ロシアの伝統美「プラトーク」の魅力に迫る! 後編

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独特の花柄デザインと正方形の形状で知られているロシアのプラトーク。

前編では、一大産地パヴロフスキー・ポサードの工場へ。製造過程を再現したコーナーで、伝統的な木版印刷の技術やレジェンドたちの作品などの展示から、プラトークがどのように作られているかを学びました。

後編は、街のなかの「プラトークとショールの歴史博物館」へ足を伸ばしてみましょう!

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△ちなみに、プラトークは、頭や首に巻くウールやシルク製のもので、装飾用やロシア正教の教会に入るときにつけるようなもの、シャーリ(ショール)は肩や背中を覆うような大きさを指すことが多いそうです。

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△入り口にはこんな可愛らしいフォトスポットも。

博物館で学ぶプラトークの歴史

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△19世紀から現代に至るまで、さまざまなプラトークが展示され、まるでタイムトラベルをしているかのように、美しいプラトークを通して、当時の生活や時代の変遷を感じることができます。

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△ロシアでプラトークは、冬の防寒具としてだけでなく、結婚式や宗教的儀式の際の象徴的なアイテムとしても使われてきました。

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起源は諸説ありますが、17世紀に東洋から伝わり、18世紀に広まったとされています。当初は貴族や裕福な商人の間で高級なファッションアイテムとして愛用されましたが、19世紀頃になると、職人たちが手織りやプリント技術を発展させ、農村部の女性たちにも普及していきました。

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ロシア正教の教会に入る際に、女性はプラトークを頭に巻くことが一般的です。神への敬意を表し、特に礼拝のときには大切ですし、入り口に観光客用のプラトークが用意されていることもあります。現代では少なくなってしまいましたが、伝統的な結婚式の儀式の一環として、花嫁の頭をプラトークで覆ったり、あるいは結婚式の贈り物として家族や友人たちからの祝福の気持ちを示すアイテムとして、また美しい模様や鮮やかな色合いで結婚式のテーブルを飾るために使われたりもしていました。

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△1862年にモスクワ各地の工場で作られたショール。アンティークなプラトークは、その時代のファッションや技術を反映しており、訪問者の注目を集めています。

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△19世紀後半のウールのジャガード織ショールとカーペット。東洋と西洋の模様が施されたロシアの織物は19世紀初頭に登場しました。フランスのジョゼフ・マリー・ジャカルによって発明された通称ジャカード織機は、革命前のロシアで広く使われるようになっていました。

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△20世紀初頭にパヴロフスキー・ポサードで作られた、シルクのフリンジが縫い付けられたジャカード織プラトーク。18世紀前半にはモスクワ近郊の村々で絹織物の生産が広く行われており、19世紀にはモスクワ州パヴロフスキー・ポサード市が絹織物産業の中心地となり発展していきました。残念ながらこの手織り機(ジャカード)で織られた絹製品の生産は、20世紀末には廃れてしまったそうです。

興味深かったのは、模様が時代ごとの社会情勢を反映していること。帝政ロシア時代の花柄は華やかで繊細な柄が、一方、ソ連時代にはシンプルで機能的なデザインが増えたそうです。

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△社会主義の時代にはこんなデザインも。ロシア革命や第二次世界大戦時の特別なデザインは、歴史的背景を深く理解する手助けにも。

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△こちらもソ連時代、ボリショイ劇場の200周年記念にデザインされたプラトークです。

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△パヴロフスキー・ポサード170周年などこの場所にちなんだプラトーク

このように特定の歴史的出来事や祝祭に合わせて制作された限定デザインのプラトークも多数展示されています。また、地域ごとの模様の違いや、宗教的な意味合いが込められたデザインも紹介されており、プラトークが単なる装飾品ではなく、ロシアの人々の生活や精神性と深く結びついていることがわかります。

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プラトーク型の記念切手

プラトークの魅力と現代的な楽しみ方

巻き方次第で表情が変わり、1枚でファッションの主役になってくれるプラトーク。実用的なだけでなく、長い歴史が織り込まれた奥深さが、手に取った瞬間から感じられます。

最後に、プラトークのショップへ。

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△パヴロフスキー・ポサードではもちろん、モスクワにもたくさんのお店があります。「気分に合わせて新作を」「大切な方への贈り物に」とロシア人にも愛されていますし、「ロシアを訪れた記念に」とお気に入りの一枚を選ぶ観光客にも大人気です。

あれこれ手に取ってみていると・・・私が選ぶプラトークはエレーナ・ジュコワさんの作品が多いみたい。色々迷った結果、モスクワへ会いにきてくれた母とお揃いで、«Ненаглядная»(愛しい人)と名付けられた1枚を購入しました。店員さんや常連のお客様にさまざまな巻き方を教えてもらって、すっかりプラトークに夢中の私たち母娘!ロシア旅行の間、毎日お互いにお気に入りのアレンジを楽しみながら温かく過ごしました。

パヴロフスキー・ポサードを訪れて、工場や博物館プラトークが持つ歴史、そして職人たちの情熱を肌で感じて、さあ、あなたはどんな物語のプラトークを選びますか?

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