と手すりにもつららが下がります。
△わずか数分にも老若男女それぞれのドラマがあります。十字架のネックレスに祈り、静かに入水する女性。雄叫びをあげ気合いを入れて入っていく男性。監視員にスマホを渡し動画をとってもらう親子。「これは一種のスポーツみたいなものだよ!見てないで試してごらん!」と声をかけてくれた毎年常連の男性グループも。
終わるとタオルやバスローブを羽織り、入り口脇のテントのなかで着替えます。身体を温めてくれる飲み物や救護室も用意されていました。
△また、沐浴のあとで、大きな沐浴場へ移動して寒中水泳をしている方もいました。
△多くの人が訪れイベントの雰囲気の強いメイン会場から少し離れたところには、ひっそりと氷が割られた沐浴場も。
この日は清められた水に力が宿ると信じられており、教会へ聖水を頂きにいく信者の方も多いそうです。
△毎年プーチン大統領の沐浴の様子なども話題になります。
さて、お休みの日は、スキーやそり遊びを楽しむ人でいっぱい!
△ロシアの冬らしい一日になりました。