(2021.08)英国へ来てからすっかり魅了されたもののひとつに、イングリッシュ・ガーデンがあります。友人宅へお邪魔したときはもちろん、住宅街を歩きながら眺めるのも楽しみですし(☆定点観測!ブリティッシュ・ガーデンの四季)、ナショナル・トラストやイングリッシュ・ヘリテージが管理している邸宅に足を運ぶといつもそのお庭の美しさにうっとりしてしまいます。(☆【英国のお気に入り】ナショナル トラスト &イングリッシュ ヘリテージのハンドブック)そして夏は、ガーデン自慢の方がオープン・ガーデンで迎えてくださることも!
今日はなんとエリザベス女王に招かれてお庭へピクニックへ・・・という気分で、バッキンガム・パレスで開催中の夏のオープン・ガーデンへ(SPECIAL VISIT THE GARDEN AT BUCKINGHAM PALACE)。
△wildflower meadow 緑のグラデーションの豊かさ!春から夏にかけては爽やかで可憐な青いお花が印象的!(☆【英国のお気に入り】妖精が現れるブルーベルの森へ・・・!Highgate Wood)
△the Rose Garden 英国といえばバラ!(☆英国の花バラに寄せて〜イギリスとロシアの好きなところ〜)
ひと通りガーデンを楽しんだら、広い芝生の上で、バッキンガム・パレスを眺めながら、カフェでお茶でも購入してベンチでくつろぐもよし、持参したお弁当を広げてピクニックするもよし・・・都会のオアシス、バッキングパレスのお庭でピクニックなんて贅沢なロケーションです。
夏休み中でしたので、水鳥を追いかけたり、裸足でおいかけっこしたり、ピクニックを満喫する大人たちと一緒に子どもたちも楽しんでいましたが、こんな可愛いパレスも!
最後に、ガーデンにあるお土産屋さんにも入ってみました。
△バッキンガムパレスでしか購入できないような王室関連グッズやお菓子、お紅茶などはもちろん、女王の大好きなコーギー犬や衛兵の制服のパジャマ、王冠がアクセントの小物など
△インペリアル・ロシアン(IMPERIAL RUSSIAN)と名付けられたティーセット。ロシアの皇室御用達の宝石職人カール・ファベルジェの作品からインスパイアされたシリーズです。カップ&ソーサーセット(295ポンド)、ポット(225ポンド)
△こちらはインペリアル・ロシアンのシリーズのブルー・トゥース・ボックスとピンク・トゥース・ボックス(各75ポンド)
お店の方のお話によると、2019年にThe Queen’s Galleryにおいて展覧会『RUSSIA, ROYALTY & THE ROMANOVS』が開催されたので、インペリアル・ロシアンのシリーズはこのときに販売されたものではないかとのことでした。
イギリス王室は、ロシアのロマノフ王朝とも深く関わっており、今でもロイヤル・コレクションのなかにもロシアゆかりのものを数多く見ることができます。有名なところでは、メーガン・マークルさんがハリー王子とご結婚されるロイヤル・ウェディングで、ドレスに合わせて女王のお気に入りである「ヴラジーミル・ティアラ」(英:The Vladimir Tiara 露:Владимирская тиара)をつけることを希望しましたが叶わなかったというニュースがありました。
△(Wikipedhiaより)「グランド・ダッチェス・ウラジミール・ティアラ」とも呼ばれ、ゴージャスなダイヤモンドの輪のなかに大粒の真珠が揺れるデザインになっています。これは1874年、ウラジミール大公(ロマノフ王朝の最後の皇帝ニコライ2世の叔父、皇帝アレクサンドル3世の弟)が妻のロシア大公妃マリヤ・パヴロヴナ(Мария Павловна)に贈ったもの。1920年にマリヤ・パヴロヴナが亡くなったあと1921年までの1年間は娘のエレーナ・ヴラジミロヴナ(Елена Владимировна)が所有していました。このティアラは、パールを取り外しても使えるそうなのですが、エレーナはパールに代えてエメラルドも作らせたのだそう。マリヤ・パヴロヴナは膨大な宝石のコレクションを持っていたと言われており、ロシア革命とロマノフ王朝の終焉を経て、宝石コレクションは世界中に散らばっていきました。
△(写真はWikipediaより)英国王室のメアリー王妃(写真左 Мария Текская エリザベス女王の祖母)もこのロマノフ王朝の宝石コレクションを数多く購入したことで知られています。メアリー王妃はヴラジーミル・ティアラを1953年まで所有し、1953年から今日まで孫のエリザベス女王によって大切に受け継がれ、パールとエメラルドの両方を使い分けて愛用されています(写真右)。
△(写真は記事Тиара-кокошник Александры Уэльской. “Тиара, как у сестры”より転載)イギリス王室に受け継がれているロシア関連のティアラには他にも「クイーン・アレクサンドラのココシュニック・ティアラ」(英:Queen Alexandra’s Kokoshnik Tiara 露 Тиара «Русский кокошник»)があります。ロシアの民族衣装に合わせて女性がつけるココシュニクのフォルムが特徴で、ホワイトゴールドと488個ものダイヤモンドで彩られています。これは1888年、エドワード7世の妻アレクサンドラ王妃(Александра Датская エリザベス女王の曽祖母)に結婚25周年を記念して贈られたものだそうです。アレクサンドラ王妃は、妹でロシアのアレクサンドル3世に嫁いだマリヤ・フョードロヴナ(写真 Мария Фёдоровна 最後の皇帝ニコライ2世の母)が身につけていたようなココシュニク・デザインのティアラに憧れを持っていたのだそう。2018年モスクワで開催されたサッカーのW杯でも、このココシュニクがちょっとしたブームに!(☆【FIFAワールドカップ2018ロシア】国営百貨店グムのなかもサッカー!サッカー!サッカー!)
ギャラリーでロシア関連のコレクションが公開されることもありますし、オンラインショップでもロシアの名を冠したシリーズがよく販売されています。ロマノフ王朝とのつながりやロイヤル・コレクションのなかのロシアについては、またご紹介できたらと思います。