(2022.02)イギリス絵画の殿堂テート・ブリテンのなかのお気に入りの展示室『FAIRY ROUND』。
△リチャード・ダッド(Richard Dadd )の『お伽の樵の入神の一撃(The Fairy Feller’s Master-Stroke)1855−64』もあります。
△イギリス・ロンドン出身のロックバンドQueenの曲『 The Fairy Feller’s Master-Stroke(邦題:「フェアリー・フェラーの神技」)は、なんとフレディ・マーキュリーが、このダッドの絵をみてインスピレーションを得て作った曲なのだとか!
ヴィクトリア時代のイギリスではシェイクスピア(William Shakespeare)の『真夏の夜の夢( A Midsummer Night’s Dream)』のシーンをはじめ、多くの画家たちが妖精がどんなふうに見えるのか、想像力をふくらませて妖精の世界を描きました。
△『パック(Puck)1841』
△『バッカス祭の情景(Bacchanalian Scene)1862』
リチャード・ダッド(1817-1886)は幼い頃から絵の才能に恵まれ画家として活躍しましたが、精神を病んで父親を殺してしまい、精神病院へ。死ぬまで約42年間もの間、精神病院で絵を描き続けました。
ヴィクトリア時代には私が好きなものが詰まっていて、このヴィクトリアン・フェアリー・ペインティングもそのひとつ。産業革命の波のなかで、原始的なものやあるがままの自然の美しさ、摩訶不思議な未知のものへの想いがフェアリーに形をかえて絵画のなかでどこまでも自由に羽を広げていったのかもしれません。
△コティングリー妖精事件の写真!イギリスのコティングリーに住む16歳のエルシー(Elsie)と9歳の従姉妹フランシス(Frances)が撮影した写真になんと妖精が・・・!後に、5枚のうちの4枚は捏造だったと白状した2人ですが、5枚目だけは本物だと話しているそう。真相はいかに!?
△『シャーロック・ホームズ』シリーズの作者であるサー・アーサー・コナンドイルもこれを信じていたとか。(☆【英国のなかのロシア】シャーロック・ホームズ博物館の名探偵マトリョーシカ)
△山田五郎さんのYouTubeチャンネル『オトナの教養講座』【父殺し】妖精を描く殺人画家!?リチャード・ダッドとは?【イギリス妖精文化】でも取り上げられていましたが、イギリスのケルトの伝統のなかの妖精と、日本の岩手の河童を比較していてユニーク!日本には「うつのみや妖精ミュージアム」と福島の「妖精美術館」があるそうで、ぜひ訪れてみたいです。
妖精絵画の大ブームが起こるまでのイギリスの流れや画家たちも興味深かったですが、何より面白かったのは、スコットランドの画家ジョセフ・ノエル・ペイトンの『オーベロンとティターニアの諍い』のなかに何人妖精がいるのか・・・この絵が大好きだった『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルが数えたというエピソード。
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さて、ロシアでも超自然的な世界はとても人気があり、日本にいるときよりもずっと、そういう不思議なものや科学では証明できない現象が信じられている国民性である気がします。森のなかを歩いていると私はそういう力を感じることが多くて、モスクワでも少し歩けば森がありましたし、イギリスにも。もしかして森との近さが、妖精との近さと通じるものがあるのかしら?とふと思いました。
ロシアで妖精といったらこの妖精を思い出しました。