ロシア人と蜂蜜

2008-06-01

ロシア語の熊“Медведь”のなかには、蜂蜜“Мёд”が含まれているのですが、よく熊にたとえられるロシア人の生活に、やっぱり蜂蜜は欠かせません。

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モスクワでは年に数回、大規模な蜂蜜市が開かれ、
スーパーや市場でも幅広い品揃えを誇ります。
ショーケースにずらりと量り売りの蜂蜜が並ぶ専門店まであって、
液体から固体、白っぽい黄色から黒っぽい飴色のものまで、
店員さんが説明しながら、小さな匙ですくっては次々と味見させてくれます。
「風邪をひいた」というと「蜂蜜を食べなさい」とロシア人。
「肌が乾燥してかさかさ」というと「蜂蜜をぬりなさい」とロシア人。
ロシアでは、薬にも、化粧品にも、使われます。

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またロシア正教では、信者たちが黄色い蜜蝋に火を灯すので、
薄暗い教会のなかはいつも、ほんのり甘い匂いで充満しています。

「蜜蝋にはこんな細工の施された美しいものも!」
そしてウォッカより昔から飲まれていたのも蜂蜜のお酒で、
今でも冬になると“甘酒”ならぬ“蜂蜜酒”の屋台が出て、
とろりとした舌触りの一杯で、体をぽかぽかに温めてくれます。

さらに、ロシアの伝統的クッキー“プリャニキ”も蜂蜜入り。
木型に入れて模様をつけたり、文字を浮かび上がらせたりして
親しい人に贈る習慣があったそうです。

さて、「アカシアの」「レンゲの」といった有名な定番ものから、
「蕎麦の」「栗の」「ラベンダーの」といったちょっぴりクセのある珍しいもの、
「トウダイグサの」「リンデンの」「草原の」といった初めて聞くもの、
ロシアには、未知の美味しい蜂蜜がまだ何十種類とあるようです!

「モスクワ通信.ru(ロシア雑貨マリンカ)」より

ソ連時代にタイムスリップできる食料品店オープン!

2008-05-01

モスクワの中心地、赤の広場に面するグム(国立総合百貨店)の1階に、
“ガストロノムNO.1(ノーメル アジン)”がオープンしました!
一歩足を踏み入れると、そこはまるでソ連時代の“食料品店 第1号店”。
70年代の人気歌謡曲が流れる店内には、豪華なシャンデリアがきらめき、つんとすました売り子たちがカッサ(レジ)の前に立っています。
 けれどもその品揃えは当時とは比べ物になりません!
ソ連時代の有料食料品から海外ブランドの輸入品まで、ありとあらゆる食料品が所狭しと並んでいます。
同じような食料品店でも、ソ連時代と今とでは、こんなにも違うのだということが一目瞭然です。
さて、店内を見回すと・・・

生鮮コーナー脇では、瓶入りで売られていたソ連時代のジュースのスタンドに行列が出来ています。
健康にいいという透明の白樺ジュースや、カキ氷シロップのような色合いのレモネードを注文すると、目の前でシュワっと炭酸割りにしてくれます。
パンコーナーのガラスケース前には、最もパンの種類が多い国であった帝政ロシアを彷彿とさせる様々な種類の焼き立てパンが勢揃い。
ロシアブランドの魚卵コーナーには、宝石のように光る高級キャビア・イクラが陳列され、注文する旅行客で賑わっています。
一方、ソ連ブランドのコンビーフやコンデンスミルクの缶詰は、社会主義時代そのままのパッケージで山積みにされ、当時を懐かしむ“懐ソ派”を喜ばせています。

モスクワでほぼ唯一とも言われる日本食材コーナーもあり、調味料や米、お煎餅や羊羹などが約3倍の値段で売られています。
惣菜コーナーには、今やモスクワでも一般的なメニューとなった寿司がならび、ちょっと珍しいところでは薄いきゅうりで巻いた軍艦寿司なんていうものも・・・。

ソ連時代を味わいつつ、今のロシアで満腹になれる、ここはまるでロシアの食料品テーマパークです。

ロシア正教最大の祭日“パスハ”の迎え方

2008-04-04

ロシア正教最大の祭日、それが“パスハ(復活大祭)”です。

イエス・キリストが十字架にかけられてから3日目に甦ったことを記念した日で、
西方教会では“イースター(復活祭)”と呼ばれています。

毎年「春分の日の後の、最初の満月の後の日曜日」にやってくる“パスハ”は、
今年4月27日でした。一方の“イースター”は今年3月23日。
このずれは暦の違いから来るもので、ロシア正教を含む東方教会では“ユリウス暦”が、
西方教会では“グレゴリオ暦”が使われています。

★今年のパスハは何日?
ウィキペディア「復活大祭」の「日付」欄から「東方教会」参照

さて、“受難の1週間”と呼ばれる“パスハ”までの一週間には、さまざまな用意をします。
たとえば、1週間前の日曜日は“聖枝祭の日曜日”。
キリストがエルサレムに入場するとき、群集がシュロの枝をふって歓迎したと言われていますが、
寒いロシアでは、この時期シュロの枝が手に入らないため、代わりにネコヤナギの枝を購入します。

▲また木曜日には“クリーチ”を焼きます。
ドライフルーツやナッツの入った円筒型のケーキで、
まるで雪の積もった冬のロシア正教会の屋根みたいに、
上部をすっぽりと白い砂糖でコーティングし、
カラフルなアラザンやチョコレートで飾ります。

他にも欠かせないものと言えば、その名も“パスハ”。

“トゥバローグ(濃い風味のカッテージチーズ)”を、
型に入れて固め、表面を“ロシア正教の十字架”や
“XB(キリスト復活!の頭文字)”で飾ったりします。 

そして、彩色されたゆで卵。この時期スーパーには、山積みの卵パックとともに彩色グッズ、卵を飾ったり贈り合ったりするグッズがずらりと並びます。お湯につけるだけで卵に貼りつくロシア民話柄やマトリョーシカ柄のセロファンや、卵1個がちょうど入る大きさのホフロマ柄やグジェリ柄の紙箱・・・ついあれもこれも欲しくなってしまいます!

そしてついに土曜日の夜、信者たちは教会へ向かいます。
あちらこちらの教会から、厳かに美しく“パスハの鐘の音”が鳴り響くと、
人々は“キリスト復活!”、それに答えて“実に復活!”とキスをして挨拶しあい、
用意したクリーチやパスハ、ゆで卵をいただきます。
卵はお互いに一つずつ持って軽くぶつけ合い、どちらが割れるか運試し?をしたりもするそうですが・・・、
あんまりにも綺麗で食べちゃうのがもったいない私です。

「モスクワ通信.ru」(ロシア雑貨マリンカ連載)