ロシアの夏の風物詩といえば・・・黒パンを発酵させた炭酸飲料クワス。そして、そんなクワスを使った夏の冷製スープも、ロシアの夏を代表する味です。
△6月に入り、すっかり雪が解けたダーチャ(郊外の菜園つき別荘)へ、ロシア人が週末ごとにいそいそと通いだすと、オクローシカの季節の始まりです。かき氷のように、街中でもスーパーでも『オクローシカ、はじめました』の広告をよく見かけます。
△刻んだ夏野菜や肉類、ゆで卵にたっぷりのハーブ・・・それに黒パンを発酵させた夏の炭酸飲料クワスをかけてしまいます!(【モスクワのレストラン】ソ連食堂メニューのバイクング Грабли (グラブリ))
ロシア人のダーチャに遊びに行き、菜園で収穫したばかりの新鮮な野菜を刻むお手伝いをしてから頂くオクローシカは格別ですし、昔ながらの味を楽しめる食堂はもちろん、お洒落なレストランでもオクローシカを見かけます。
△お洒落なレストランのオクローシカ(【モスクワのレストラン】ロシア料理を変えた天才シェフ、ムーヒン氏率いるセルフィー)
2007年の滞在時には、街角でクワス売りのタンクやスタンドをよく見かけました。昼間のビール?ロシア版コカ・コーラ?とにかくよく飲まれていました。ところが2017年に10年ぶりに訪れたモスクワでは、都心部にはクワス売りをほとんど見かけません。
レストランのメニューでも屋台やスーパーマーケットでも、ずらりと並んでいるのは定番ジュースのモルス(さまざまなベリーを配合したジュース)と、大流行中のさまざまな自家製レモネード。その横でクワスは、ほんの少し肩身が狭そうに、でもしっかりとした存在感で顔をのぞかせています。
クワスを入れたオクローシカ、そしてケフィール(飲むヨーグルトのような乳製品)を入れた少し酸味とコクのあるオクローシカも、夏のロシアでぜひ味わっていただきたいです。