『ロマノフ秘宝伝説 栄華を支えた女たち』前編サンクトペテルブルグが放送されました。
エカテリーナ2世やエルミタージュ美術館、愛人たち、ポチョムキンとの恋文・・・ロシア観光をなさった方やロマノフ王朝にご興味のある方にはお馴染みの内容でしたが、今回の番組で私は初めて、ダーシュコワ公爵夫人によって編纂されたロシア初の国語辞典の実物や、エカテリーナの嗅ぎタバコ入れコレクションのなかから、“刺のないバラの童話“をモチーフにしたもの、そしてTV初公開という晩年を過ごした瑪瑙の間を見ることが出来ました。またエカテリーナが一流の女性を教育するために設立したスモーリヌイ女学院にとても興味がわきました。
ナビゲーターはバレリーナで女優の草刈民代さん。昨年は、モスクワ放送(ロシアの声→ラジオ・スプートニク)元アナウンサーで現在はTVプロデューサーの西野肇さんによる番組『草刈民代 日本バレエの母エリアナ・パヴロワを求めて』にも出演されました。今回もバレエにまつわる場所も訪ねるので、その意味でも適役でいらっしゃいますが、エルミタージュ美術館にエカチェリーナ宮殿の黄金の間や琥珀の間、ペテルブルグの町・・どこを歩いても、無意識のうちにその背景・空間を“舞台“として捉えることができ、カメラを観客席として、ソリストとしてそこで最も美しく立ち居振る舞うことができるのは、草刈さんならではですね。
△草刈さんもまずは現地で毛皮の帽子を買い求め、アンナ・カレーニナのような装いでいらっしゃいましたが、ロシアの冬はやはり毛皮の帽子&コート率が高く、街はなんだか動物園のようですし、地下鉄のなかなどの密室は少し獣っぽい匂いも。最近は、安価で軽量のダウンコート等を着用している人も増えてきましたが、やはり動物の心身を守っている毛皮を身につけると、その別格の保温性に驚きます!上の画像のように、コートについているファーのボリュームも日本とは違います!また、日本ではお洒落用という印象であまり実際にかぶっている方をおみかけしないフード部分ですが、ロシアではこれも立派な防寒用で、画像のようにフード姿の方も多いです。極寒のなか帽子をかぶらずに歩いていると、親切なロシア人のおばあちゃまにすぐに注意されます(笑)ニシンの上にジャガイモやビーツなどを重ねて作るロシアの代表的なサラダも“毛皮を着たニシン“なんていうネーミングです。
△王室御用達だったインペリアル・ポーセリン陶磁器のショップと工房も紹介されました。1744年女帝エリザベータによってサンクトペテルブルグ郊外に設立された磁器工房。ロシアでは最古の、そしてヨーロッパでもドイツのマイセン、デンマークのロイヤル・コペンハーゲン、イタリアのジノリに継ぐ伝統的な陶磁窯です。草刈さんもお持ちだそうですが、やはり金色の使い方が魅力のひとつですよね。私も大好きで愛用しています。公式サイト Императорский фарфоровый заводではこの冬の新作コレクションをご覧頂けます。
エカチェリーナ2世にもお詳しい歴史家オリガさんもおっしゃていましたが、その言葉や芸術品など、エネルギーの塊だったエカテリーナの存在を感じるだけで、女性ならだれでもパワーが湧いてきますね。
後編はモスクワだそうです!