ロシアのワーレンキ、その歴史と進化! 後編

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ブログ前編では、ワーレンキ博物館のツアーに参加して、伝統的な冬のフェルトブーツ「ワーレンキ」の作り方について学び、昔ながらのスラブの生活を体験しました。後編ではワーレンキの歴史をたどりながら、進化するワーレンキを追いかけます。

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△ロシアにおけるワーレンキの生産地を示した地図。1917年以前(赤)と1917年以降(緑)で色分けされています。

ロシア革命前は、伝統的な手工業が地方都市に集中していましたが、革命後はソビエトの工業化政策の影響で、生産地が広範囲に拡大していきます。

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△「祖先のワーレンキ」コーナーでは、さまざまな貴重な昔のワーレンキが展示されていました。こちらは100年以上前の礼装用のワーレンキ。全体に美しい刺繍が施されています。タタルスタン共和国ククモルの工場から寄贈されたものです。19世紀半ばまで、ここにはワーレンキ製造で最大級のコマロフ兄弟の工場がありました。

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△第二次世界大戦中に兵士たちに支給されたワーレンキの数は1億足以上とも言われています。長く厳しい冬に、兵士たちの足を守ったこのブーツの存在が、勝利の大きな要因のひとつになったと歴史家たちは考えています。

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△第二次世界大戦では最高軍司令官代理で戦後は国防大臣を務めたゲオルギー・ジューコフのワーレンキ。

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△その後登場したブルキ(бурки)は、高品質の白いフェルトと革で作られた冬ブーツです。ソ連時代の映画などでも見かけるこの美しいブーツは、1920年代から50年代にかけて、政府の指導者や高官、軍人など当時の社会のエリート層に人気の高級な履物でした。

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△一方、農村では、ラプキ(лапки)と呼ばれる伝統的なわらじのような靴を履いていました。菩提樹や白樺などから作られていて、オヌーチ(онучи) と呼ばれる靴下のように足に巻いて保護する布と一緒に使われていました。

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△その後、ゴム製のカバーや靴底などが作られるようになりました。

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△世界の伝統的な履物を紹介するコーナーには日本のわらじも発見!ほかには、モンゴルの乗馬に適した形になっているフェルトブーツや、オランダの木靴、ハンティ・マンシースク管区のトナカイ皮のブーツなどがありました。

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△ヤロスラヴリやククモル(タタールスタン)など、国内の主要工場のワーレンキも展示されていました。

そして、伝統的な履物から進化したワーレンキの芸術的な価値が大きく見直されたのは、ロシア連邦文化省の後援で2000年に開催された展覧会「ワーレンキ」が大きなきっかけとなりました。

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△繊細な刺繍が施されたもの、色鮮やかにペイントされたもの、ファーやビーズで装飾されたものなど。

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△シンプルなワーレンキからインスピレーションを得てクリエイターたちが制作した作品が並びます。

つづいては、2009年に開催されたワーレンキのコンクール受賞作の数々。

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△日本のアーティスト高梨真澄さんから寄贈されたマトリョーシカチャーム付きのワーレンキもありました。

さて、こうして伝統的な履き物からアート作品として進化したワーレンキですが、現在のモスクワの街中では見かけないのか?というと、実はこんなお洒落なブーツになっていました。

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△1月にご紹介したロシアのショール「プラトーク」と「ワーレンキ」を組み合わせたバッグ&ブーツは、ロシアの冬のおしゃれにぴったり!値段もとってもお手頃なので、私も思わず2足購入。

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△可愛らしいデザインの子ども用も。ほかにも、スリッパなどのフェルト小物も展開されていました。

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△こちらはモスクワにあるワーレンキをテーマにしたロシア料理レストラン。季節ごとのディスプレイが楽しい入り口前の大きなワーレンキが目印。ワーレンキ型のケーキもおすすめですよ。

見て楽しい!履いて温かい!ロシアの冬を満喫するのにぴったりのワーレンキから今後も目が離せません!

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