昨日ご案内いたしましたふぉりくろーる。のロシア絵本展へ行ってまいりました。
会場のdessinは中目黒駅からすこし、路地をはいるとそこだけちょこんと白く切り取られた入り口の可愛らしい店構え。
世界から集められた絵本や画集、写真集が並んだお店の奥に、ギャラリースペースがあります。ここだけぽっと温かな灯りがともり、なんだか月夜に幻想的に映えるかまくらを想い出しました。
ロシアのおはなし・うた・なぞなぞをテーマに揃えられた絵本たち。どの1冊を手に取ってどの1ページをめくってもひとつの物語世界が広がります。そして、その本を手にしてきた人たちの物語も温もりとして感じられます。
マヤコフスキーやマルシャークによる絵本の一画は、子供の目にも強く訴えかける色・線づかいの“教育もの”もあれば、天性の感受性を持つ子供たちにこそ本物を届けたいと願う、一流芸術家たちの気迫を感じる作品も。『しずかなおはなし』など、日本でも愛されている絵本の原書もありました。
ロシア民話『おおきなかぶ』ウクライナ民話『てぶくろ』はもちろん、『おやゆび姫』『シンデレラ』…私たちと同様にロシアの子どもたちも幼い頃に読んだであろうアンデルセン童話のロシア版も、日本とはまた違う情感があって惹き込まれます。
大好評につき5回目の開催だそうですが、この日もつぎつぎと吸い込まれるように男性の(!)お客様がやってきて、ある男性は何冊も小脇に抱え、またある人はしゃがみ込んでじっくり選んだ末に選び抜いた一冊を手にして、それでも名残りおしそうにして絵本を連れて帰りました。
ロシアではストーリー以上に音感や語呂を大切にして作られた詩的な絵本も多いので、うたもなぞなぞも、ロシア人のお母さんが読んでくれたらさらにまた美しい世界が広がることでしょう…!
ソ連とロシアの絵本を扱うふぉりくろーる。さんは、ロシアのように冬は雪深い岩手にあります。かまくらのなかの不思議な温かさ、長い冬のあと雪の下からのぞく春の花Подснежник(スノードロップ)のような温かさが、ソ連とロシアの絵本にはあり、それを日本でどこよりも肌で感じられる場所にあるふぉりくろーる。さんから東京へ届いた年賀状のような展示でした。
展示絵本はふぉりくろーる。さんのblogやFBページでも詳しく紹介されています。
なお、店内ではピンバッジや絵はがきも購入できるようになっており、「ただいまソ連の年賀状展を開催中の雑貨屋mitteさんとはしごしてください」との粋な計らいも。私の選んだ一枚は、故郷のトーリャおじさんへ宛てたモスクワの娘さんからの年賀状でした。
コメント