いつかは泊まりたい! いつかはプレーしたい!と世界中のゴルファーを魅了し続けている静岡の老舗リゾート 川奈ホテル。
歴史ある洋風ホテルは、政治家・著名人の宿泊も多く、1998年4月18日、当時の橋本龍太郎 日本国内閣総理大臣とボリス・エリツィン ロシア連邦大統領による首脳会談(いわゆる川奈会談)が行われた場所としても知られています。
会談が行われた場所は、サンパーラーとして現在もお茶を楽しむことが出来ます。ガラス張りの明るい店内で、正面には青い空と海が穏やかに広がっています。そこからホテルまでは、ゴルファーにも愛されている美しい緑の芝生と四季折々の花、プールなどが見えます。
ホテルメイドのケーキが人気で、アフタヌーンティも用意されています。
一段目にはクロックムッシュやサンドウィッチ、2段目はスコーン、3段目にお土産にも大人気だというフルーツケーキやタルトなど。オリジナルの食器、そして銀製カトラリーにも川奈ホテルの紋章が。
繁岡賢一氏デザインの富士と大島の図柄の食器は昭和30年代よりずっと使われているそうです。
地下にはホテルの歩みを紹介する展示コーナーもありました。
あのマリリン・モンローとジョー・ディマジオが新婚旅行でお忍びでやってきたことも!サンパーラーでお召し上がり頂けるオムライスがお気に入りだったとか。
日露首脳会談のときのお写真もありました。ホテルでは、エリツィン大統領に、ロビーいっぱいの染井吉野の桜をご覧頂こうと、涼しい天城三中に保管してこの日を待ったそうです。しかし訪日が遅れたため、開花時期が変わってしまい、急遽八重桜が用意されました。そのときの染井吉野は、現在、川奈ホテルゴルフ場の大島コース9番で毎年見事な花を咲かせているそうです。
会談で使用されたソファは、今は2階の図書室に。2泊3日の滞在だったエリツィン大統領は、ホテル横の“田舎家”(築後300年を経た歴史ある情緒豊かな茅葺き屋根の建物)を茶室風に変えた場所で茶道を体験なさったり、船をだして目の前の海で釣りをなさったり・・・オフのひとときも満喫されたようです。
格式と伝統を感じるクラシカルな内装や調度品。こちらはシアタールームとなっています。
メインダイニングのフランス料理メニューには、牛肉のクリーム煮ストロガノフ風や牛フィレ肉のシャリャーピンステーキなどロシア風の一品もありました。
現在も川奈ホテルで使用されている食器やメニューカバーなどをデザインした繁岡氏は、帝国ホテルの設計をした不ランク・ロイド・ライト事務所に勤務した後、川奈ホテルの美術担当となりました。
かつてレストランやダンスなどのBGMとして使用されていた1950年代の貴重なSP盤レコードコレクション。左下はチャイコフスキーのバレエ音楽『白鳥の湖』です。ジャケットにも味わいがあります。