【ロシアナの推しごと】ロマネンコさん追悼コンサート

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日本とロシアの文化交流に長年尽力されたイーゴリ・ロマネンコさんの追悼コンサートが催され、司会を務めました。

ロ日協会の会長として、ロシア文化フェスティバルロシア組織委員会副委員長として、そしてモスクワ放送の職員としても長い間ご活躍されたロマネンコさん。この日はそんなロマネンコさんと親交の深い出演者・スタッフ一同が集結し、生前のご功績を偲び、心からご冥福をお祈りしながら、コンサートは終始温かな雰囲気に包まれました。

アレクセイ・トカレフさんの天国に届くような『トランペット・ヴォランタリー』で始まり、

東京バラライカ・アンサンブル有志の皆様による『街のざわめきも聴こえず』の心に染みるメロディー。NHK国際放送でロシア語の同時通訳としても活躍されるタマーラさんの『黒い瞳』は艶やかな言葉に胸を掴まれます。

日本ハバロフスク音楽家交流委員会も主導される谷本潤さんのヴァイオリンと早川枝里子さんのピアノでグラズノフの『瞑想曲』が流れると生前のロマネンコさんが目に浮かびます。

ラフマニノフ生誕150周年の今年、木曽真奈美さんのピアノで追悼の想いを込めて『鐘』が流れると、ラフマニノフが大好きだったライラックが満開に咲き、甘やかに香るよう・・・

後半は、モスクワで開催された『日本文化週間』にて、ロマネンコさんとともに日本文化の素晴らしさを伝えた芸術家の皆様も駆けつけてくださり、藤間紫恵乃さんがご自身で振り付けられた『モスクワ郊外の夕べ』を踊り、モスクワでお召しになったという思い出の桜の着物姿で登場された民謡歌手の小山みつなさんと三味線の山本謙竹さんが『新相馬節』『津軽あいや節』を、さいごに尺八奏者の大由鬼山さんが登場し『荒城の月』を、そしてインタビューコーナーで、ロマネンコさんとの思い出話をたっぷりとお聞かせくださいました。

地方都市へ向かう電車のなかで、歌や三味線で盛り上がり、隣の車両からもロシア人乗客が押し寄せてブラボー!の嵐が巻き起こった・・・なんて素敵なエピソードも。

そして、ピアニスト川西宏明さんの編曲・演奏で『おお、ライ麦よ』『ロシア国家』でフィナーレ!

文化を愛し、芸術を愛し、日露の文化交流に捧げたロマネンコさんの遺志を継ぐ皆さまと終演後に。

大学卒業後お仕事をはじめたときに、日ロ文化交流の最前線で活躍されていて、ロシアナとしての私を育ててくださった恩人でもある尊敬する方々が、今のこの辛い状況のなかでこの世を去ってしまうことが悲しくてなりません。

△日本語も堪能で、ダーチャで日本のお野菜を作るのが趣味だとおっしゃっていたロマネンコさん。モスクワ放送で勤務していらっしゃったので、元同僚として思い出の写真をポケットにしのばせて、DJ西野肇さんも会場にいらっしゃいました。お会いするたびに、「ユリさん、あなたのブログはとても面白い!ずっとつづけてください」と、連載していたロシア文化フェスティバルBlogに励ましのお言葉をかけてくださったロマネンコさん。そのBlogも、昨年2月のあの日から無期限休止になってしまいました・・・

今日の厳しい国際情勢のなかで、またかつてない日露関係の試練のなかで、

このコンサートが、意義のある、未来への新たなムーブメントを作り出すものと信じております。

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