モスクワで最も有名なレストランのひとつ、«Кафе Пушкинъ» カフェ・プーシキン。2009年までの前回のモスクワ滞在の最後の晩餐もこちらで、そして2017年のモスクワ滞在のはじめもここで。そして6月6日、プーシキンのお誕生日にもふたたび訪れることができました。
ピンク色の可愛らしい壁とクラシックな外観は時が止まったかのようにあの頃のままです。地下鉄プーシキンスカヤ駅をでてすぐ、プーシキン像のあるプーシキン広場の横に、プーシキンの生誕200年記念の1999年にオープンしました。
地下のクロークでコートを預けてから店内へ。ドアマンがニコニコ挨拶しながら出迎えてくれます。
1階フロアはАптека薬局と呼ばれています。入り口正面のバーカウンターが、まるで昔の薬局の趣きを感じさせるところから名付けられました。自然光が差し込みむ店内は、帝政ロシア時代を思わせる重厚な家具とロシアらしい深い赤を基調としたセッティングが素敵です。ビジネスランチやお茶を楽しむお客さんで賑やかな雰囲気です。
△観光客も多いため、サービスもメニューも英語&ロシア語が可能です。昔は新聞風だったロシア語メニューは、現在ちいさな本のようになっています。ビジネスランチは、前菜&サラダ、スープ、メインに分かれており、2コースですと620ルーブル、3コースですと930ルーブルです。最後にコーヒーか紅茶がつき、さらに、それぞれ5種類くらいのメニューのなかからお好みで選ぶことが出来ます。
△前菜・お花畑のように綺麗なもりつけのオリビエ・サラダ
△こちらも目にも美しいサーモンのサラダ
△優しいお味の魚のスープ、ウハー。カフェ・プーシキンの看板メニューのひとつの林檎入りのボルシチも絶品です。
△ロシア風パンケーキのブリヌイ、イクラ添え。ホフロマ塗りのスプーンがアクセントになっています。
△メインのビーフストロガノフ風ペリメニ。チキンのカツレツとジャガイモのピュレ。ユニークな発想でプーシキンカフェならではのアレンジが施されたロシア料理は、一皿一皿に嬉しい驚きがあり、このレストランの雰囲気ともよく合っています。
△一方、2階はより落ち着いた雰囲気の予約席になっており、Библиотека(図書館)と呼ばれています。本棚には革張りの古書が並び、望遠鏡や地球儀、パイプに燭台など、インテリア小物も魅力的。まるで19世紀にタイムスリップしてどこかのロシア貴族の邸宅の書斎にでも招かれたかのようようなゴージャスな気分を味わえます。
△フランスの歌手Gilbert Becaudの『Nathalie』(1964年)という歌の歌詞なかで、“カフェ・プーシキンというお店のココア“が登場し、そこからインスパイアされて誕生したレストランという面白いエピソードも教えてもらいました。
地下のクロークやスツール、アンティークのエレベーター、チェーンを引っ張る陶器製のトイレなど・・・どこもかしこも懐かしく感じます。モスクワへ来たら必ず訪れたい場所のひとつです。