ロシアの「ラシースカヤ・ガゼータ」と日本の「毎日新聞」という両国を代表する新聞社の主催による「日本・ロシアフォーラム」が、2月28日東京で開催されました。
メインフォーラム(両国代表、主催者の挨拶、特別基調講演)のあと、ビジネス(資源開発・インフラ)、技術(IT・宇宙)、文化・スポーツの各分科会に分かれ、各界の代表者や専門家をパネリストに意見交換が行われました。
「文化・スポーツ分科会」では、茶道裏千家前家元、ユネスコ親善大使、さらにロシア文化フェスティバル日本組織委員会委員を務められている千玄室さんが登壇。ご先祖様である千利休が一椀のお茶で権力者に和敬清寂の心を教えたエピソードや、茶道の心得を例に挙げ、日本の伝統文化である茶道を通じて実践していらした民間外交の大切さについて熱弁をふるい、会場を魅了しました。
また、女優で、ロシア文化フェスティバル日本組織委員会副委員長としてご活躍されている栗原小巻さんは、 日本語・ロシア語を織り交ぜ、心のこもったビデオ・メッセージで会場に華を添えました。(以下、要約でご紹介いたします)
「日本・ロシアフォーラムの開催を心からお祝い申し上げます。私自身は十代の頃から、バレエ交流や合作映画などでロシア文化に親しみ、現在に至るまでロシアの素晴らしい芸術家・指導者の皆様にお教えいただきました。そのご縁で、2006年の開幕以来「ロシア文化フェスティバル」に関わっておりますが、日露の文化交流や平和友好に多大な貢献をしていると、組織委員会の一員として自負しております。これはひとえに、ロシアの芸術家の皆様方、そして両国の関係者の皆様方のご尽力のおかげだと思っております。このフェスティバルを通じまして、年間100万人以上のロシア芸術・文化を愛好する日本の方々が、現代ロシア芸術と知り合う機会を得て、芸術家の誠実さや芸術の尊さを実感して参りました。2011年の東日本大震災や原発事故で日本が悲劇を被ったとき、芸術活動の友好的な支援は非常に大切なものでした。文化交流が両国民の関係を強くすること、そして両国の平和と友好を心から願っております。」
会場ではパンフレットとともに、このフォーラムのロゴマークの小鳥を作るための折り紙も配布されました。赤と青に塗り分けられたこの折り紙を折っていく作業は、まるで日本とロシアの接点を重ね合わせていくようで、日本・ロシアフォーラムを象徴するものでした。それぞれが完成させた小鳥が、両国をつなぐ空へ羽ばたいていきますように・・・!