ロシアで昔から愛され続けているお菓子のひとつХалва(ハルヴァ)。日本でもロシア語通訳・エッセイストとして活躍されていた米原万里さんの名著『旅行者の朝食』のなかの「トルコ蜜飴の版図」でご存知の方も多いお菓子です。幼少期を過ごしたプラハでロシア人のお友達イーラのお土産のハルヴァの美味しさが忘れられずに、ハルヴァを求めつづけます。
ハルヴァはナッツ類を砂糖と穀物でまとめたお菓子で、その起源は古代メソポタミアまで遡るとも言われています。現在も東はバングラデシュから西はモロッコまでの広い地域で愛されています。ロシアのお店でも、胡麻、胡桃、ピスタチオ、アーモンド、松の実などさまざまなナッツから作られたハルヴァを量り売りで購入できるようになっていたりします。ひまわりの種で出来たものもロシアらしいハルヴァでしょうか。(【ロシアの食】ロシアの国花は・・・ひまわり!)
△ロットフロント社のハルヴァ。定番ひまわりとひまわりの種入りがあります。
△チョコレートがけのひと口サイズのハルヴァも定番人気商品です。
見た目はセメントのようなずっしりとしたベージュ色の塊ですが、サクッと軽く包丁が入り、ナッツ独特のしっとりさと香ばしさがあり、口のなかでほろほろっと素朴な甘さが広がっていきます。
ひと口食べると、ついついまた一切れ、もうひとかけら・・・・と止まらなくなってしまうハルヴァ。モスクワ出張のたびに探したお父様はついに万里さんのお眼鏡にかなうハルヴァを見つけられず、友人知人、仕事仲間に美味しいハルヴァがあると聞けば試し、レシピも収集していた万里さんの食べたハルヴァはどんな味だったのでしょうか。