アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ(Антон Павлович Чехов 1860ー1904)は、ロシアを代表する劇作家であり小説家として知られています。ロストフ州タガンログで生まれ(チェーホフ記念館があります)、その後モスクワへ。モスクワ大学医者部を卒業し、医者としても働きました。
△赤の広場からトヴェルスカヤ通りを進むと、すぐ右手側に見えてくるモスクワ芸術座。文豪チェーホフの『かもめ』上演でとても有名で、劇場のエンブレムにもかもめが飛んでいます。『かもめ』上演成功の後、『ワーニャおじさん』『三人姉妹』『桜の園』とここで初演され人気を博していきます。妻のオリガ・クニッペルはモスクワ芸術座の女優で『三人姉妹』でマーシャを演じました。
△芸術座と同じ建物にあるカフェの名もチェーホフ。
△劇場のむかいのチェーホフ像は、偉大さを誇示するような銅像の多いモスクワでは珍しく、若き日のしなやかで線の細いシルエットや、どこか物憂げで悩ましげな思索にふける表情に惹かれてしまいます。
△モスクワでも最も人気と歴史を兼ね備えた劇場のひとつで、創設したコンスタンチン・スタニスラフスキーとヴラジーミル・ネミローヴィチ=ダンチェンコの像も、カメルゲルスキー横町の入り口で迎えてくれます。スタニスラフスキーの家博物館、ダンチェンコの家博物館、そしてこのモスクワ芸術座の中の博物館には共通チケットもあります。
☆スタニスラフスキー・ネミローヴィチ=ダンチェンコ記念国立モスクワ音楽劇場バレエ『白鳥の湖』
△チェーホフといえば、メトロの駅にもチェーホフスカヤがあり、オーディオブックを楽しむことができます。(【メトロに乗って】チェーホフの駅(Станция метро «Чеховская»))
△チェーホフの家博物館(Дом-музей А.П. Чехова)もありますが、現在は閉館中。(館内のお写真は博物館ギャラリーより)
チェーホフが移り住み、『かもめ』などの作品を執筆したモスクワ郊外メリホヴォには、今もチェーホフの屋敷が博物館として公開されています。医者でもあったチェーホフは現地の農民に無償で医療を施していました。『かもめ』のニーナのモデルとなった女性にはここで出逢ったと言われています。紅茶を愛し、自然を愛し、クリケットも愛していたと言われており、邸宅の近くにはロシアでも古いクリケット場が残っています。(【モスクワのなかの英国】〜まとめ〜 (※2021年1月更新!))
さらにその後、クリミア半島のヤルタに移り住み、晩年は結核の治療のためドイツのバーデンワイラーで療養し、そこで亡くなりました。
△チェーホフのお墓参りなら、ノヴォジェヴィチ墓地へ。ロシアの偉人たちのお墓は記念碑のよう!(関連☆【モスクワの墓地】まるで彫刻の森美術館!著名人の眠るノヴォデヴィチ墓地)
△チェーホフの作品のない本屋さんはないでしょうし、チェーホフの名前のついたワインやお土産などもいろいろ探すことができます。(☆【モスクワの本屋】ドム・クニーギ(Московский дом книги 本の家))
モスクワ中の、そして日本や世界の劇場で、チェーホフの作品は繰り返し上演され愛され続けていますし、ロシアの地方都市でもチェーホフの名前のついた場所やチェーホフにまつわる銅像に出逢う機会があります。
☆【黄金の輪スーズダリでキュウリ祭り】黄金の輪みーつけた!