【今日のロシア】澤乃井 櫛かんざし美術館

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青梅からさらに都バスに乗って、吉野梅郷を通り、玉堂美術館へ。日本画の巨匠 川合玉堂が最期の10余年を過ごした青梅市御岳渓谷に昭和36年に建てられました。

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鳥の声に目覚め夕に虫の声をきき、山の端にかかる月の光を浴び四季折々の水の流れを楽しんだというお気に入りの画室。ときに宝石も粉にして使ったという岩絵の具や北大路魯山人による篆刻コレクション、陶芸家の息子との合作や俳句など玉堂先生を感じられる品も残されています。石庭に囲まれた展示室には15歳頃の写生から晩年の名作までが展示されていましたが、ちょうど梅の時期とあって、紅白梅の金屏風の美しいことといったら・・・!

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ここからさらに都バスで2駅ほどの場所に澤乃井 櫛かんざし美術館があります。江戸から昭和に至る約4000点の貴重な櫛やかんざし、紅板やはこせこなど装身小物のコレクションが四季折々に展示されています。

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かつて花の精を身につける信仰上の呪術具であった挿頭花(かさし)。金、銀、珊瑚、琥珀、象牙、べっ甲、ガラスなど素材そのものの美しさに、金工、漆工、透彫、蒔絵など細工の美しさが加わり、ちいさな櫛かんざしのなかに広がる花鳥風月・・・究極の日本美。そしてそれを組み合わせ、日本人の黒髪を彩り結い上げた髪型には夢物語がありその女性の生き方があり、まさにひとつの芸術作品でした。

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結い上げる様子、そしてその女性が生活するなかで揺れ動き、音や香りを発するものもあったという櫛かんざしの色香を想像するだけでうっとりします。

外国の櫛かんざしを展示しているコーナーには、フランスのアールヌーボー調のもの、スペインやアメリカのもの、そして珍しいロシア製のマンモスの牙の櫛も展示されていました。

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どの時代にどういった人物が身につけた櫛なのか、またどのようにコレクションに加わったのかなど、とても興味があります。また、ロマノフ王朝時代に皇女達が身につけていた櫛かんざしなど、ロシアの髪型や装身具の歴史についても改めて知りたくなりました。

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ロビーからは渓谷を臨む眺めも美しく、畳敷きのベンチに腰掛けると時をわすれてしまいそう。また、庭園へ出ると厳かな冬の空気を震わせて寒山時の鐘の音が聞こえてきました。櫛かんざし美術館の対岸には、奥多摩のこの地に湧く名水によって作られた銘酒・澤乃井で知られる小沢酒蔵株式会社さんによる豆腐・湯葉料理「ままごと屋」さんや「豆らく」さん、玉堂美術館に隣設された「いもうとや」さんもあり、美しい渓谷を眺めながら美味しいお食事も楽しめます。

 

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