心の洗濯!モスクワより、マレーヴィチの描くキーウ(キエフ)

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(3.19)ロシアの大切な友人知人たちと、日々メールを交換しています。はじめは、今の状況のなかで生活や体調を気遣いながら、そして日々のちょっとした変化や気づいたこと、なによりも積み重なっていく辛く悲しくどうしようもない心のなかのもやもやを共有しあって、そして少しずつメールの内容はお互いの見つけた楽しい瞬間や美しいものになりました。

△モスクワの、尊敬する方から届いた1枚の絵。ロシア国立トレチャコフ新美術館で見ることができるカジミール・マレーヴィチ(Малевич Казимир)の絵『Пейсаж под Киевом』1930年に描かれたキエフ近郊の風景です。1879年にキエフ近郊の村で生まれたマレーヴィチは、『黒の正方形』など前衛芸術運動ロシア・アヴィンギャルドの画家として知られますが、初期の頃の作品には美しい故郷を描いた作品もあります。

この作品が、まるで『北風と太陽』のおはなしように、しばらく閉じこめていた言葉にならない思いをすべて受けとめて、やさしく寄り添い、顔を上げて一歩前に進む力をくれた気がしました。

 

台風の目のようにいつも通りの生活が営まれているモスクワ、WhatsAppもFacebookもInstagramも不安定になり、テレグラムの登録を知らせる連絡が続きます。

ニュースで報じられていることは、ロシアとは肌感覚が違い温度差を感じることも多く、言葉の選び方も受け取り方も繊細になります。これは、たとえば新型コロナウイルス禍で対策の異なる日本と英国との間の話題でも強く感じたことでした。直接のやりとりのなかでも、こうしてロシアナとして発信するなかでも、迷いがありました。でも、毎日の交換日記のなかで心の洗濯を続けるうちに、ここはいつもどおりの場所でありたいと考えるようになりました。ウクライナとロシアに心痛むニュースのなかでも、そして日本とロシアにこれからロシアに長い長い冬が続くとしても、“ロシアのお気に入り“の話題で、みなさまとほんのひとときほっと笑いあえるサードプレース(癒しの場)になったらいいなと願っています。

 

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