こちらのblogでも以前告知させて頂いた舞台『アンナ・カレーニナ』を見に行ってきました。
ロシアで最も愛されている日本人女優である栗原小巻さんが、あの文豪トルストイの名作に挑み、2009年に絶賛された舞台の再演とあって、待ち望んでいたファンで会場の熱気も最高潮!
夫も息子も社会的地位も残して苦しみながらも愛に生きるアンナという女性の生き方について、そしてその人生そのものであるこの作品について、ロシアでも世界でも、共感できるかできないか、結婚とは宗教とは幸福とは・・・さまざまな議論がなされてきました。
夫への、息子への、若い恋人への、ただひたすら愛に正直に生きようとするがためにどうしようもない運命の渦にのみこまれ絶望してゆくアンナを、栗原小巻さんが、ときに少女のように伸びやかに、ときに恐ろしいほどの嫉妬の化身となって、渾身の演技で迫っていきます。
この作品を初めて読んだのは舞台となるサンクトペテルブルクはおろか、ロシアへも行ったことのない大学時代でした。
それから年齢もアンナに近づき、ロシアで生活して、結婚して、息子のいる今、同じ女性としてアンナの選択にまた違う重みを感じました。
おっぱいをあげてオムツを替えて、抱っこしてねんねして・・・という、とてもシンプルで動物的で健やかな赤ちゃんのお世話から離れて、久しぶりにめに見えない答えの見つからないものと対峙するひとときでした。
これから各地で上演されるようです。
栗原さんがデザインされた衣裳がまた素晴らしいので注目です!