日本で暗躍したソ連のスパイ、リヒャルト・ゾルゲ(Рихард Зорге)をテーマにしたドラマシリーズ『ゾルゲ』が今年4月にロシア第1チャンネルでオンエアされました!“世紀のスパイ”と称され、これまでもさまざまな映画や作品で描かれてきたゾルゲは、ロシアで今、どのように甦るのでしょうか。
昭和16年、ドイツの新聞記者を装って来日したゾルゲは、ドイツと日本の対ソ参戦の可能性などの情報収集に従事していました。銀座にある電通ビルに潜入したり、ドイツレストラン“ローマイヤ”で過ごしたりしたりしていたことが明らかになっています。また戦後、亡くなったゾルゲの亡骸は行方不明になっていましたが、恋人の石井花子が懸命に追跡し、年月をかけて見つけ出し、多磨霊園にお墓を作って納骨しました。
△(写真はWikipediaより)
日本は対ソ戦を企図していない旨の電報を打って祖国ソ連を救ったとされるゾルゲは、ロシアでも英雄的存在となり、現在もゾルゲと花子がともに眠る日本の多磨霊園には多くの人が訪れ花を手向けています。
△(写真はTripadvisorより)モスクワには、ゾルゲの名を冠したゾルゲ駅やゾルゲ通り(ул. Зорге)もあり、ゾルゲの銅像も見ることができます。
ロシアのドラマシリーズには、ロシアで活躍する日本人俳優の木下順介さんをはじめ、ゾルゲの恋人の石井花子役に中丸シオンさんなど日本人キャストも登場します。主役のゾルゲを演じるのは俳優アレクサンドル・ドモガロフ(Александр Домогаров)さん。井上雅貴監督の映画『ソローキンの見た桜』にも出演したロシアを代表する名俳優の一人です。(関連☆【日露交流年】日ロ合作映画『ソローキンの見た桜(В плену у сакуры)』)