世界一美しいといわれているモスクワの地下鉄駅。環状線を中心に駅ごとにさまざまなテーマがあり、絢爛豪華な装飾が施され、人気の観光名所にもなっています。
今日は可愛らしい犬に出会えるメンデレーエフスカヤ駅をご紹介します。犬といえば条件反射の実験“パヴロフの犬“で知られるソビエト連邦の学者イワン・パヴロフを思い浮かべる方も多いと思いますが、こちらは元素周期表を作成したロシアの化学者ドミトリー・メンデレーエフ(Дмитрий Иванович Менделеев )の名前がつけられた駅。
シャンデリアも分子模型のよう!
そしてこの駅の改札付近(入り口を入り、改札の手前の手荷物検査機の脇)に、可愛い犬が座っています。
2007年から2009年に『ロシアの声』でアナウンサーをしていた頃は、街中にはこの犬のような野良犬がたくさんいました。特に雨風を凌げる地下鉄の入り口では、地下道に並ぶキオスクのおばちゃんから餌をもらったり、時にはホームから車両に乗って、座席の上でのんびり寝そべっていたりもして、はじめはびっくりしましたが、動物好きのロシア人は乗客も地下鉄の職員も何もいうことはなく、野良犬も同じように地下鉄を利用!していました。2017年に再びモスクワを訪れると野良犬に出会うことはなくなっていました・・・!(☆【モスクワの街角】野良犬と野良猫☆【モスクワの街角】ポプラの綿毛が舞いライラックが香る初夏)
この銅像は、このメンデレーエフスカヤ地下鉄構内で殺害されてしまった可哀想な野良犬に捧げられています。台座には同情を込めて、 «Сочувствие. Посвящается гуманному отношению к брoдячим животным»と記されています。今もみんなになでてもらって、鼻先がピカピカしています。
この犬は、生前からマリチク(мальчик 坊や)と呼ばれて可愛がられていたそうで、銅像には今もよくお花が捧げられています。