軽井沢のお友達の別荘へお邪魔してきました。「お洗濯しておきました!」といわんばかり、雨上がりの緑が美しい軽井沢。爽やかな木の香りの別荘は夢のような空間。命の洗濯ってこういうことなんでしょう!雨の日は子どもたちも大喜びのオルゴールづくりを楽しみ、そして晴れの日には、念願の脇田美術館を訪れました。
素敵な別荘が並ぶ静かな森の中に、モダンな建物が。
清々しい白を基調とした広々とした館内は作品がよく映えます。エントランスからまずは二階へ。
グランドピアノが置かれ、コンサートも開催されるという展示ホールは、バランスよくソファなどの家具が配置され、ところどころから軽井沢の緑を眺められて開放的な雰囲気。現在は特別展『女のひとと鳥』。小さい頃に小鳥を飼っていたせいでしょうか、小鳥をモチーフにした作品になぜか惹かれてしまう私は、以前から脇田和さんの作品に興味があったのですが・・・
脇田和さんといえば、ロシア民話『おだんごぱん』(福音館書店)の絵も描いていらっしゃいます。
息子も私も大好きなこの本。おだんごぱんが歌う部分を毎回オリジナルで作曲して歌ってくれます。
1930年頃にドイツ・ベルリン美術学校を卒業し、シベリア鉄道〜満鉄〜連絡船で釜山から下関という経路で帰国した脇田さん。カラフルな毛糸と布を持ち込んで、長い長い旅のあいだに国境で垣間みた風景を、なんと下絵もなしにタペストリーにしてしまったのだそう!
ほかにも、チョコレートの空き箱や、ワインコルクや缶、庭でひろった落ち葉や枝、木の実などを身の回りのちょっとしたものを組み合わせ、色付けして作品にしてしたものたちが廊下などに陳列されていて、それがどれもこれも詩情あふれるかわいらしいものばかりで、根っからのアーティストだった脇田さんの優しい心に触れたような気持ちになりました。
この美術館は、軽井沢の森のなかにある脇田さんの木造のアトリエを囲むようにして知人の建築家 吉村順三さんによって設計されました。建築ワークショップなども開催されており、年に数度、アトリエも公開されています。
ミュージアムショップの向こうには、中庭が広がっています。鳥かごが吊るされたシンボルツリーの木陰はテラス席になっていて、子どもたちはここでジュースを飲んだり、とんぼやキノコを探したり、丘から駆け下りて落ち葉にダイブしたり・・・。
またゆっくりと訪れたい美術館です。
過去関連ブログ