「ロシア年末年始」

2007-12-01

 
除夜の鐘ではなくクレムリンの鐘。お屠蘇ではなくシャンパン。サンタ・クロースではなく“ジェッド・マロース(マロースじいさん)“
目にするものや耳にするものが違っても、祝う心は同じです。
 
 
 
12月31日、
赤の広場には新年をモスクワの真ん中で迎えようとする
沢山の人が詰めかけ
騎馬警官による入場規制が始まるほどの大混雑。

雪のないお正月となったものの、広場の石畳の上はしびれるような寒さ。
それでも人々は、気温が下がれば下がるほどにますます熱く盛り上がり、
“新年の鐘の音”と題されたコンサートが続いていきます。

 
雪のないお正月となったものの、広場の石畳の上はしびれるような寒さ。
それでも人々は、気温が下がれば下がるほどにますます熱く盛り上がり、
“新年の鐘の音”と題されたコンサートが続いていきます。
 

 
ついにカウントダウンが近づくと、
大声援を受けてプーチン大統領が演説を行い、
終了と同時に2008年のはじまりを告げるクレムリンの鐘が12回、
凍った夜空を震わせるように鳴り響きました。
1日を迎え、そっと目を閉じるおばあさん、頬にキスをしあう恋人たち、
仲間同士でシャンパンを開け歌い出す若者たち。
左手にはおとぎの国みたいにライトアップされた屋外スケート場、
右手には荘厳なクレムリンと0時を指す時計塔、
そして目の前には~これ以上美しい建物が二度と現れないようにと、
建築家が目を奪われてしまった~という悲しい伝説を持つ
聖ワシーリー寺院が色あざやかに浮かび上がり、
その向こうにはつぎつぎと盛大な花火が打ち上げられていきます・・・。

 

さて今年ロシアでは、12月30日~1月8日まで、10日間という長いお正月休みになりました。
ロシアでも日本と同様に1月1日に新年を祝いますが、なんとロシア正教のクリスマスは1月7日。
さらに1月13日~14日にかけては旧暦でのお正月が祝われます。
年末から旧正月にかけて、郊外の森からはモミの木が運ばれ、街角でも、自宅でも、綺麗に飾りつけられています。
年賀状にも「明けましておめでとう!&メリークリスマス!」と書かれ、
干支のねずみと一緒に、ロシア版のサンタ・クロースである“ジェッド・マロース(寒波おじいさん)”とその孫娘“スネグーラチカ(雪娘)”
が描かれていたり、毛皮の帽子の代わりにサンタ・クロースの帽子をかぶってニュー・イヤー・コンサートをしている楽団を見かけたりします。
 
「お年玉」のかわりにちょっとした新年のプレゼントを交換しあったり、
「おせち料理」のかわりに家族や親しい人たちとご馳走を囲んだり、
「紅白歌合戦」のかわりに毎年恒例のTV映画「運命の皮肉」を観たり。
手にするものや口にする言葉は違っても、嬉しい気持ちは同じロシアの年末年始です。

 

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「スターバックス潜入!」Vol.6

2007-11-01

2007秋、ついにモスクワにスターバックスが出現しました!
扉をあけると、そこはまるで日本のスターバックスにいるかのよう。
トレードマークの緑色のエプロン姿の店員が、フレンドリーに話しかけ、笑顔で注文を聞いてくれます。
テーブルの上に残されたカップはあっという間に片付けられ、トイレも常にぴかぴかに拭かれています。
かなり女性の喫煙率も高く、まだまだポイ捨てが横行しているモスクワにあって、
店内が全席禁煙で、店外の吸殻もこまめに掃除されている点も日本と同じです。

では、日本とちょっぴり違うのは?
注文の際に、必ず名前を尋ねられるところです。
「お名前は?」と聞かれて「ユリです!」と答えると、レジの店員はドリンクを作っている店員に向かって、
大きな声で「ユリにカフェ・ラテのトール・サイズを1つお願い!」と呼びかけるのです。
さて、ロシア雑貨好きのマリンカ読者の皆様なら、気になるのはやっぱりお土産でしょうか?
それは、店内の最も目立つ場所にありました!注目のモスクワ限定タンブラーです!
形は同じ機能的なタンブラーに、期間限定やオリジナルなど様々な柄バリエーションでの販売によって、
日本でも人気のあるスターバックスのタンブラー。
ロシア柄といえば?・・・そう、何といっても“マトリョーシカ”柄です。
お土産にぴったりのこの一品、オープン当初は各店舗で売り切れが続きました。
入国にはビザ申請、時差は7時間、アルファベットはキリル文字。
可愛いからといってなかなか「ちょっとタンブラーを買いに・・・」は行けないロシアですから、日本で持っていたら自慢できるかもしれませんね。

ミニ情報!(2008年現在)
なんとタンブラーを買うとドリンクが一杯サービスになります。
どんな飲み物でも、どんなサイズでも、今なら無料になるんです。
ドリンク(“本日のコーヒー”ショートサイズ) 一杯150P (約 658円)
モスクワ限定“マトリョーシカ”タンブラー 1個250P(約1,096円)
1.00 ロシア ルーブル (RUB) =4.39日本円 (JPY)

「モスクワのお花屋さん事情」Vol.5

2007-10-01

日本ではコンビニ、ロシアでは花屋。
そのくらいモスクワの街中にはお花屋さんがあります。

無造作に一本の薔薇の花を手にした美しい女性。
熊のように大きな体にリボンをかけた1本の薔薇を手にした男性。
ダーチャから摘んできた野花をくるっと新聞紙でまとめたおばあさん。
お目当ての女優にあげるのか、大きな花束を抱えて劇場にはいっていくおじいさん。
街にはいつも、ロシア人と花があります。

ソ連時代から、お祝いといえば「シャンパン・チョコレート・薔薇の花」が3点セット。
誕生日のような特別の日だけでなく、ちょっとしたデートにも
さりげなく薔薇をプレゼントしてくれる男性が多いロシアです。
   

 
さて、一番人気の薔薇以外に、
よく花束にアレンジされるのは・・・なんと菊の花!
薔薇と菊はもちろん、ガーベラと菊、
カーネーションと菊、
百合と菊・・・
日本ではお祝いの花束に使われることの少ない菊が、
ロシアではさまざまな種類で、
色とりどりに花束を盛り上げています。
では、ロシアで花束に関するエチケットといえば・・・
忘れてはならないのが、その本数です。
偶数本がお葬式、お祝いには奇数本と決まっています。

そのせいなのか、“2本以上の豪華な花束”以上に

“さりげない1本の薔薇”が、ちょっとしたプレゼントの定番になっています。
大きな花束を贈るのには、その大きさ分の勇気が必要でも、一本の薔薇なら大丈夫。
「通りがけに綺麗だったから」でも「特別なあなたに」でも、
贈り方次第でどちらにもお使いいただけます。
毎日の生活のすぐ近くに、
誰にでも手が届くところに、
花があるその秘密は“1本の薔薇”にあるのかもしれません。

「モスクワ通信.ru(ロシア雑貨マリンカ)」より